KISSの法則って、ご存じですか?
これはある文章の頭文字を取ったものです。
正式には
Keep it symply. stupid!
というものです。
日本語に直すと、
「単純にしろ、このバカモノが!!」
という風に訳すことが出来ますかね。
皮膚科の塗り薬についても、このKissの法則が当てはまります。
他の病院の処方箋やお薬手帳を見ていて、不思議に思うのですが、
同じ患者さんに対して保湿剤が3種類、一つの部分にぬる薬が3種類と出ていることが有ります。
詳しく聞いてみると、「有るときにはAを、またある時にはBを塗る」用に指示されているそうです。
でもね、実際にそのようにできているか聞いてみると、ほとんどの場合が
「出来ていません」と言われます。なぜでしょうか?
理由の一つが面倒くさくなること。
種類が多くなるだけでげんなりしてしまいます。
もちろんそうですよね。我が身を振り返っても、たくさん宿題があるとそれだけでイヤになってしまいますよね。
ついで、使い分けがわからないこと。一言で言うと、境界条件の問題です。
こうもり問題と私は呼んでいますが、2種類の薬があるときにどちらを塗るべきかわからなくなってしまう問題です。
このように薬の種類が多くれれば、逆にそのための問題も出てきてしまうのが難しいところです。
なので当院では最初はシンプルな塗り方のお話を行っていきます。
一般に同じ部位に塗るべき保湿剤あるいはステロイドは1種類。
部位別の差もあまりつけることはしません。
もちろん、何回も受診されてすでに薬の使いかたもわかっているという方であれば、
少しずつ薬の使い分けに付いてお話をしていきますが、最初からは難しいですね。
しかし、単純化にはデメリットも有るのではないか。
と思われる方もいるでしょう。
デメリットとしては効果は不十分もしくは効果が強すぎる
ということが有ります。
でも、この問題はある程度カバーすることは可能です。
それは時間軸。
効果が強い(=副作用が強い)場合でも、短時間であればそのデメリットは見えなくなります。
逆に効果が弱いのであれば、次に来た時に強くしますし。
(よっぽど効果が弱い時は予定日前でも連れてきますし)
なので、当院の考え方としては
理論上ベストの治療(でも、実際に行うのは大変)
よりも、一段落ち着かもしれませんが、
シンプルで簡単で、自宅でも無理なく出来る治療
を最初は行います。
そして、しっかりと指示通りのことが出来るようになってから、少しずつ難しい方法に
挑戦していく。
というように進めていったほうが結果的に早く、良く綺麗になると思っています。
足元から一歩ずつ治療を進めていきましょうね。
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