春です。少しずつ暖かくなってきましたね。
早いところでは桜も咲いてきたようです。
伊豆の桜はきれいでしたよ。
さて、尋常性乾癬の治療にも春がきたのでしょうか?
新薬の登場です。
新薬?すでにいっぱいあるよねという方。
正解です。
ここ数年、尋常性乾癬の新薬はいくつも登場してきました。
いわゆるバイオ製剤ですね。
でも、これは重症の患者さんに対する恩恵です。
というのも、このバイオ、いくつかの問題も有るのです。
一つは注射であること。
薬剤によっては数時間かけて点滴を行う必要があるのです。
したがって時間の制約が強い。
休日に数時間病院を開けてくれるところも多くはないので、
お仕事によってはお休みをして。ということになってしまいますよね。
もう一つ。
施設が限られていること。
結核など、過去の感染症の再発がリスクとしてありますので、
事前にしっかりとした検査が出来る施設でないと治療ができません。
そのためにどこでも出来るわけではないこと。
また、使用できる施設は学会により審査され、可能施設が登録される形になるので、
どの病院でもOKと言うかたちではないのです。
最後の一つは薬の値段です。
かなり高く、1回の治療で数万円かかってしまいます。
つまり、お財布に優しくないんです。
そんなこんなで、どこでもいつでも使える治療法ではないという難点がありました。
重症の方が、総合病院や大学病院で行う感じですね。
あまり症状の強くない、でも、なかなか抑え込めない乾癬の症状に対しての治療という意味では
今回の薬は久々の新薬と言えるものなのです。
メーカーさんの資料を確認する限り、効果は結構あるようです。
気になるお値段も3割負担の方で月1万5千円と、バイオ製剤に対してリーズナブルです。
副作用も、免疫そのものを完全に抑えるわけではないので、
感染症の再発などは有りません。したがって事前検査をガッチリと行う必要もないのがメリットです。
また、処方可能施設の制限も有りません。
とまあ、ここまで、良いことをお話してきましたが、難点も当然あります。
値段は今までの飲み薬や塗り薬に比べて高いことは高いですし、
まだ新しいタイプの薬ですので、どのような使い方をすればよいのか?
どんな人に効くのかわからない。などの問題点もあります。
副作用も時間が立ってから出るタイプのものも出るかもしれませんし、
思いもよらない副作用が出る可能性も当然ながらあります。
こればっかりは、わかりません。
ということで新しい薬。
最初は、処方する側も飲む側もおっかなびっくりではありますが、
少しずつ処方は増えるのではないかなあ。
などと考えております。
久しぶりに乾癬の治療をしっかりとしてみようかと考えている方がおりましたら、
使用を検討してみてはいかがでしょう。
なお、当院では処方可能ですが、他の病院ではまだ使えないところも多々あるようですので、
可能でしたら予め電話で問い合わせしたほうがいいですね。
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