さて、今回は赤ちゃんのお肌のお話をしていきましょう。
お話の内容は皮膚常在菌の話です。
新生児、生まれて数日の間は皮膚にいくつかの赤いぶつぶつができることはよくあることです。
この赤いぶつぶつは何もしないでいると数日でなくなってしまいますが、一体これは何でしょう。
実はこの赤いぶつぶつは毛嚢炎なのです。
簡単に云うと、毛穴にバイキンが入った状態のこと。
実は新生児の皮膚の表面では陣取り合戦が行われていて、
その影響が赤いぶつぶつとしてあらわれるのです。
赤ちゃんは胎児の時には羊水の中に浮かんでいました。
羊水にはバイキンはいませんので無菌状態にあります。
しかし、誕生とともにこの世の中のバイキンの洗礼を受けることになります。
つまり、
無菌状態の皮膚の上に様々なバイキンがつき始めるのです。
丁度椅子取りゲームのような状態でしょうか。
そして、数日のうちに皮膚の表面にはバイキンたちが一定のバランスを取りながら
住み着くようになるのです。
これを皮膚の常在菌と呼びます。英語でいうと、フローラ。臭いそうですね・・・
その常在菌が定着する過程で、バランスが一時的に崩れ、悪玉菌が皮膚で増え、毛嚢炎を作ることがあるのです。
え、こんなお話聞いたことがないって?
いやいや、CMでよくやっているではありませんか。
まあ、あれば腸内のお話ですがね。
・・・ピント来た方もいるでしょうか。お腹の中でも同じような事が行われているのです。
皮膚の表面は自然につくのですが、お腹の中は食品やその表面に付いているものから決まるという違いはあるのですがね。
なお、皮膚表面については、善玉菌や悪玉菌と言ったもの、およびその量と病気の発生原因との間には
はっきりとしたことはわかっていません。
あまりにも複雑過ぎるお話ですからね・・・
ただ、ひとつわかること。それは皮膚表面にも一つの世界が出来上がってるということなのです