花粉症の時期になってきました。
けっこう辛いんですよね。外出が億劫になってしまうのも困りモノです。
せっかく暖かくなってきたのに・・・
ということで、今回は花粉症にともなう皮膚症状のお話をしていきたいと思います。
特に鼻の下のひりひりについてお話を進めていきましょう。
この鼻の下がヒリヒリした状態ですが、特に鼻をかみすぎると起きるのはご承知のことかと思います。
別に花粉症だけでなく、風邪を引いた時も同じですよね。
では、このヒリヒリした状態ですが、その皮膚には一体何が起きているのでしょうか。
専門的にはこのヒリヒリは「擦過性湿疹」の状態とかんがえることができます。
つまり、こすり過ぎることにより、湿疹が起きてしまうということです。
皮膚は一般に想像されているよりも弱いものです。
たまたま、症状としてはっきりと現れないので、見逃されているのです。
このヒリヒリした皮膚を取ってみて顕微鏡で観察すると湿疹の状態になっているでしょう。
(こんなことをした人はいないのではっきりとしたことは言えませんが・・・)
とすると、治療法も湿疹に対するものと同じになります。
まず、症状を抑えること。
これにはステロイドの塗り薬が有効です。
1回塗るだけでも劇的に楽になりますよー。
しかし、それよりも大切なのは予防です。
まず、鼻をかむモノの素材に拘ってみてください。
ティッシュよりはローションティッシュのほうが皮膚にはやさしいです。
本当はタオルで鼻をかめると良いのですが、これは難しいでしょう。
もう一つの予防策は保護すること。
皮膚の表面に軟膏の膜を作れば皮膚表面の刺激は弱くなりますからね。
市販のもので構いません。保湿剤を少し厚めに塗ること。
これだけでも、ずいぶん症状を抑えることができます。
そして、可能であれば鼻をかんだらすぐに保湿してください。
鼻の下のヒリヒリは予防である程度抑えこむことが可能です。
一手間増えてしまいますが、頑張ってやってみてくださいね。
追記
この鼻の下のヒリヒリですが、赤ちゃんについても言えるのです。
赤ちゃんのお肌は丁度大人の鼻の下の皮膚と同じような状況です。
つまり、大人が、「鼻の下ヒリヒリ」な行為と同じことを赤ちゃんにすれば・・・
赤ちゃんの肌も「鼻の下ヒリヒリ」になってしまうのです。
外来では、赤ちゃんにティッシュ使うなー。とか、ガーゼ使うなー。
なんてお話をしているのはそういうわけなのです。
大人が鼻をかんだ時にヒリヒリするようなことは
赤ちゃんにはしない。
というのも大事なことです。