丁度このような質問があるのを見つけたので。今日はこのお話をしてみましょうか。
まず、結論から言いましょう。分裂します。
この「分裂」にはいくつかの意味があり、それぞれできやすい時期があります。
まず、一つ目。ほくろが出来上がるときのお話です。
生まれつきのほくろは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときにすでに出来上がります。
ほくろのモトは神経ですが、脊髄から皮膚に向けてその神経の細胞が走って行きます。
その時に何らの変異が置きると異常に増殖しながら皮膚に神経の細胞が走って行き、
その部分にほくろとして現れると考えられます。
じつは、その後、ほくろの皮膚が分離することがあります。
たとえば、まぶた。
ほくろが出来上がったあとに上のまぶたと下のまぶたが分離します。
そのために、上と下の瞼にわかれたようにほくろができることがあります。
これを「分離母斑」と呼びます。
これが一つ目。生まれる前のお話ですね。
ついで二つ目。
特に小さな子に多いのですが、ほくろに湿疹が(たまたま)できて。あるいはほくろを気にしていじってしまう。
いじっているうちに皮膚そのものを剥ぎとってしまい、ほくろが分かれたように見えることがあります。
大人でもたまにあります。また、自分で引っかかなくても、何かを引っ掛ければ同じようになることがあります。
詳しく覗いてみると、分かれたほくろの真ん中に傷跡の様子をうっすらと見える場合があります。
まあ、肉眼では難しいのですが。
これが二つ目。
最後に三つ目です。
これは、ほくろがガン。つまり悪性黒色腫になってからのお話です。
悪性黒色腫は自分の体にとっても敵ですから免疫反応を起こすことがあります。
したがって、そのほくろの細胞を攻撃し始めることがあります。
そうすると、その部分の黒色腫の細胞が死滅してしまい、部分的に黒い色がなくなることが知られています。
そのために分かれたうに見えることがあるのです。
・・・え、どうして一部だけ攻撃されるのか?ということですが、これは難しいお話です。
詳細はまた後日お話することにしますが、ここでは、悪性黒色腫の一部だけ色が無くなる事があるという話が重要です。
というように、「ほくろが分裂する」のにはいくつかのパターンが有ることを理解頂けるかと思います。
では、「ほくろが分裂」した方が受診した場合、私達はどう考えるか。
まず、お話を聞き、いつ頃から分裂したのか話を聞き、診察をするのは当然ですが、
強く切除を勧めることが多いです
理由は上記の三番目の可能性があるから。
悪性黒色腫だった場合、放ったらかしにするリスクは大きいこと。最悪命に関わることがあります。
逆にその時点で切除してしまえば状況が悪化することを防げますしね。
もう一つ、顕微鏡でしっかりと細胞の「顔つき」を見ることができますからね。
というのも細胞1個1個の「顔つき」を顕微鏡で見ることによって初めて良性か悪性かの区別をつけることができるからです。
というわけで、分裂するホクロを見つけた時は皮膚科に行ってしっかりと診察してもらいましょう。
また、怪しい物はしっかりと切除して確定診断をつけましょう。
というお話でした。
コメントを残す