今回も手足口病のお話です。
先月にも簡単に説明しましたが、手足口病の今年の流行は爪に影響が出るパターンのようです。
実際に外来でもそのようなケースに遭遇してきました。
手足口病はいくつかの種類のウイルスが原因となり発生します。
その中でもコクサッキーA6型を原因とする手足口病は、発生してしばらく立った後に
爪に影響が出ることが以前から知られていました。
またコクサッキーA6型手足口病はその他にもいくつかの特徴が知られています。
そして、今年の手足口病はどうもこのコクサッキーA6が原因ではないかと症状から考えられてきました。
そうすると一つのポイントとして爪の脱落が起きるのかということになります。
この反応は感染してからしばらく立って、概ね1ヶ月ぐらい経過して出現するのですが、
最近の外来でこのような変化が出た方が出現してきましたよ。というお話です。
つまり、予想の通りのウイルスの感染が原因となるわけです。
ではこの爪の変化はどのようなことが起きるのか?
まず、爪の一部が浮いてきます。爪の中途から丸い形の白く濁った爪が出てきます。
実はこれは爪が皮膚にくっつかずに浮いている様子を反映しているんですね。
また、爪の根元が同様に白く濁って浮いてくることもみられます。
こちらは同じ反応が爪の根元で起こっている様子。
そして、それが爪の伸びと伴い、かぱかぱ浮いてきます。
途中で浮いた爪は側面まで浮いている状態が拡大し、どちらかの端だけで爪がくっついているようになりますし、
根本が浮いた爪は、先端部だけでくっついているように見えます。
そして最後に爪を何処かに引っ掛けた拍子にポロリと落ちる。
という流れで症状が出てきます。
その後は、何事もなかったかのように新しい爪が生えてくることがほとんどなので心配はいらないのですが、
爪がポロッと行ったらそりゃあびっくりしますよねえ。
対応は…残念ながらありません。
一度浮いた爪がもとに戻ることはありません。なので、剥がれるのを待つ形になります。
なので、どれだけ良い状況で剥がれるかという状況になります。
浮いている爪を引っ掛けて剥がして出血するというのが一番良くないパターンですので、
引っかからないようにあらかじめ爪を切って整形して引っ掛けないようにすることもよくあります。
あとは段差をジェルネイルで埋めるとかですかねえ…
コクサッキーA6型の手足口病はこのように終わってからしばらく立ってから爪の症状が出てくるので
いやらしいんですよねえ…
今年は注意が必要ですね。
という話でした