わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

災害

アトピー性皮膚炎全身療法の患者さんの、災害時での治療継続計画について

なんかタイトルが小難しいお話になっていますが、簡単にまとめると

「なにか災害が発生したときに治療を継続できるようにしておきましょう」

というお話です。

 

今年のお盆休みは宮崎県の地震に始まり、台風に終わるといったところでしょうか。

神奈川の地震もありましたね。

ということで災害時の備えについてきちんと考えなければと思った方もいるかも知れません。

今回のお話はアトピー性皮膚炎の災害時の対策についてです。

ウチでのお話が主体となりますので、参考に留めていただき、

それぞれの主治医の先生に相談してくださいね。

 

アトピー性皮膚炎で災害時に問題になるのは全身療法との関連でしょうか。

定期的に注射を打つ必要がある、そして打たないと湿疹が一気に悪化する

という状況に被災すると追い込まれる可能性があります。

そして、こちらは災害時だけの問題ではなくて、治療提供者側についての問題も提起します。

実際に昨年起こった事例ですが、全身療法を処方している皮膚科の先生がお亡くなりになった。

そのために全身療法を継続できずに困ってしまった。

というケースも起こりました。

今だと、そういった突然死のような状況だけではなく、新型コロナの後遺症。などということも考える必要があるでしょう。

 

では全身療法のリスクはどこに有るか?

それは在庫管理にあります。

内服にしても注射にしても、手許にどれだけの薬を用意しているか?

がポイントになりますね。

つまり、手許がゼロなら次の注射時期までしかリミットはありませんが、

残っていればその本数だけリミットは伸びます。

 

つまり、一番脆弱なのは、

「院内に定期的に受診し、注射を行っている患者さん」

ということになるわけですねえ。

 

今回のお盆のあれやこれやを見て、今までは対応を取っていなかったこのリスクについては

(どうするかはずっと考えていましたが)

今後積極的に対応を取っていくことにします。

 

処方箋で薬をもらっている方はできればお早めに受診していただくこと。

こちらは今まで通りになります。

※なお、最大3ヶ月分までの処方であることはあらかじめご了承ください

内服についても同様、1ヶ月毎に受診をしていただく形になります。

最長で手許には1ヶ月分の薬剤が用意できる形になります。

変更するのは当院で注射を打っている患者さんです。

こちらについても注射薬を3ヶ月分処方させていただきます。

そして、毎回通院時にどこまで自己注射ができるか確認をし、

自分で出来るとことまで進めていく形に変更させていただきます。

もちろんそれで自己注射が出来るようになればそのまま自宅で注射していただいて構いません。

 

また、3ヶ月分まとめて処方することにより、以下のメリットが生じます

・予約変更の電話をしなくても済む

・発注ミスで受診時に注射薬が届いていない可能性はなくなる

・まとめて処方することで高額療養費の対象となる可能性がある

という所がメリットになるかと思われます。

 

日本、東京が災害の大い土地であるというのはもう逃れられない宿命のようなものです。

であるならはそれを真正面から受け止めて、しっかりと対策をしていったほうが良いのではないかと思うのです。

運用の変更についてご理解をいただければ幸いです。

地震の初動とお医者さんと

今日は、阪神大震災からちょうど20年に当たる日です。

犠牲者のご冥福をお祈りいたします。

皆様、その日は何をしていましたか?

私はちょうどセンター試験の翌日でした・・・

 

今日は地震のお話をしていきましょう。

地震が起こると私達のお仕事はきっと増えるでしょう。

皮膚科はなにもしない?

いえいえ。

直後は外傷のケアを行う必要が有りますし、

時間が経過するともっと仕事が増えてきます。

避難所での褥瘡の処置も有るでしょう。シラミや疥癬などといった寄生虫も増えます。

復興作業や片付けなどによる外傷、熱傷などのケアも必要になってくるのです。

 

大きな地震が起きたら医師は自分たちのクリニックを閉め、

大きな病院に集まることになっています。

近くでは吉祥寺南病院でしょう。

 

さて、ここで大きな問題が有ります。

果たして私達はそこにたどり着くことが出来るのか?

なのです。

 

武蔵野市で仕事をしているお医者さんの半分以上は武蔵野市内には住んでいないという

お話が有ります。

 

つまり、大きな地震が起きた時にその拠点病院にはたどり着けない心配もあるのです。

阪神大震災の時と同じ早朝に地震が起きたと仮定しましょう。

仮に住所は以前働いていた成育医療センターにしましょうか。

直線距離で吉祥寺まで10kmあります。

さて、それでたどり着けるのか?

 

・・・難しいでしょうねえ。

成城から吉祥寺までは幾つもの鉄道や道路が横切っています。

その一部は高架もしくは地下区間です。

具体的に見て行きましょう。

まず、小田急線の地下(成城)、京王線の地下(仙川)、

中央高速の高架(三鷹)、中央線の高架(吉祥寺)

それ以外にも、方向によっては井の頭線なども通過しなければいけないでしょう。

そのすべてを無事通過出来るのでしょうか?

 

また、道路の問題が有ります。

自動車?緊急時には通行できませんよね。

優先通行証はすぐにはてにはいらないでしょう。

(そもそも一開業医に通行証を出してくれるかどうか・・・)

自転車?瓦礫だらけの道を?

パンクしてしまいます。

徒歩・・・でしょうかね。

でも、徒歩であれども、いつもと同じようには歩けないでしょう。

人が溢れ、更に壊れたインフラが先を塞ぎます。

東日本大震災の時の混乱にさらに輪をかけたようになるでしょう。

 

ここまでのことを考えると、自宅に居るときに大きな地震に遭遇したら

吉祥寺に行けるのでしょうか・・・

と不安になります。

では、成育で働くの?それも有りかもしれませんね。

 

 

では吉祥寺の病院に駆けつけることの出来るお医者さんは誰もいなくなってしまうのでしょうか。

現状では否定できません。

でも、対策は有るのです。ヒントは上の文章に・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうです。

大きな地震の時に吉祥寺の病院には吉祥寺に住んでいるお医者さんに来てもらえばいいのです。

 

・・・とまあ、考えるのは簡単なのですがいくつか問題が有ります。

まず、吉祥寺にお医者さんが住んでいるのか?

これは確率の問題になりますが、まず居るとかんがえてよいでしょう。

 

次に、住んでいることをどうやって確認出来るのか?

実はコレが非常に難しい。

この問題がクリアされれば、だいぶ話は楽になるのですがねえ。

何かいいアイデア、有りませんか?