わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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薬剤師

冷静と情熱のあいだ

アラフォーには、懐かしいタイトルでしょうか。

竹野内豊、カッコよかった・・・はぁ(≧∇≦)

 

 

それはさておき、本日は医療における冷静と情熱のあいだのお話です。

先日、プライベートでケアマネージャーをされている男性の方と、お話する機会がありました。

 

薬剤師でもケアマネ資格を取得することは可能ですが、仕事内容とあまり一致しない為か、ほとんどいません。

実際には看護や介護の現場出身者が多いそうで、それ故ケアマネの世界も女性比率が高く、厚労省のデータでは7割以上が女性のようです。

私も正直、男性ケアマネは珍しいな〜と思い、お話をうかがったら、思いがけない話になりました。

 

女性ケアマネは、どうしても相手に感情移入しやすいから、それゆえのトラブルや問題を抱え込みがちで、男性とはそこが違うのかもね、と。

彼が言うには、『僕はそこは線を引いて、最初にできることとできない事を相手に話しちゃう。それで合わなければ、

ケアマネをチェンジできる事も説明しちゃう。だから、ストレスもトラブルもないよ』との事でした。

 

仕事での感情移入・・・。

 

確かに、若い頃やってました。しかも、こんな風にあからさまにビジネスライクな仕事をする人は、周りにいなかったし、いたのかもしれないけど、おおっぴらにはしていませんでした。

 

かつて大学病院で薬剤師をしていた頃、病棟で入院患者さんの服薬指導や副作用チェック、投薬量の確認などをしていました。

担当患者が20〜30人位いたのですが、仲良くなった方もいれば馬の合わない方もいました。話をしたがる方もいれば、面倒くさそうにハイハイ言うだけの方もいました。

訪問のタイミングが悪い!と怒鳴られた患者さんなどは、こちらも苦手意識が出てしまい、必要最低限しか行きたくないのが正直な所でした。

一方で、可愛がってくださるおばあちゃま達も沢山いて、その中にご家族に恵まれない境遇の方がいたりすると、必要以上に関わって世話をした記憶があります。

 

その当時は、そうした半ばボランティアに近い行動も、上司やナースから一生懸命やっていると評価を受け、私自身も自分の仕事に酔っていたのかもしれません。

そうした患者さんが一人二人なら対応できましたが、徐々に受け持ち患者が増えてくると、場合によっては対応しきれなくなることがありました。

また、そうした仕事が重なると、時間が足りなくなり、他の患者さんへの対応がおろそかになった事も否めません。

 

要するに、仕事にムラができてしまったのです。

私達の場合、ケアマネさんのように、患者都合での担当替えは不可能でした。従って、一部の患者さんは不利益を被ってしまったかもしれません。

 

時間は有限です。誰かに割く時間が増えれば、他の人にかける時間は削らざるを得ません。

でも、駆け出しの薬剤師だった私にその事を指摘する人は誰もいませんでした。

 

医療職は対人間の仕事です。そのため、気持ちに寄り添う事、すなわち感情移入は必要なことだと思っています。そして、女性は比較的、感情移入に長けている方が多いと思います。

ただ、その感情に振り回され、冷静な判断力を失うと、かかえる仕事の多さにいっぱいいっぱいになり、最悪の場合、投げ出したり、医療者本人がメンタルを病んでしまう事もおこります。

必要とされる事を寄り添ってやることは大事な事です。

 

しかし、その中でもどこまでを良しとするか。それは、医療者個々の価値観や判断に委ねられますが、

受け持つ全ての患者さんに不利益が出ないレベルを冷静にコントロールする事こそ、真のプロの仕事なのかもしれない、

と考えさせられました。