今日の晩ご飯をたべるときに、台所から悲鳴が上がりました。
何事かと思って聞いてみると、汁物の中に胡椒を入れようと思ったら
蓋がはずれ、中の胡椒がどばどばとお椀の中に・・・
そんな漫画みたいなコト、あるんですねえ。
さて、今回はおできの話をしようと思います。
おできと言っても沢山の病気があるのですが、その中でも最も一般的な病気である、
粉瘤についてお話をしていきたいと思います。
まあ、類皮嚢腫やら奇形腫やら、似たような皮膚の腫瘍がいくつもあるのですが、
一番多いのは粉瘤ですね。
なお、ピノコは出来ませんので、あしからず。
(↑ネタ古い?)
粉瘤というのは、皮膚の中に皮膚がめり込んでおきる病気です。
結構見られるもので、だれでも一つや2つありますね。
良くできるのは、耳、顔、首など。
もちろん全身にできますが、上半身に多いですね。
一般に大きさは普通は数ミリですが、大きいものでは10センチ以上のものもあります。
症状は以下のようになります。
1)一般の状態はおとなしいですね。
触ってみても、小さな丸いしこりを触れることもあるくらいです。
疲れた時や体調が悪い時にはしこりが少し大きくなり、痛みを生じることもあります。
2)しかし、時に腫れて、ばーんと大きくなることがあります。
大きさは数倍から十倍くらいになることもよくあります。
何もしなくても痛くなることもありますが、触るともっと痛くなります。
これは炎症で容量の増えた内容物が周囲の皮膚を圧迫し、神経を刺激するからと思われます。
多くの場合は1)、たまに2)の状態です。
2)の状態になっても、ふつうは1周間から2週間くらいで1)に戻ります。
ただし、何回も2)を繰り返すと、別の状態に移行することがあります。
(もちろんいきなり↓になることもありますが。)
2)’ たまに腫れが強くなると、「破裂」することがあります。
破裂するときは大きく腫れた時や、中心部に「へそ」(コメドといいます)がある時などです。
破裂すると、中から血と膿と脂と汗と垢の入り混じったくさーい内容物が溢れてきます。
内容物が出尽くしてしまうと、一般的には1)の状態に戻ります。
でも、一つ気をつけてほしいことがあるのですが、何度も破裂すると、そのうちに皮膚の下の内容物が
皮膚の下にバラバラに埋まってしまい、広い範囲に散らばってしまうのです。
最後に粉瘤についてよく質問されるのですが、悪性になる(癌になる)ことは普通はありません。
その部分が悪性になる可能性は皮膚から悪性の癌ができる可能性と同程度と考えられています。
まあ、100万分の1くらいでしょうか。
次は治療のお話です。