今回は食物アレルギーのお話です。
といっても専門家と言には詳しくはないのでざっくりとしたお話になるのですが、
家族や周りの食物アレルギーを持っている子やその保護者と接するうえで
知っているとお互い楽になるお話をしようかと思います。
食物アレルギーとはある食品を食べると極微量でアレルギー反応が起きて
困ってしまう病気と考えてよいかと思います。
こちらアレルギーなのでざっくりと微量で症状が出るのですが、その量というのは個人によって異なります。
つまり、それぞれの食物に対する「許容量」があるんですね。
これを超えると症状が出る。だからダメ。
という制限量になります。
これは医学的なものであり、かなり厳密なものです。ちょっとでも超えるとダメなこともあります。
ただ、人間は機械ではありませんので、そんなにはっきりくっきりと区別出来るわけではありません。
この許容量も状況によって多少変化します。
例えば、風邪を引いているとき。
例えば、疲れているとき。
例えば、喘息など他のアレルギー症状が出ているとき。
そういった時にはこの許容量が下がることが起こります。
つまり、「いつもは大丈夫だったのに今回は…」というパターンですね。
また食品側の問題もありますね。
旬の季節にはタンパク質の量や濃度が増える。そのためにタンパク量では変化がなくても、
それを含んだ食品の許容量が変わるということもあります。
同じ食品でも銘柄や産地が変われば、その成分量も変わる可能性もありますよね。
このように一般的には固定された数字と思われる「許容量」も状況によってブレてきます。
そうなんです、これは決まった数字のよう見えるけど、ある程度の幅が実生活上では出てしまうものなのです。
このような状況によってブレる「許容量」を見ている保護者の方はその時の状況によって食物摂取量に制限を更にかけるのです。
つまり予防的に数値を変えることにより、食物アレルギーの発症を抑えようとするわけですね。
実に合理的な方法だと思います。
この保護者により安全率を加えて出された量を今回は便宜上「許諾量」としましょう。
なので、この「許諾量」は完全に社会的な数値になります。
まあ一般的に考えて「許諾量」は「許容量」と同値か、それ以下になるわけですね。
そして、この食物アレルギーの「許諾量」は「許容量」以上にダイナミックに変化する数値でもあります。
では何によって変化するのか?
保護者の主観的な考え方で変わります。
例えば周囲の医療状況。
病院はそばにある?救急車はすぐに来る?知っている先生に見てもらえる?
という条件を確認し、問題があるなら「許諾量」を下げることにより食物アレルギーの発生を予防しようとするわけですね。
極端なことを言えば、朝昼と夜とで「許諾量」を変えることもあります。病院が空いているか否かというのは大事ですから。
同様に周囲の環境によっても変わります。
保護者が近くにいるかいないか。医療従事者がすぐに対応できる環境にあるか?でも「許諾量」は変わりますよね。
実際に保育園幼稚園小学校でも、一応食べられるけど、対応リスクはあるので食事は制限しますというお話もよくあったりするのです。
例えばキャンプに行って誰も対応できないのに食物アレルギーが出たら…いかがですか?
危ない橋はわたりたくないですよね。
というのが保護者の主観的・社会的な「許諾量」の考え方になるのです。
つまり、
食べられる=食べさせる
ではないということは普通に起こりうることなのです。
食べられる。けど、状況を考えて食べさせない選択をする
ということもあって当たり前なのです。
食物アレルギーについて全くわからない。
ということは今ではだいぶ減りました。
根性や気合で乗り切れるものではないということも理解していただけるようになったなと思います。
ただ、今まで大丈夫だったから今回も大丈夫。
では無いということ。食べられるけど食べさせないという選択をすることもあるんだということ。
これは理解してほしい事柄かなあと思います。
ちょうどお盆の帰省で帰省先の両親・義両親との間で板挟みになっている
食物アレルギーの子持ちのお母さんの声が聞こえたので、
簡単に解説してみました。
まず保護者の意見を聞いてからにしてくださいね。