いつの間にか長期連載になりつつあるこのお話ですが、今回は少し話の向きを変えていきましょう。
リアルのお話です。
不動産は英語で何というか。リアル・エステイトですよね。
このリアルは「実際の」とか「現実の」といった意味ではありません。
正確には「リアル」というよりも「レアル」に近い意味合いを持っています。
「レアル」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、サッかーの
「レアル・マドリード」といわれると、ああ。と思う方もいるかもしれません。
この「レアル」という言葉は「王様の」という意味です。
つまり、不動産は王様のものなのです。
まあ、実際のところ日本には王様はいませんので、厳密には国家のものということになるでしょうか。
つまり、土地は国から預かっているものと考えることもできるわけです。
実際に国家が土地を収用するというお話はあるわけです。
実際にそのための法律も存在しています。
日本だとあまりそこを意識することはないかと思いますが、お隣の共産中国の場合はよりはっきりと見えます。
共産主義ですから土地は国家のものです。じゃあ、あの上海や北京に林立するのは誰のものかって?
ですので、中国の人は土地を買っているわけではないのです。
あの土地は厳密には借りているんですね。住居で70年などと年限を区切って。
こうして考えてみると、「自分の土地」といった考えからは非常にあやふやな基盤の上に成り立っているのです。
実は今回の連載を始めるに至った理由の一つにこの考えがありました。
こんな不安定なものの上に、たくさん荷物を抱えていることができるのか?
いまだに考えてしまうテーマです。