外来で診察をしていると、結構な頻度で目にするのが爪噛み癖です。
両手指の爪前部が凸凹していることもあります。
この爪噛み癖。くせがあること自体は様子を見てもいいのではと思うのですが、
この凸凹している爪で皮膚をひっかくと、結構な確率で切り傷ができてしまいます。
出血して、かさぶたが出来てしまうと、そのかゆみが頑固になってしまいます。
(これは科学的にも証明されているのです)
なので、特に湿疹の子の爪噛みを止めることはひとつ重要な事になります。
でも、痒い→精神的ストレス→爪噛み→掻爬→湿疹の悪化→痒い
といった悪循環をどこで断ち切るかは問題になります。
このような場合、まず湿疹を抑えてということになりますが、掻爬が強く湿疹を抑えきれないことも有ります。
でも、このバイターストップを使うことで湿疹を間接的に抑えることが出来るかもしれません。
バイターストップの原理は簡単です。
「苦い。」ただそれだけ。
方法は爪に塗るだけ。爪をなめたらとても苦く感じるために爪噛みをやめる。
という算段です。
そうすると、噛んでいる子でも、爪を噛むと苦くてイヤだ
ということに気がつくので、爪を噛まなくなるわけですね。
いわゆる条件付けという方法です。悪い言い方をすれば「パブロフの犬」でしょうか。
この方法ですが、以前に試したことが有ります。
使用する薬剤はゲンタシン軟膏。
傷薬に使うアレです。緑のキャップ。
この薬も結構苦いのです。
そのために爪に塗ることで爪噛みの対策としたことが有ります。
結果は半分位の人で効果ありました。
今度、実際に自分で使ってみて苦さを確認したいと思います。
追記
普通の子の普通の爪噛みを無理に止める必要性は無いと考えます。
爪噛みというものは、その子に加わるストレスを自分なりの方法で解消しようとして出てくる行動です。
もしも、この薬で爪噛みを止めさせたとしても、時には別の方法でストレスを解消しようとするかもしれません。
例えば、チックや抜毛などという形で出ることも有ります。
使用の際にはメリットとデメリットをしっかりと考える必要があります。
心配でしたら近くの小児科、皮膚科の先生に相談してみてください。