夏になり、虫刺されの患者さんがたくさん受診されるようになりました。
多くの患者さんを診察していて気になることが一つありました。
概ね虫さされの症状は刺された回数により決まります。
したがって、同じくらいの年齢の患者さんでは、みな症状の強さは似通ってくるのですが、
一部の人では年齢に比べて非常に強い症状を示す方がいました。
どんな人がそのような反応を示すのだろうか。
と考えて観察していると、ある一つの傾向が見えてきました。
どうも、このような人は引っ越しをしているんですね。
しかも、引っ越しをしてからの年数と症状の強さが関係しているみたいです。
不思議な話でしょ。なぜでしょうか?
どうも、刺す虫に対するアレルギーの強さが違うのではないか。
と考えられます。
虫さされのアレルギーの強さは虫の種類ごとに異なります。
つまり、
イエカのアレルギーの強さと、ヤブカのアレルギーの強さは全く別個のものなのです。
それをもっと考えてみると、
関東のイエカのアレルギーのつよさと東北のイエカのアレルギーの強さ、
九州のイエカのアレルギーの強さは全く別個のものかもしれません。
いままで、イエカはイエカ。アレルギーの強さは一律でしょ。
と考えていたのですが、ひょっとすると地域によりイエカはイエカでも微妙に違い、
刺された時に体内に入ってくる成分も微妙に違い、
アレルギー反応も微妙に違う。
ということがあるのかもしれませんね。
なので、引っ越しをした後には虫さされの反応が非常に強くなってしまう。
ということもあるかもしれません。
では、どこからどこに引っ越ししたら反応が強くなるのか?
これはまだよくわかりません。
どうも別の地方(例えば東北から関東)レベルでは強くなるようです。
もちろん隣町レベルでは強くなりません。
そのあいだのどこかにあるんでしょうね。
これは今後の課題としましょうか。
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