今回も目の周りに塗る軟膏のお話です。
いくつか、目の周りの湿疹に対して使われる眼軟膏というものがあります。
今回はその中でもネオメドロールEEという軟膏のお話です。
この軟膏、眼科の先生の中には多用される先生もいるようです。
なぜか?この薬には抗炎症作用を持つステロイドと抗生剤の双方の成分が入っているからです。
どちらにも効くので、処方する。
という先生も多いようです。
でも、逆に問題もあります。
湿疹だった場合は抗生剤は不要ですし、感染だった場合、ステロイドは治療を遅らせます。
つまり、どっちつかずということが一つ。
皮膚科のひとりとして見ると、湿疹と感染症の区別も付けられないの?ということになるのです。
もう一つは薬の種類の問題です。
この抗生剤がクセモノです。
抗生剤の成分はフラジオマイシンというのですが、
この成分でかぶれることがあるのです。
一般に塗り薬でかぶれた場合は判断することは比較的簡単です。
塗った部分が赤くなり、痒くじくじくしてきますからね。
シップ負けを想像してもらえばよいでしょうか。
しかし、このネオメドロールEEのフラジオマイシンで負けている場合には
一緒に入っているステロイドにより、かぶれの症状が隠されてしまいます。
でも、完全にかぶれを抑えることができないので、なんとなく落ち着かない赤みとかゆみがずっと続くのです。
とまあ、2つの成分がお互いに影響し合い、ワケのわからない症状を作ることになってしまうのです。
なので、私はネオメドロールEEは嫌いなのです。原則、処方しないのはこういったわけです。
simple is bestなのです。