わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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抗真菌剤

皮膚科受診日は水虫の市販薬は塗らないで

来てほしいのです。

 

 

ということで今回は水虫のお話。

ドラッグストアや薬局では水虫の市販薬が色々と置いてあります。

水虫かもと思ったときは、市販薬を塗って皮膚科を受診したほうが良いですか?

というお話です。

 

皮膚科は、

水虫の市販薬を塗って受診すると、結果的に水虫の診断治療が遅れますよ。

という考えです。

 

水虫とは何か?白癬菌いわゆる水虫のカビが足の皮膚につくことにより生ずる病気です。

なおこの白癬菌は水虫で無い方の足にはおりません。

つまり、白癬菌が有るかないかが水虫の診断の基準となるわけです。

実際に皮膚科では水虫の診断をするために足の皮膚を削って

顕微鏡で水虫の有無を確認するんですね。

 

ただ、その検査は市販薬を塗ってしまうとわからなくなってしまうのです。

薬のせいで水虫がいなくなってしまうんですね。

そうなると逆に診断できないのです。

だって元々いないのか、居たけど居なくなったのかの判断は顕微鏡ではできないですから。

 

そうすると皮膚科としてはまず何も塗らずにしばらく経過を見て、

症状が出たら再度顕微鏡で検査をしてという形で対応をせざるを得なくなるのです。

また再度受診していただくことになるので、手間がお互いかかってしまうのです…

 

 

また、そもそも論として、水虫と言って受診される方のある程度の割合で、

水虫でない方がいるのです。

汗による湿疹だったり、多汗症だったり、ウイルスによる病気だったり。

そういったものを水虫と言って受診される方も多いのです。

だから顕微鏡で検査をする必要があるんですけどね。

逆に市販薬をそういった病気に対して塗っても効果は期待できません。

というところもあまり水虫の市販薬をおすすめしない理由でもあったりします。

 

できれば皮膚科を受診する日は最低でも市販薬は塗らないでほしいですし、

本当のことを言えば市販薬を使う前に一度受診していただきたいところですねえ。

水虫の薬を塗り始めた直後には、痒みが増えることがある

じつは、そうなんです。

なぜでしょう?

 

水虫の症状が起きるのは水虫の菌が原因。

確かにそうなんですが、あとは、水虫の構成タンパク質に対する

体のアレルギー反応。

という言い方をすることもできます。

つまり、水虫アレルギーですね。

 

このアレルギー。水虫の表面の蛋白にはあまり出ません。

そうですよね。水虫だって馬鹿ではありませんから(聞いたことはありませんが)

人間から排除されないように体の表面はアレルギーを起こしにくい

タンパク質を構成するようにできています。

(というか、アレルギーを起こしにくい菌が生き残った結果そうなったともいえますが)

しかし、水虫の体の中のタンパク質はそうも言っていられません。

だって生きていくのに必要なタンパク質ですから。

なので、水虫の表面のタンパク質と体内のタンパク質、

アレルギーを起こしやすいのはどっちかと言えば、

体内のタンパク質になるんです。

 

で、水虫の薬ですね、

この薬、水虫の体を破裂させるんです。

ばーん。

 

なので、死んだ水虫の体は粉々になり、皮膚の表面に散らばります。

そして、その成分に対してアレルギー反応が起きる。

だから、治療を開始した後に一時的に水虫が悪化したような症状が

出ることがあるんです。

 

でも、大丈夫。

水虫の菌の数は徐々に減少しますので、

そのアレルギー反応もだんだんなくなります。

 

というおはなしでした。

実はこんな事は別の病原菌でも起きることが知られています。

それは梅毒。

こんなことが知られています。

 

ただし、水虫の薬でかぶれてしまっていることもありますので、

心配なら一度受診してもいいかもしれませんね。

過酸化ベンゾイルをニキビに使ってみませか?

今回のお話は、過酸化ベンゾイルについてのお話ですよ。

 

この薬は、日本ではべピオゲルとしてつい最近になって処方し、使用できるようになったのですが、実はこの薬はもう数十年も前から欧米ではニキビに対して使用されていました。

日本では細菌を殺す抗生剤の塗り薬や飲み薬が治療の主体になっています。

また、時には漢方薬を使用することもありますが、まあ、あまり一般的ではないので今回はこのお話はしないでおきましょう。

 

この新薬である過酸化ベンゾイルの良い所は、耐性菌ができないことです。抗生剤を使用していると理論上は薬剤に対する耐性菌が出現し、同じ薬を使い続けているうちに効果が徐々に落ちてくるのですが、この薬はそのようなことがないんですよね。

というわけで、長期間使っても問題のない薬となっています。

まあ、妊婦さんや授乳婦さんには原則として使用できない(ことになっている)んですが、海外で長期間使用していることもありますし、海外のデータも確認して、妊婦さんに使用できるのか確認しておくことにしておきます。

 

すでに外来で処方している子も居るのですが、印象としてはニキビに対する効果は直ぐに効いてくるものではなく、数週間たってから改善するような印象があります。

対しる印象として即効性のあるのは、抗生剤や抗真菌剤の塗り薬なのですが、合わせて使用することによって、より高い効果を発揮する印象があります。併用することで相乗的効果を示す印象があるんです。

 

まず抗生剤や抗真菌剤の塗り薬を使用することで一気に抑え、その後は過酸化ベンゾイルやアダパレン(日本ではディフェリンゲルとして処方することができます)を使いながら抑えていくのが効率的な治療法になるかと思います。

治療期間が長くなるのも心配な点ですが、すでに数十年の使用経験がある過酸化ベンゾイルですから、心配せずに使用して頂いて構いません。

 

もしも現在の治療でニキビがなかなか落ち着かないような方には非常に有効な治療法でもありますので、心配なようであれば一度皮膚科を受診してみても良いかもしれませんね。

 

 

 

山男と水虫の塗り薬は相性が悪い?

今回は夏らしく水虫の話などを。

 

水虫の塗り薬ですが、確率は低いのですが、かぶれて使えなくなる方がいます。

そういう方は薬を変える必要があるのですが、

どうも、山にのぼる人はその確率が高いような気がします。

気のせいでしょうか・・・

 

普通、塗り薬にかぶれるリスクはだれでも一定と考えられます。

でも、どうも、擦れたり、濡れたりと皮膚にストレスを受ける人はなりやすい印象があります。

汗っかきの人は水虫の塗り薬に負けやすいようですね・・・

 

山にのぼると、ずっと靴を履きっぱなし。歩きっぱなし。

で、皮膚にストレスがかかる。

そのせいでかぶれる。

という段階を踏んであわなくなるような気がします。

 

なので、山にのぼるときは水虫の塗り薬は塗らないで!

と言っているのですが、どうなんでしょうね。

 

少なくとも、文献的な明確な証拠は無さそうですが。

今度、水虫専門の先生に聞いてみようっと。

水虫の菌が破裂する瞬間

kin_mizumushi

暖かくなってきました。

シャッターを開ける時に、寒さにあわてて室内に逃げ込むことが無くなったのは嬉しいですね。

 

暖かくなってきて、水虫の患者さんが増えてきました。

水虫の検査の回数が一気に増加した印象があります。

 

水虫の原因は白癬菌です。

これは「菌」は菌でも「真菌」というカビの仲間です。

カビだけに、菌糸を伸ばし、枝分かれをしながら増えていきます。

 

そして、水虫の薬を塗って治療をすると、白癬菌は死んでしまう。

というのも理解している方は多いかと思います。

 

では、どのように白癬菌は死んでいくのか?

と言われると、???と思われるのでは無いでしょうか。

 

実際に白癬菌に水虫の薬を加えた時の動画がありました。

リンクはこちら。

見ていただくとわかるのですが、白癬菌の先端部分が破裂していくんですね。

皮膚科医でもなかなかこのシーンは見たことが無いと思います。

実際、私も見るのは初めてでした。

 

・・・そうか、白癬菌はこうして死んで行くのか。

知らなかった・・・