わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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DEET

皮膚科医が自分の子供に使いたい虫よけ剤はなにか?(2018年夏)

以外に知られていませんが、皮膚科医は医者の中で最も虫刺されを診察しています。

もちろん治療のプロです。

(いっぱい刺されて気になる方は受診してくださいね)

それだけではなく、予防についても深い知識が必要とされます。

その皮膚科医がおすすめする虫よけ剤についてのお話です。

 

世の中にはいろいろな虫よけ剤がありますよね。

ここ数年、一気に虫よけ剤の選択肢が広がりました。ありがたいことです。

 

その中でも、2018年現在最もお薦めなのはイカリジンです。

その中でも15%の濃度の成分のものがおすすめです。

 

現在市販品として手に入る虫よけ成分の強さを簡単に示すと

↑強い

高濃度DEET30%、高濃度イカリジン15%

DEET10%、イカリジン5%

フェノトリン、除虫菊

アロマ系虫よけ剤

↓弱い

となります。

大まかな目安ですが、それで良いかと。

 

アロマ系は虫よけ剤としてはあまり積極的にお薦めはしていません。

だって効果弱いし。

(他にも理由がありますが、またいずれ。)

 

ではDEETとイカリジンですが、どちらが良いかという問題ですね。

こちら、イカリジンをおすすめします。

DEETにはいくつか欠点もあるので、それを考えると積極的に推奨はできないんですね。

 

まずDEETには使用回数制限、使用量の制限があります。

容量を超えると、震えなどの症状が出る可能性があるんですね。

なので、制限あり。

もう一つ、高濃度のDEETにはプラスチック/樹脂を溶かすという欠点があります。

ネイルも剥がれますよ。

 

対してイカリジンでは容量制限はありません。

プラスチックに対する作用もありません。

 

そういう意味では非常に使いやすいという虫よけ剤になっています。

 

せっかく虫よけを使うのであれば、刺されないものをしっかりと使ってほしいものです。

なので、我が家はイカリジンを使っているのです。

 

イカリジンに対する期待と不安

さて、今回も虫よけのお話です。

高濃度DEETとともに使用できるようになったイカリジンですが、

期待と心配のが半分半分ですね。

 

というのも、何かよくわからないからなんです。

何が?コレが。(参考資料はこちら

作用機序ははっきりしていないこと。虫のどこに効果あるかはっきりわからないこと。

これは心配面の一つです。

もう一つの心配は長期連用時の毒性についてまだはっきりしていないことですね。

一度に大量に使用した場合の毒性については上記資料に記載ありますが、

長期間の連用時にはどうなっているのかはっきりとわかりません。

そこが少し心配でもあります。

 

しかし、メリットも当然あるわけです。

DEETとは作用機序が異なりますので、併用すれば相乗効果を期待できるかもしれません。

まあ。メーカーさんに聞いてみたときにはその検討はされていないということですので、

どうなのかはやってみないとわからないのですが。

 

また、無臭であることもメリットです。

プラスチックを溶かす心配もありません。

小児に対する使用制限も今のところありませんので、

そういった意味では使用量さえしっかりと守れば

使い勝手の良いものであろうと思うのです。

 

新しい成分の虫よけ剤

ぜひ検討してみてください。

 

高濃度DEETの思わぬ弱点

春です。虫の季節です。

今日も診察室にハチが入ってきました。

無事撃退しましたが。

 

虫の季節になり、気になるのが虫除けスプレーですね。

その虫よけの東の横綱といえるのがディート、DEETです。

 

実はこのDEETですが最近より高濃度のものが使用可能になったこと、

知っていましたか?

過去には12%が限度でしたが、近年のデング熱やジカ熱の感染リスクの増大を考え、

より高濃度での使用が解禁になりました。

確か30%だったかな?

 

でも高濃度DEETには一つの弱点があります。

 

それはプラスチックが溶けること。

読んだ話では50%の濃度のものがつくと車のダッシュボードが溶けるとか・・・

 

30%はそれよりもまだましなようですが、

ネイルが溶けるだろうなー。などと想像していました。

先日メーカーの方と話をしていてわかったのですが、

どうもストッキングがダメになってしまうみたいなんです。

ああ、そういえばストッキングは化学繊維でしたね・・・

 

DEETの開発前にはシルクだったストッキングが

DEET開発とほど同時期に化繊になり、DEETに弱くなってしまう・・・

なんてことをのんびりと考えながらの夜でした。

 

 

 

 

あ、下のはあくまでも参考程度にしてくださいね。

海外の製品なので、日本でも同等の製品がありますから正直オススメはしませんが、

気になる方はどうぞ。