わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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色素細胞母斑

くろあざの話、ホクロのはなし

 

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台風が来ると、その時は嫌なんですけどね。

翌日の空が真っ青になっているのは結構好きです。

 

さて、それぞれのあざのお話をしていきましょう。

まずは、黒アザ・ホクロのお話です。

 

黒アザとホクロは一部オーバーラップしますが、一部はまったく別物です。

その辺りを踏まえてみていきましょう。

まあ、大雑把に黒アザは生まれた時に有るもの、ホクロは生まれてから出るものと考えてください。

 

でも、実は意外に黒アザのかたは多くないです。

多くの方のホクロは生まれてから出てくることが多いのです。

 

この黒アザとホクロを別に呼んでいるのは実は理由があるのです。

つまり、黒アザは形成異常、ホクロは良性の腫瘍なのです。

まあ、非常にわかりにくいことも有るのですが、違うでき方をするので、違う経過をたどるのです。

 

まず、黒アザですが、先日にかいたとおり、皮膚の色素細胞の形成異常になります。

これは何故起きるのか?

話は赤ちゃんになる前にさかのぼります。

お母さんの胎内に入る時に、皮膚はもう出来上がります。

受精後数週間目。胎動を感じるもっとずっと前に皮膚は作られます。

実は、この皮膚は神経と一緒にできるんですね。

というよりも皮膚の一部が凹んで脊髄や脳が作られるのです。

 

色素細胞はどのように皮膚に分布するかというと、

その神経の細胞から一部が別れ、皮膚に向かって増殖しながら引っ越しを始めていくのです。

なぜそんな面倒臭いことが行われるのかはわかりませんが。

 

これって、実は大きな問題になるのです。

このことからわかるのは色素細胞と神経の細胞は結構仲が良いということなのですが、

ホクロが悪性化する。つまり悪性黒色腫になると神経に転移する傾向を持っているということなんですよね。

 

閑話休題。

この色素細胞のお引越しの時に、異常に増殖しながら細胞が皮膚に分布すると黒アザになるのです。

したがって、増殖率が高いと、色素細胞がたくさんあるためにゴワゴワした皮膚になります。

また、色素細胞が出すホルモンのために毛が濃くなってしまいます。

ですので、広い範囲に黒アザが出来た場合、ゴワゴワし、毛がもじゃもじゃしているので、

獣皮様母斑と呼ばれることが有ります。

 

対して、ホクロですが、これは色素細胞の良性腫瘍と考えられます。

良性ですから、転移はありませんし、ある程度大きくなったところで拡大はストップします。

この原因は多分紫外線です。

皮膚が露出する部分にホクロが多いのはそういう理由があるからです。

また、親にホクロが多いと子どもにもホクロが多い。遺伝的な要因も当然みられます。

 

黒アザと、ホクロ。見た目には非常に似たものですが、

出来上がるメカニズムは大きく違うのです。

 

 

 

 

 

ちなみにタイトルの下の写真はあざらしです。

・・・あざのお話だけに。