昨日に引き続き、虫さされのお話です。
外来で虫さされの診察をしていると聞かれるのが
「蚊アレルギーではありませんか?」という話です。
皆さん、インターネットで調べてくる方も多く、心配そうに聞かれることが時にあるのです。
さて、この蚊アレルギーとは一体なんの話でしょうか。
アレルギーでは無いとはどういったことでしょうか?
一般の虫さされの反応はアレルギー反応が主体です。
虫が人体をさした時、その虫から注入される唾液成分や
(蚊は刺すときに、血液が固まらなくなるタンパク質を一緒に注入しているのです)
口器のタンパク質に対するアレルギー反応と
注入された化学物質に起因する反応が混在して皮膚に対する反応を形成します。
何度も刺されると反応しなくなることがあるのはまさにアレルギー反応なのです。(減感作と言います。聞いたことありませんか?)
対して、蚊アレルギー(正式には蚊刺過敏症)は感染症なのです。
慢性活動性EBウイルス感染症という、ある種のウイルスの感染により、引き起こされる症状です。
EBウイルスが免疫を司る細胞に感染したために、おかしくなってしまい、
蚊に刺された時に激烈な反応を起こしてしまうのです。
ただ、ウイルス感染が原因であることが発見される前に、蚊に対する強いアレルギー反応という皮膚の症状が目立ったために
蚊アレルギーという病名が先に出てきてしまったのです。
では、一般の虫刺されと、蚊アレルギーの違いはどこにあるのか?
これは症状の強さで決まってきます。
一般の虫さされは水ぶくれまで。
蚊アレルギーの場合は、皮膚がぼっこりとえぐれるくらい、反応が強くなります。
また、発熱やだるさなどの全身の症状が出てきます。
これなら、判断は簡単?
いえいえ。そう簡単には行きません。
ブヨに刺されると、えぐれたように見えることもありますし。
(ブヨは厳密には「刺す」のではなく「かみちぎって」います。また、痒みも強いので、かきむしってえぐってしまうのです)
虫さされに細菌感染を併発すると発熱やだるさが出ることもあります。
また、実はダニに刺されいてその後にツツガムシ病や日本紅斑熱といった病気になることもあり、
診断をするのは非常に難しいのです。
もちろん、迷った時には専門の先生に見てもらいますが。
99%以上の方は蚊アレルギーでは無い、虫さされです。
しかし、ごく僅かですが、蚊アレルギーの方もいますので、
もしも虫さされの後が心配であれば一度診察を受けてみて下さい。
違うなら違うで安心ですし、
症状に応じて専門の先生に診てもらうことも可能です。
一度ご相談下さい。
はじめまして。娘の虫刺されに悩んでいてこちらに辿りつきました。
娘は初めて蚊に刺された時から腫れて治りも遅い子でした。
子どもだからそんなものかなと思ってたのですが蚊刺過敏症というものがあると知り、急に心配になっています。
娘は蚊に刺されたらその時は腫れて、一旦落ち着くのですが翌朝見ると大きく腫れます。そして、刺されてすぐ水洗いしてムヒパッチなどのシールを貼ると水ぶくれになったりはしないのですが、翌朝まで気付かず、気付いた時に腫れてる時は大きく腫れて水膨れになったりします。
蚊刺過敏症を調べたら高熱が出ると記載があるのですが、今まで高熱は出たことありません。
しかし、今回、刺された翌朝に腹痛⇨下痢になりました。熱はありません。
小児科を受診したら喉も赤くて鼻水も出ていることから風邪との診断でした。リンパも少し腫れてるとのことでした。その時はさほど気にせず帰宅したのですが、蚊刺過敏症にリンパの腫れと載っていて気になっています。
風邪なのでしょうか。それとも蚊が原因なのでしょうか。
虫刺されの跡は、4,5日後からは色は残ってますが治ってきています。潰瘍になったりはありません。