ブヨ。
皮膚科医に取っては嫌な言葉です。
だって、刺されると手こずるんですよ。しかも治らないんだもの。
なぜ、ブヨに噛まれると症状が長引くのか?
実は完全にはわからないのです。
ただひとつ言えるのはブヨは皮膚を「刺す」のではなく皮膚を「噛みちぎる」から。
そのために悪化する可能性があります。
ブヨの刺し傷の特徴は今述べたように噛みちぎること。かゆみが強いこと。
そのために皮膚の反応は他の虫さされと異なる様子を見せます。
まず、皮膚は一部なくなりますので、それをなおすためにかさぶたを作ります。
また、なくなった部分から血液や組織液(いわゆる「つゆ」)が出てきます。
実は組織液や血液の中には痒みを強く感じさせる成分が含まれていることがわかっています。
また、かさぶたも一般的に痒みを感じることがありますよね。
そのためかもしれませんが、皮膚の下のかゆみを感じる神経が「過敏」になっているようです。
そのせいで、ブヨに刺されるととてもかゆくなってしまいます。
結果として皮膚は刺されたところを中心に固く盛り上がってしまい、
治療を続けても全然良くならなくなってしまうのです。
これを「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」と呼んでいます。
ここまで進んでしまうと、治療は大変です。
ステロイドの塗り薬を数ヶ月ずっと塗る必要があります。
副作用が出て、毛が生えてくることもありますが、やむを得ません。
(治療をやめれば毛は抜けるので心配しないで下さい)
でも、治療をしないと、数年間も持続してしまいますから、仕方が無いのです。
以上、ブヨに刺された時にいかに大変かお話しましたが、
同じようなことはずーっと引っ掻かれた皮膚ではすべて起こりうることなのです。
なので、引っかかないことが大事なのです。
引っかかないほうが早く虫さされは治りますよ。
キャンプでブトに刺されてから20年経ちますが噛まれた跡が色素沈着してしまいいまだにはっきりアザのように残っています。
噛まれたら必ず病院に行かれたほうが良いかと思います。
痒いからつい掻いてしまう。できるだけ掻かないように大事にしてください。