わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

母乳

赤ちゃんの、ご飯の前に保湿剤。

赤ちゃんのほっぺたの湿疹は良く見られるものですが、

それを予防する簡単な方法が有ります。

食事やミルクの前に保湿剤を塗ること。それだけです。

 

そもそも、ほっぺたや顎の湿疹の原因の一つには母乳や

離乳食によるカブレが有ります。

 

では、カブレとは何か。

詳しい話をしだすときりがないのですが、

何かが皮膚にくっついたために炎症をおこす状態です。

 

したがって、対処法としては何も皮膚につかなければ、理論上

カブレが起きることは有りません。

では、赤ちゃんの頬について、カブレを起こすのは何か。

 

答えは「なんでも」なのですが、その中でも特に注意すべきものが

幾つか有ります。

 

まず、

など、赤ちゃんの体から出てくるもの

 

次いで

ミルク

離乳食

などの食材。

 

最後に

塗り薬

保湿剤

石鹸

洗剤

などのスキンケア用品が上げられます。

 

特に注意すべきは前2者。

特に涎、母乳、離乳食が要注意です。

物理的に皮膚を荒れさせてしまうのです。

 

では、どうすれば防げるのか?

汚れる前にしっかりと保護剤を塗ってあげることが大事なのです。

 

特に食事前、ミルク前は意識して厚めに保護剤を塗ってあげましょう。

しっかりと塗ること。

そして、汚れたら水でしっかりと洗い流すこと。

 

これだけでも、口の周りのカブレを抑えることは可能なのです。

 

でも、湿疹が出てしまったら保護剤では落ち着かないので、薬が必要になるんですけどね。

しかし、簡単に出来る方法でしっかりと予防してあげることは大事です。

母乳石鹸のリスク

春になりました。

花粉も沢山飛んでいますね。

花粉症は今年はわるくなりそうですね・・・

 

さて、今回のお話は母乳石鹸のお話です。

母乳石鹸。初めて知りました・・・

 

母乳石鹸はどのようにして作っているのか?

詳しく調べてみると、石鹸の素と母乳を混ぜあわせ、必要があれば精油を入れて、

石鹸を固形化して作るみたいですね。

 

この母乳石鹸。過去の化粧品のトラブルを横目で見ていた人間としては少し心配です。

また、新しい接触皮膚炎や食物アレルギーのリスクにならなければ良いのですが。

 

じつは「また」と言ったのは先例があるからです。

それは「茶のしずく石鹸」です。

現在の製品とは成分が違い、過去の製品には「小麦の加水分解産物」が含まれていました。

この成分(正確にはグルパールS19と言います)のために、使用者が小麦アレルギーを発症してしまい、

大きな社会問題になりました。

現在はその成分の入った石鹸は回収対象となっています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/cyanoshizuku/index.html

 

この事件はさまざまな教訓を残しましたが、少なくとも私が感じたものは

「食物由来成分を皮膚に塗っちゃダメ」

というものです。

更に、石鹸という皮膚のバリアを壊す成分と一緒に入れることは、その食品に対する食物アレルギーを

発症するリスクを更に上げる行為とも考えられます。

それ以来、食品由来成分が含有されている化粧品は薦めないようにしていました。

 

 

さて、お話を戻しましょう。

母乳石鹸というくらいですから、成分の中には母乳が入っています。

この母乳ですが、当然のことながらお母さんが摂取した食品由来の成分も含んでいることが

考えられます。

したがって、その食物由来の成分が赤ちゃんのお肌から吸収されることがあれば、

理論上はその成分に対して食物アレルギーを発症する可能性もあるのです。

 

現時点ではそのようなアレルギーを起こす確率は不明としかいうことが出来ません。

しかし、全くゼロとも言い切ることが出来ない以上、

リスクが無いと言い切ることはどうかと思います。

 

あとは、作成される方はこのような可能性も有るということを考えた上で、

決断してほしいものだと思います。

 

 

 

追記

もう一つリスクが有りました。

精油成分です。

精油ももともと人体に存在しない成分であれば、接触皮膚炎を起こすリスクは否定できません。

特に皮膚炎を起こさない濃度を簡単に測定することは難しいために

濃度によっては精油によるリスクも検討すべきでしょう。