火曜日の午前中に療育センターで皮膚科の診療を行っています。
そこでも、アトピー性皮膚炎を始めとして湿疹の治療を行っていますが、
湿疹の治療の反応がものすごく別れます。
同じ治療をしているのに、一気に良くなること、全然ダメな子です。
違いはなにか?
見ているうちになんとなくわかってきました。それは
「引っ掻いているか」
たったその一点だけ。
湿疹というものは、自然に治ることだってあります。
ではなぜそうならないことがたくさんあるのか?
それは引っ掻いているから。
ということなのでしょう。
重症心身障害児にもさまざまな状態の子がいます。
重心などと省略していますが、その定義にはっきりしたものはありません。
一般に精神の発達が一般の人に比べて大きく劣ること。
体の運動能力も大きく劣ること。
の2点があるでしょう。
その中にも様々な状態の子がいます。
湿疹がよくなる子と良くならない子の違いはひっかくか否か。です。
良くならない子は引っ掻いている。
特に重心の子は自重することができません。
なので、下手をすると一日中引っ掻いていることがあります。
そのために通常の治療、つまり、一般の子ではこのくらいで大丈夫
というレベルの治療では全く良くならないことがあります。
逆に、全く動けない子の場合は何らかの理由で湿疹ができても、
通常の治療をするとあっという間に良くなってしまいます。
それこそ、一般の子よりも治りはすごく良いのです。
ということを考えると、湿疹が悪くなるのはどうしてもひっかくから。と考えたくなりますし、
実際にはそうだろうという印象が強くなってしまいます。
以上のことを考えると、湿疹の治療のコントロールはまず痒みをどのようにコントロールするか。
ということが一番大切な印象を受けてしまうのです。
もともと痒みは人生の質(QOLと言いますが)を落とすと言われていました。
そのために痒みに対する対処が必要だという考えです。
しかし、そのような消極的な対応ではなく、もっと積極的に痒みをコントロールすることが
湿疹の症状に対する治療になっていくのだろうと考えてしまうのです。
湿疹が落ち着かない時は多くの場合では痒みのコントロールがついていないようです。
まず痒みをどのように抑えていくのか?
その中でどのように問題を起こさずに痒みを沈めるのか?
どうもここが皮膚科医の腕の見せどころのようです。
すでにpain controlという概念は医療業界では一般的になってきました。
その次にはscratch controlという概念を広めていきたいものです。
コメントを残す