「成育医療研究センター語?」のエントリーにあったとおり、
当院のアトピー性皮膚炎に対する治療法はあまり他の病院では見られません。
その考え方のキモになるものが
「上塗り」
「下地」
「保湿」
という薬の使い分けです。
他の病院の多くは「湿疹」と「保湿」のみ使用しているでしょう。
しかし、アトピー性皮膚炎の”悪い皮膚”は赤い所だけでしょうか?じくじくする所だけでしょうか?
という疑問から始まった治療法です。
アトピー性皮膚炎では全身の皮膚に何らかのトラブルがあります。
その中で、特に症状の強いところが痒みを出していると考えてもいいでしょう。
逆に考えると、湿疹のない部分にはまったく何も無いわけではないのです。
したがって、湿疹か正常か、白か黒かという話ではないのだろう考えています。
つまり、
「何もない」のではなく、「症状が弱い湿疹がある」のです。
したがって、保湿では落ち着かない事になってしまうのです。
当院の「上塗り」は他の「湿疹」のお薬と一緒です。
当院の「保湿」は他の「保湿」のお薬と一緒です。
では、「下地」は?これは保湿剤に少しだけステロイドを加えたものです。
つまり、何もないように見える部分(先に述べたとおり、弱い湿疹が実はあるのです)
にも少しだけステロイドを塗ることでその部分もしっかりと抑えようという考え方です。
でも、何もない皮膚にステロイドを塗り続けるのは心配ですよね。
なので、下地は塗る回数で調整をしていきます。
症状が落ち着いていたら徐々に保湿剤に切り替えていくわけですね。
アトピー性皮膚炎の「湿疹がない」皮膚は、実は「ちょっとだけ湿疹がある」のです。
ただ、それが他のひどい部分の影に隠されているだけなのです。
ですので、その「ちょっとだけ」の湿疹に「ちょっとだけ」ステロイドを塗ってあげるのです。
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