手荒れ体質はあるのだと言ったらみなさんはびっくりするでしょうか。
毎日診察をしていると、沢山の手荒れの患者さんがやってきます。
当クリニックでは問診票を書いてもらっています。
その問診票を見ていると、元々アトピー性皮膚炎を持っている人が結構多いんですよね。
まあ、ウチは小さな子どもとそのお母さんが多いので、若年者の比率が多い可能性はあるのですが、
それでも、世の中のアトピー性皮膚炎の患者さんの比率よりもずっと多い印象があります。
手の湿疹とアトピー性皮膚炎。
ぱっと見あまり関係がないような2つですが、共通のキーワードでつながります。
そのキーワードは「フィラグリン」です。
フィラグリンとは何か。簡単に言うと皮膚のバリアを司るタンパク質です。
フィラグリンが少ない人は、小さい時には尋常性魚鱗癬という症状を発症します。
すねの前の部分にあたかも鱗のような皮膚の割れ目が出来る病気です。
この病気は大きくなるに連れて良くなってくるのですが、
手のひらや足の裏の指紋が深くなることが知られていました。
また、このフィラグリンはアトピー性皮膚炎の一部の人でも少ないことが知られています。
大体1/4から1/3くらいのアトピー性皮膚炎の人に異常があることが知られています。
このアトピー性皮膚炎もおとなになると多くの人が良くなることが知られています。
でも、あくまでもはっきりと出なくなっただけであり、大人でも調子が悪くなると、
関節などに湿疹が出来る人もたくさんいます。
多分、アトピー性皮膚炎の人の「調子が悪くなったとき」の調子の良くない皮膚が
手のひら、手の指なのでしょう。
なので、体に何も湿疹がなくても、指や手のひらに症状が出るのでしょう。
つまり、これがアトピー性皮膚炎と手の湿疹の関連性と考えられます。
では、治療はどうするのか?
これも、アトピーと同じ。まず、生活指導。ついで塗り薬です。
治療の話は次回以降にしましょう。
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