わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

遺伝子

しもやけは遺伝します

以外に知られていませんが、実際の診察をしていると、非常に高率であてはまる法則です。

 

しもやけとは何か?

あまり良くわかってはいませんが、一つ言えるのは、

寒いのにもかかわらず、毛細血管が広くなっており、そのために炎症が起きるということです・

この通常とは異なる反応ですが、遺伝すると言われています。

遺伝形式は優性遺伝。

両親のどちらかにその性質がある場合、子に受け継がれる確率は1/2です。

なので、保因者は多いと考えられます。

 

12月に入ってしもやけの子がぽつりぽつりと受診するようになりました。

しもやけの診断を聞いたお母さんは、概ね納得しています。

意外だという反応はあまり多くはありません。

そしてより詳しく話を聞いてみると、お母さんも子供の時にしもやけになっていたと。

 

と、このようにしもやけは遺伝をします。

お父さん、お母さんにしもやけがあった人はこれからの季節要注意ですね。

 

ちなみに、私もしもやけ持ちでしたので、子供にも50%の確率で遺伝しているというわけです。

 

JTC801に期待すること 予習編 フィラグリンとアトピー性皮膚炎の関係について

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さて、今回は昨日から様々なメディアで話題になっている、京都大学皮膚科学教室による、アトピー性皮膚炎に対する内服薬(候補)

JTC801について、皮膚科医の立場から解説をしていこうと言う、(ある意味無謀な)試みです。

 

プレスリリースはこちら.

ニュースの記事だけでは非常にわかりにくいです。

多分、新聞記者の方もあまりよく理解していないのかもしれません。

そもそも・・・がわかっていないのではないでしょうか。

 

そもそも、皮膚の一番大事な役目は、皮膚の外と中を区分けすることです。

外界の成分が生体内に入ると、アレルギーの反応を起こします。

また、人間の構成成分が外に出ることも、問題となります。

特に問題になるのは水分です。

陸に上がった動物はいかに体内の水分を外に出さない様にするかが、きっと進化の大きな問題になったでしょう。

その大切な皮膚のバリア機能が破綻すると、湿疹が起こります。

 

特にアトピー性皮膚炎の病気の一部は皮膚のバリア機能の障害によるものということがわかってきました。

(もちろん、アレルギーも大きな原因になります。どちらが主で従かはまだわかっていないことも多いのですが。)

子どもにアトピー性皮膚炎が多いのも、皮膚のバリア機能が未熟だからと考えるとつじつまが合います。

しかし、その一部に、フィラグリンと呼ばれるタンパクの遺伝子異常を持っている人が入ることがわかってきました。

概ね、患者さんの1/3から1/2位の人がそうだと言われています。

 

なぜ、フィラグリンタンパクの異常がアトピー性皮膚炎を引き起こすのか?

これはフィラグリンが皮膚のバリア機能に重要な役目を持っているからです。

もともと、フィラグリンは皮膚の細胞の中で作られます。

細胞の中の骨の成分、ケラチンとともに皮膚のバリア機能を作り、

最終的には分解されて、天然保湿因子となります。これも皮膚のバリア機能の補助となるのです。

 

つまり、遺伝的な問題がありフィラグリンの作成量が減ると、皮膚のバリア機能が悪くなり、結果的に

アトピー性皮膚炎になりやすくなってしまいます。

 

・・・さて、ここまでの話で皮膚バリア機能障害の解決策は出てきたのではないでしょうか。

なんとかして、このフィラグリンのタンパクを増やしてあげれば、皮膚バリア機能の改善につながり、

ひいてはアトピー性皮膚炎の予防につながるということになるわけです。

今回の発表はある化学物質がこのフィラグリンの産生を進めるということなのです。

 

後日、論文を読んでみて、どのようにしてこの研究が進められたかを見ていきたいと思います。

川崎病はムズカシイ

今日は武蔵野日赤で循環器の研修会がありました。

皮膚科医なのに、循環器の研修会に参加したのは今回のテーマが川崎病だったからです。

 

川崎病は、皮膚科の立場からすると診断の難しい病気です。

皮膚に出てくる症状は何でもありです。

紅斑、紫斑、水疱、膿疱などなどなど。

皮膚の症状をみて、川崎病か否か診断するのはまず無理なのです。

また、現在まで病因・病態が全くわからいのもより難しくしています。

現在の診断基準もあくまで症状を羅列したものですから、

そこに原因や理由があれば良いのですが、それすらもわからないことが多く、

本当に困ってしまいます。

 

しかし、現在は診断や治療については確固たるものが出てきました。

ガイドラインも出ていますので、治療法も決まってきたのでしょう。

(リンクを貼ろうとしたのですが、Google先生に怒られました。なんでも不正なページの可能性があるそうな。

検索は自己責任でお願いします。)

 

私が一番知りたかったのは原因についてです。

何らかの感染症が誘引と昔から言われてきましたが、現在その分野の研究がどこまで進んでいるのか知りたかったのです。

結論から言うと、原因となる細菌やウイルスの種類には確固たるものはないそうです。

むしろ、免疫反応の強さやクセがおもな原因と言われるようです。

(詳しくは、免疫反応の活性化に伴い高サイトカイン血症となり、全身のさまざまな症状が起きるのだが、

その反応の強さには遺伝子多型による差があり、ある幾つかの遺伝子型の保有により相対リスクが高くなる)

 

なので、ある種類の感染症が流行するとその地域から川崎病が出る可能性が高くなる。

しかし、別の種類の感染症ではそのようなことは起こらない。

また、双子でも同時に発症することはないが、時間差をおいて発症することがある。

などなど。

 

少しずつ頭の中もクリアになってくれるといいのですが、

まだ、難しいですね。

今後も勉強です。