わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

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雪かき

雪が降った翌日以降の雪かき

今日まで長々とお話をしてきた雪かきのお話も今日で最終回です。

最期に、雪が降った翌日以降の雪かきについてお話を進めていきましょう。

 

 

東京の雪は概ね1日で止んでしまいます。

したがって極端な話、翌日以降の雪かきはしなくても構わないのですが、

可能であれば翌日以降もある程度の雪の処理はしたほうが良いのです。

 

雪が降った後、東京では交通量が多いためにそれが踏み固められてしまいます。

また、夜間の低い温度で冷却された結果、雪は圧雪から氷へと変化します。

翌日の朝はわだちの部分などが氷になり、歩行時に非常に危険になってしまいます。

また、東京の靴のソールの摩擦係数は雪国のブーツに比べ低いために

氷の上を歩くのには不適であり、滑って転んでしまうリスクも高くなります。

そのため、翌日の朝には雪ではなく、氷の処理が必要になります。

 

また、翌日の昼以降は温度が上がるために氷が溶けます。

そのために氷の上に水がある状態になり、歩行には向かない状態になります。

当然、氷、水により車はスリップしますから、もらい事故のリスクも高くなります。

そのために翌日以降もある程度は雪かきをしていく必要があるのです。

 

 

翌日の朝の雪かきは氷対策が主体になります。

特にわだち部分の氷を少しずるスコップで削り、取り除いていく必要があります。

なお、氷は雪に比べて比重が高いので、少しずつ削っていきましょう。

雪とおなじ感覚で持ち上げていると腰を傷めますので、ご注意を。

また、車道には気温が高くなった時に備えて水路を予め作っておくとよいでしょう。

 

お昼以降の雪かきは溶けてシャーベット状になった雪の処理が主体になります。

水はねすることが問題ですが、雪かきしやすい雪の状態になっていますので、

部分的にしか雪かきしていない状態であれば、一気に前面に広げていってもいいかもしれませんね。

 

 

脇に除けて有る雪の山は基本的には放ったらかしで問題は無いです。

歩道に水が溜ったり歩道が使えなくなるのが困る場合には、

少しずつ山を崩して排水口に捨てていきます。

特に日陰の雪の山は1週間以上残っていることもありますが、

あまり問題は無いです。

なお、特に小学校の通学路沿いの雪山は子どもたちが登下校時に崩していきますので、

なくなるのは早い印象があります。

 

また、雪山の処理としては、車道に雪が残っていない場合に限ってですが、

雪を少しずつ車道に投げ入れるのも方法としては有りです。

雪の表面積が増えること、直射日光を受けやすくなること、

自動車が重さで潰し、摩擦熱で溶かしてくれること。

など、山に積んである状況に比べて早く雪を溶かすことが可能です。

ただし、あまり大きな塊が車道にあると、車にぶつかりますので、要注意。

走行中の車の直前に投げ入れるのもスリップ事故の元になりますので、注意が必要です。

信号待ちの車の前に投げ入れるのも印象が悪いですよね。

 

 

 

さて、ここまで長々とお話をしてきましたが、言及していない交通機関が有ります。

そうです、自転車です。

 

雪の日の自転車についてどう考えているか。

一言で言えば

「無茶しやがって・・・」

です。

確かに私も田舎では雪の時に自転車に乗っていましたが、

東京では雪の日に自転車に乗ろうとは思いません。

対向する自動車も運転者も雪に慣れていませんからね。

ということで、自転車のことは考えないで雪かきはしても良いと思っています。

雪の日は自転車には乗らない。

もともと交通機関が乱れるのは雪が降っているのを確認すれば分かりますし、

前日の天気予報を見ればある程度は想像が出来るわけです。

早く出て、徒歩で目的地に向かう。

というのがベストでしょう。

 

車道の雪かきと、雪が水に変わった後の対応

さて、今回も雪かきのお話の続きをしていきましょう。

今回のポイントは車道です。

車道まで雪かきする必要はないって?

いえいえ、東京の雪かきでは大事なポイントです。

 

東京の道路はとにかく交通量が多いです。

地元の道路を夜間に通っていると、朝まで車道で寝ていても大丈夫そうな印象がありますが、

東京ではそうも行きませんよね。

そして、東京の車はスタッドレスなどは履いていません。

大雪でも普通に夏タイヤを履いている車がたくさんありました。

チェーンをしている車、少なかったですね。

 

ということで、雪の東京で車を運転するのは大変なんです。

ドライバーも慣れていない。車も雪に対応していない。

ということで事故の確率が一気に上がります。

事故の中で多いのはスリップ事故。

スリップ事故で多いのはカーブやブレーキ時ですが、

意外に多いのはわだちを乗り越えるときなんです。

私も地元で一回事故を起こしています・・・

 

ということを考えると、車道の雪かきをすることによって、

もらい事故の確率を下げることが出来るのです。

これ、結構大事。

 

 

車道の雪かきも考え方は歩道と一緒です。

まず、わだちとなる部分を作ること。

ついで、カーブ部分や交差点の部分の雪は半分氷になり、

滑りやすい状態になっているので、その雪を除いていくこと。

です。

もしも交差点があれば、歩行者の通路と車道のわだちとの交点部分の雪を

取り除いて上げると親切ですね。

 

 

 

雪かきをしているうちに気温も少しずつ上がってくることかと思います。

東京の雪は長く降り続くことはありません。

ひょっとするとだいぶ暖かくなっているかもしれません。

 

その時に問題になるのが水です。

以前、記事にしましたが、2014年2月の雪のあとに、

道路の冠水が問題になりました。

つまり、水対策も雪の間にしておいたほうが良いのです。

雪と水、対処が簡単なのは雪ですからね。

 

ここに、排水口の対策をするように述べた意味があるのです。

水を捨てるところがすでに空いていれば、あとは溜った水を

排水口に誘導するべく、雪を取り除いて水路を作ればよいのですが、

水と雪が入り混じった状態で排水口を探すのは大変ですし、

かなり水に濡れてしまいます。

雪の降っている間に排水口は空けておきましょう。

 

 

次は最終回。

翌日以降のお話をしていきましょう。

雪かきの方法論

さて、今回は雪が降った当日のお話です。

具体的には雪かきの方法についてお話を進めましょう。

 

雪かきの進め方と言っても優先順位をつけて雪かきを行うだけです。

でも、見ているとその優先順位の付け方がうまくいかないようですね。

 

雪国に住んでいる人間にとり、雪かきは大事なものです。

家の前の雪かきをしていないと、近所の迷惑になり、トラブルになることもあります。

昨年は雪の捨て方で口論になり、殺人事件が起きたことも有るくらいですからね・・・

 

雪かきの最優先事項は何か?

まず、目の前の道をヒトがスムーズに歩くことが出来るかです。

当然そのヒトには自分や家族も加わります。

 

ですので、最初にやるべきことは、人ひとり通ることが出来る道を開けることです。

 

当然玄関から雪を取り除いていくわけですが、

まず、目の前の道路の、歩道があればその真中、

なければ歩行者が通る場所の雪を除けて行きます。

幅は最初は10cm位で構いません。

すでに人が踏み固めた後があれば、その部分の雪をかいていけばよいでしょう。

なお、隣がすでに雪かきをしていれば、その道につなげるようにするのは当然のことです。

 

 

さて、道が1本できました。単線で頼りない道ですが、まずはそれで十分です。

次のポイントは2つあります。

まずひとつは行き違いが出来る部分をところどころに作ること。

数メートル置きで構いませんので、行き違いが出来るように20cm四方のスペースを

開けていきます。

もう一つは排水口を見つけること。

先日確認して、あたりを付けた部分を探しましょう。

この部分の雪を除いておくことが後々役に立ちます。

 

次に行うポイントは道の複線化です。

除雪してできた道の幅を広げても構いませんし、

隣にもう1本道を作っても構いません。

隣家を確認し、わだちがどのようにできているかも確認しながら道をつくります。

 

一般のお家であれば、それで十分です。

ただ、ウチのようなところでは更に道幅を広げることも必要です。

お店の前の雪かきが最低限しかされていないのは印象悪いですよね。

 

 

最後に雪の捨て方です。

雪の重さと体積は結構なものになります。

雪かきで出た雪は可能であれば、排水口から捨ててしまうのが一番です。

でも。排水口に雪を入れ過ぎると、排水が流れなくなり、

逆流して排水口からあふれる可能性があります。

排水口に雪を捨てる際はお気をつけ下さい。

私は雪かきにはお湯を使うことはありませんが、

排水口が詰まりそうなときだけはお湯を使うようにしています。

 

排水口に捨てきれないような場合には、どこかにまとめて置いていき、

山を作りますが、これも、気をつけるポイントが有ります。

まず、動線を邪魔しないこと。歩行者の邪魔をしてはいけませんよね。

次いで、水の流れを邪魔しないこと。

排水ができないと、一体が水浸しになります。

意外に重要なポイントです。

 

 

さて、次は車道の雪かきと、水対策の話をしましょう。

雪かきの準備は雪が降る前から始まっている

実は雪かきの準備は雪が降る前から始まっているのです。

 

まず、気温と天気の確認をすること。

一般的に気温が3度以下になると、高い確率で雪が降ってきます。

ですので、気温が低い状態での「雨」の予報は要注意。

結構な確率で「雪」に変わることがあります。

降雨量も降雪量に変わりますので、確認が必要です。

 

後は意外に雪が降る要因として大事なのは曜日です。

ここ数年の東京の雪の日を確認すると、祝日や土日のことが多いように思われます。

この現象は都市が発生する熱量に関係しているような印象を受けます。

東京電力の電気使用量を見ていても、休日は明らかに減っていますしね。

工場やオフィスのエネルゴギー消費量がいかに多いのか・・・

 

 

では、雪と想定される場合はどのような準備をしたら良いのか。

もちろん必要な装備は予め準備しておきましょう。

一歩外に出たら雪が大量に積もっている事がありますので、

家の外の物置などに除雪用具が置かれている場合は、

そこまで辿りつけない場合があります。

ですので、現在自分がいるところまたは、そこから外に出ないで

持っていける部分には除雪用具をおいておきましょう。

とにかく、スコップ一つあれば雪かきは何とかなります。

スコップを玄関口にでもおいておけば用具の準備は大丈夫です。

朱鷺 アルミ角スコップ (角スコ)

 

次いで靴の準備です。

一般に東京の雪はベチョベチョの事が多く、水っぽい傾向にあります。

したがって、長靴が一番便利です。

そもそも防雪対応の靴など、東京で見かけることはほとんどありませんし。

ダンロップ G-260 防寒長靴

実は雪国用の長靴、インナーには厚手の断熱素材が入っています。

雪国に秋冬に旅行した時には1足手に入れても良いかもしれませんね。

 

靴は前日から居間においておきましょう。

こたつの中に入れるのも良い方法です。

なぜか?靴を予め温めておくのです。

ただでさえ、手間のかかる雪かきをするときに、

玄関で冷たい靴を履いて屋外に出て行くのはそれだけでも

気力をそがれるものです。

ですので、予め温めておき、雪かきに行く心理的な障壁を

下げることも必要なのです。

 

次に洋服の準備です。

雪かきに必要な洋服の性能は防寒と防水です。

注意してほしいことはその2つを1枚で済ませようとしないこと。

下に防寒着を着込んで、その上から防水性の洋服を着るようにしましょう。

スキーやスノーボードの時の洋服の着方を参考にすると良いかもしれません。

THE NORTH FACE(ノースフェイス) LIGHT HEAT JACKET ライトヒートジャケット男性用 ND18174

もう一つ注意することは汗の対処。

雪かきでは大汗が出るものとお考え下さい。想像以上に重労働なのです。

汗の処理がきちんと出来る肌着を準備したほうがよいでしょう。

 

手袋に付いても同様です。

スキーやスノーボード、雪山用の手袋があれば一番ですが、

それがない場合が問題です。

THE NORTH FACE(ノースフェイス) プラズマGTXレザーグローブ NN61417

一般的な毛糸や綿の手袋では塗れてしまい、それこそしもやけになってしまいます。

防水の手袋がない場合は、まず毛糸の手袋を装着し、

その上から台所用のゴム手袋を使用しましょう。

洋服と同じ、防寒→防水対策を行うのです。

少し手が動かしにくいですが、雪かきにはそれで十分です。

 

 

最後の最後に確認すること。

それは地形です。

先の項目でも書いたように排水口の一は非常に重要になります。

特に雪が溶けて水浸しになった時には生命線になります。

何はともあれ排水口の位置は確認すること。

また、普段から雨の流れ方などで、土地の勾配も確認したほうがよいでしょう。

(当然、勾配が下の位置の排水口が大事になります)

 

 

次は、雪が降った当日の雪かきのお話です。

 

東京と雪国の雪への対応の違い

今回のお話はどちらかというと自分のためのメモのようなものです。

昨年2月の2度に渡る大雪を経験して、その対処法についてです。

今年は降らないといいな・・・

 

以前に山形県に合計20年ほど住んでいました。

雪は当然慣れたものですが、どうも東京では少し勝手が違いました。

大きな理由は除雪車が無いこと。

まあ、当然といえば当然のお話ですが、そのために機械力で大きな差が出ます。

極端な話、東京の雪はすべて人力で除雪するしか無いのです。

(まあ、例年東京に降る雪は微々たるものですから、問題無いといえば無いのですが)

 

除雪車が無いと、何が変わるか。

実は歩行者が一番迷惑を被るわけです。

 

除雪車は幹線道路だけではなく、枝道もある程度の道幅があれば除雪してくれます。

除雪車が通った後には歩行者は除雪された道を歩くことができます。

(歩道と車道が分離された道でのお話は後述)

雪の日は車の数も少なくスピードも遅いので、車道を結構快適に歩くことが出来るのです。

しかし、除雪車が無いと、枝道も雪が積もった状態になります。

したがって、雪をかき分けながら歩く必要がある。

そのために体力と時間を余計に費やしてしまうのです。

 

また、除雪車が無いと、幹線道路にもどんどん雪が積もってしまいます。

自動車は雪を踏み固めてくれますが、それが中途半端だと、

へんな凸凹した轍が残ってしまいます。

この轍で車も足を取られ、スリップの原因となってしまうのです。

コレも危ないのです。

 

もう一つ、排水口もありません。

雪国の特徴の一つには広く大きな排水口や用水路があります。

目的は雪を流し、捨てることにあります。

雪を捨てるために蓋をすぐに外せるようになったものもあります。

大きな塊をすぐに捨てられるように設計されているのです。

しかし、東京の排水口はいささか小さいものです。

 

結果として何が起きたか?

排水口の上に雪がつもり、機能を果たさなくなった結果、

雪解け水がたまり、道路が冠水してしまったのです。

昨年の2回めの大雪の後の道路の惨状はそのような結果生まれたのです。

 

雪に対する都市設計というものを考えさせられた大雪でした。