わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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感染

水いぼは大人には伝染らないって本当ですか?

本日、専門職向けのクイズを見ていました。

雨降っていて、時間に余裕ありましたからねっ。

それに今回話題が水いぼだったのもありましたので、試しに行ってみました。

 

・・・あれ、外れた。

そんな。まさか。

と思って詳しく確認をしてみると・・・

「水いぼは大人には感染しない」

○か×か。

 

いやあ、そりゃああるでしょう。

○!

 

そしたら×ですって。

 

あれー。

と思いまして問題と解説を読んでみました。

問題

「免疫が成立している健康成人には通常感染しない」

解説

大抵すでにウイルスに対する免疫を持っているために感染することは稀です。

ただし、免疫不全状態にある成人に対しては感染することがあります。

ですって。

 

・・・この書き方では、水いぼをが出た大人の人は大問題ある人じゃあないですか。

そんなことないんですけどね。

 

普通に大人にも水いぼは感染します。

今日はそんなお話をしていきましょうか。

雨の日のお供に少しだけお付き合い下さいませ。

 

よく見る「おでき」 粉瘤の診断と治療 その2治療編

さて、今回は粉瘤の治療についてのお話です。

前回の話からの流れでススメましょう。

1)通常時

2)炎症時

2)’破裂時

3)慢性化時

です。具体的な症状については前回を参照してくださいね。

 

まず、2)からお話しましょう。

2)炎症時

炎症が起きているときは、まず炎症を抑えることが大事です。

細菌による二次感染が合併している可能性があるので、抗生剤を飲んだほうが良いでしょう。

まず、炎症を抑えることが大事です。大事なことなので二回言いました。

その後、治療をゆっくりと考えましょう。

 

2)’破裂時

こちらはまず、内容物をすべて除去したほうが良いのです。

物理的に圧迫して、内容物を押し出しますが、時には穴を大きくして(円形の穴を開けて)中身を出すこともあります。

これは粉瘤の大きさや破裂状況、時間的な余裕(仕事している人は早くとった方が良いですよね)によって決まります。

そして、中の物を出したら後は2)に準じた治療を行います。

 

1)通常時

粉瘤の根本的な治療法は1)の通常時に行ったほうが良いと考えられます。

これは腫瘍の大きさは1)<<2)であることや、

炎症が起きている時に処置で手を加えると、更に病態が複雑になる可能性があるからです。

根本的な治療は粉瘤の袋そのものをとってしまうことです。

小さく取る(袋を内側から取る)か、大きく取るか(袋の外を大きく取る)かは状況次第です。

ただし、3)慢性化時にが大きく取らなければいけません。

周りの皮膚の中に断片が沢山残ってしまうからです。

 

袋を取る手術自体はそんなに難しいものではありません。痛み止めの注射をして、30分くらいで

完了することが多いです。(まあ、大きさにもよりますが)

ただし、3)慢性化時には再発する可能性は少し高いです。

 

粉瘤とは一般的な疾患ですが、治療の方針は少し複雑になります。

状態をみて、治療法を決める必用があるのです。

もしも粉瘤で心配な方が居りましたら一度受診してみてくださいね。

 

よく見る「おでき」 粉瘤の診断と治療 その1診断編

今日の晩ご飯をたべるときに、台所から悲鳴が上がりました。

何事かと思って聞いてみると、汁物の中に胡椒を入れようと思ったら

蓋がはずれ、中の胡椒がどばどばとお椀の中に・・・

そんな漫画みたいなコト、あるんですねえ。

 

 

さて、今回はおできの話をしようと思います。

おできと言っても沢山の病気があるのですが、その中でも最も一般的な病気である、

粉瘤についてお話をしていきたいと思います。

まあ、類皮嚢腫やら奇形腫やら、似たような皮膚の腫瘍がいくつもあるのですが、

一番多いのは粉瘤ですね。

なお、ピノコは出来ませんので、あしからず。

(↑ネタ古い?)

 

 

450px-Epidermal_Cyst_ear

粉瘤というのは、皮膚の中に皮膚がめり込んでおきる病気です。

結構見られるもので、だれでも一つや2つありますね。

良くできるのは、耳、顔、首など。

もちろん全身にできますが、上半身に多いですね。

 

一般に大きさは普通は数ミリですが、大きいものでは10センチ以上のものもあります。

症状は以下のようになります。

 

1)一般の状態はおとなしいですね。

触ってみても、小さな丸いしこりを触れることもあるくらいです。

疲れた時や体調が悪い時にはしこりが少し大きくなり、痛みを生じることもあります。

 

2)しかし、時に腫れて、ばーんと大きくなることがあります。

大きさは数倍から十倍くらいになることもよくあります。

何もしなくても痛くなることもありますが、触るともっと痛くなります。

これは炎症で容量の増えた内容物が周囲の皮膚を圧迫し、神経を刺激するからと思われます。

 

多くの場合は1)、たまに2)の状態です。

2)の状態になっても、ふつうは1周間から2週間くらいで1)に戻ります。

ただし、何回も2)を繰り返すと、別の状態に移行することがあります。

(もちろんいきなり↓になることもありますが。)

 

2)’ たまに腫れが強くなると、「破裂」することがあります。

破裂するときは大きく腫れた時や、中心部に「へそ」(コメドといいます)がある時などです。

破裂すると、中から血と膿と脂と汗と垢の入り混じったくさーい内容物が溢れてきます。

内容物が出尽くしてしまうと、一般的には1)の状態に戻ります。

 

でも、一つ気をつけてほしいことがあるのですが、何度も破裂すると、そのうちに皮膚の下の内容物が

皮膚の下にバラバラに埋まってしまい、広い範囲に散らばってしまうのです。

 

最後に粉瘤についてよく質問されるのですが、悪性になる(癌になる)ことは普通はありません。

その部分が悪性になる可能性は皮膚から悪性の癌ができる可能性と同程度と考えられています。

まあ、100万分の1くらいでしょうか。

 

次は治療のお話です。