わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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悪性黒色腫

ほくろは分裂するのか?

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丁度このような質問があるのを見つけたので。今日はこのお話をしてみましょうか。

 

まず、結論から言いましょう。分裂します。

この「分裂」にはいくつかの意味があり、それぞれできやすい時期があります。

 

まず、一つ目。ほくろが出来上がるときのお話です。

生まれつきのほくろは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときにすでに出来上がります。

ほくろのモトは神経ですが、脊髄から皮膚に向けてその神経の細胞が走って行きます。

その時に何らの変異が置きると異常に増殖しながら皮膚に神経の細胞が走って行き、

その部分にほくろとして現れると考えられます。

じつは、その後、ほくろの皮膚が分離することがあります。

たとえば、まぶた。

ほくろが出来上がったあとに上のまぶたと下のまぶたが分離します。

そのために、上と下の瞼にわかれたようにほくろができることがあります。

これを「分離母斑」と呼びます。

これが一つ目。生まれる前のお話ですね。

 

ついで二つ目。

特に小さな子に多いのですが、ほくろに湿疹が(たまたま)できて。あるいはほくろを気にしていじってしまう。

いじっているうちに皮膚そのものを剥ぎとってしまい、ほくろが分かれたように見えることがあります。

大人でもたまにあります。また、自分で引っかかなくても、何かを引っ掛ければ同じようになることがあります。

詳しく覗いてみると、分かれたほくろの真ん中に傷跡の様子をうっすらと見える場合があります。

まあ、肉眼では難しいのですが。

これが二つ目。

 

最後に三つ目です。

これは、ほくろがガン。つまり悪性黒色腫になってからのお話です。

悪性黒色腫は自分の体にとっても敵ですから免疫反応を起こすことがあります。

したがって、そのほくろの細胞を攻撃し始めることがあります。

そうすると、その部分の黒色腫の細胞が死滅してしまい、部分的に黒い色がなくなることが知られています。

そのために分かれたうに見えることがあるのです。

・・・え、どうして一部だけ攻撃されるのか?ということですが、これは難しいお話です。

詳細はまた後日お話することにしますが、ここでは、悪性黒色腫の一部だけ色が無くなる事があるという話が重要です。

 

というように、「ほくろが分裂する」のにはいくつかのパターンが有ることを理解頂けるかと思います。

では、「ほくろが分裂」した方が受診した場合、私達はどう考えるか。

まず、お話を聞き、いつ頃から分裂したのか話を聞き、診察をするのは当然ですが、

強く切除を勧めることが多いです

理由は上記の三番目の可能性があるから。

悪性黒色腫だった場合、放ったらかしにするリスクは大きいこと。最悪命に関わることがあります。

逆にその時点で切除してしまえば状況が悪化することを防げますしね。

もう一つ、顕微鏡でしっかりと細胞の「顔つき」を見ることができますからね。

というのも細胞1個1個の「顔つき」を顕微鏡で見ることによって初めて良性か悪性かの区別をつけることができるからです。

 

というわけで、分裂するホクロを見つけた時は皮膚科に行ってしっかりと診察してもらいましょう。

また、怪しい物はしっかりと切除して確定診断をつけましょう。

というお話でした。

ホクロが気になる場合に最初に確認すべきこと

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ホクロが気になり、皮膚科に受診する場合、受診前に確認しておいたほうがいいことをまとめてみます。

皮膚科の立場で考えてみました。

 

1)いつから出てきたか?あるいはいつ気がついたか?

これは非常に大切な事です。

一般的にホクロは小さな時に出てきます。

逆にいえば、成人してから出てきたホクロは注意が必要です。

といっても多くは良性のものですが、悪性のホクロが出てくる可能性は年齢とともに少しずつ上がりますから

いつ気がついたのかは大事な事です。

 

2)大きくなった?なっていない?

一般に良性のホクロはどこかで止まります。

しかし、悪性のほくろの場合はずっと大きくなり続けます。

そのため、大きくなったか成っていないか?なっていたのはいつ頃までか?は大事な基準になります。

 

3)ホクロになる前にトラブルは有りましたか?

ホクロが出る前にその部分の皮膚に何かトラブルが合ったかどうかを確認することも大切です。

一般に癌は細胞が分裂する時に出来ます。

そのため、ケガをした、ヤケドをした場所からはわずかですが、悪性のホクロが出る可能性が高くなります。

はるか昔のこともありますので、必要があれば親に確認してもよいでしょう。

 

4)大きな病気はしましたか?

全身に抗癌剤を投与したり免疫抑制剤を投与した場合、

また、放射線治療や移植を受けた場合は二次性に悪性腫瘍が出来うることが知られています。

過去に大病をしなかったか?特殊な治療をしなかったか?特殊な薬を飲んでいないかは確認してみましょう。

 

5)ホクロをいじりませんでした?

先にも書きましたが、悪性のホクロは「いじめられた」部分から出てきます。

そのため、ホクロをむしったり、ほじったり、焼いたりすることもリスクになります。

レーザー治療を過去に行なったこともリスクです。

 

以上のことがある人はそうでない人よりもしっかりとホクロの確認をする必要があります。

上の写真のダーモスコープと呼ばれる機械で色素の分布をしっかりと確認し、

必要があれば切除しなければいけません。

 

さて、みなさんのホクロ、何か気になるところはありませんでしたか?

気になるところがあった?そしたら早めに皮膚科に行きましょう。

くろあざの話、ホクロのはなし

 

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台風が来ると、その時は嫌なんですけどね。

翌日の空が真っ青になっているのは結構好きです。

 

さて、それぞれのあざのお話をしていきましょう。

まずは、黒アザ・ホクロのお話です。

 

黒アザとホクロは一部オーバーラップしますが、一部はまったく別物です。

その辺りを踏まえてみていきましょう。

まあ、大雑把に黒アザは生まれた時に有るもの、ホクロは生まれてから出るものと考えてください。

 

でも、実は意外に黒アザのかたは多くないです。

多くの方のホクロは生まれてから出てくることが多いのです。

 

この黒アザとホクロを別に呼んでいるのは実は理由があるのです。

つまり、黒アザは形成異常、ホクロは良性の腫瘍なのです。

まあ、非常にわかりにくいことも有るのですが、違うでき方をするので、違う経過をたどるのです。

 

まず、黒アザですが、先日にかいたとおり、皮膚の色素細胞の形成異常になります。

これは何故起きるのか?

話は赤ちゃんになる前にさかのぼります。

お母さんの胎内に入る時に、皮膚はもう出来上がります。

受精後数週間目。胎動を感じるもっとずっと前に皮膚は作られます。

実は、この皮膚は神経と一緒にできるんですね。

というよりも皮膚の一部が凹んで脊髄や脳が作られるのです。

 

色素細胞はどのように皮膚に分布するかというと、

その神経の細胞から一部が別れ、皮膚に向かって増殖しながら引っ越しを始めていくのです。

なぜそんな面倒臭いことが行われるのかはわかりませんが。

 

これって、実は大きな問題になるのです。

このことからわかるのは色素細胞と神経の細胞は結構仲が良いということなのですが、

ホクロが悪性化する。つまり悪性黒色腫になると神経に転移する傾向を持っているということなんですよね。

 

閑話休題。

この色素細胞のお引越しの時に、異常に増殖しながら細胞が皮膚に分布すると黒アザになるのです。

したがって、増殖率が高いと、色素細胞がたくさんあるためにゴワゴワした皮膚になります。

また、色素細胞が出すホルモンのために毛が濃くなってしまいます。

ですので、広い範囲に黒アザが出来た場合、ゴワゴワし、毛がもじゃもじゃしているので、

獣皮様母斑と呼ばれることが有ります。

 

対して、ホクロですが、これは色素細胞の良性腫瘍と考えられます。

良性ですから、転移はありませんし、ある程度大きくなったところで拡大はストップします。

この原因は多分紫外線です。

皮膚が露出する部分にホクロが多いのはそういう理由があるからです。

また、親にホクロが多いと子どもにもホクロが多い。遺伝的な要因も当然みられます。

 

黒アザと、ホクロ。見た目には非常に似たものですが、

出来上がるメカニズムは大きく違うのです。

 

 

 

 

 

ちなみにタイトルの下の写真はあざらしです。

・・・あざのお話だけに。

 

こどものホクロを大きく見ると、違う世界が見えてくる。

さて、質問です。
この機械は何に使うのでしょうか?

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これは、ダーモスコープと呼ばれるものです。

この機械を使うことによって、ホクロを約10倍に拡大して見ることが出来ます。

それにより、ホクロの中にあるメラニン色素の分布をより細かく確認することが出来るのです。

細かく色素を確認できることで、どのようなメリットがあるのか?

 

細かく見ることで、そのホクロが悪いものかそうでないのかの区別を付けられます。

つまり、ホクロの悪性腫瘍、悪性黒色腫なのか、良性の腫瘍、色素細胞母斑なのかを

区別することが出来ます。

 

昔はホクロは「7mmを超えたら取りましょう。」

と言われることが多かったのですが、いまでは、7mmを超えていても、

そのホクロの色素の分布を見ることによって取るべきか取らざるべきかを区別することが出来ます。

 

小さいこどもの手術を行うということは本人や家族にとっても大変なことです。

そのリスクを、てのひらに乗るくらいの小さな機械で防ぐことが出来るのであれば、

とっても良いことなのでは無いでしょうか。

 

当クリニックでもダーモスコープによるホクロの診断を行っております。

前の病院から行っている検査方法ですので、既に数百人以上に検査を行ってきました。

時間はほんの数十秒から数分の検査です。麻酔なども必要なく受診したその日に検査を行うことが出来ます。

 

もしも診断に迷うような場合は、ダーモスコープの専門家が勤務している病院に紹介することも可能です。

小さなお子さんで、ホクロが心配という方は一度近くの皮膚科に相談してみてはいかがでしょうか。

もちろん、当クリニックでも診察を行っておりますので、心配なかたはどうぞご来院ください。