寒い日が続きます。
最近、手足の冷えが気になるようになってきました。
年でしょうか・・・
さて、歳が明けてから、一気に増えてきた印象があるのがやけどです。
特に低温熱傷。特に湯たんぽを原因とする低温熱傷です。
問診票で女性の下肢から足のやけどと記載された場合、かなりの確率で湯たんぽによるやけどでした。
なぜ増加しているのか、理由はよくわかりません。
昨年よりも当クリニックの認知度が上がっているからかもしれませんが、
実際に使っている人も増えているのかもしれません。
特に東日本大震災以降の節電意識といったものも関係しているのかもしれません。
さて、湯たんぽの注意点です。
湯たんぽには必ず布を巻き、テープや紐で固縛してください、
湯たんぽに付属している巻布が薄くて、やけどしたケースがありました
また、巻布の固定が悪く、布の端から湯たんぽ本体が顔を出して、
ヤケドになってしまった話を聞きました。
湯たんぽの使い方にも問題を感じる時がありました。
湯たんぽを最も使うべき時は、寝る前です。
寝る前に湯たんぽを用意しておき布団の中を予め暖かくしておく。
そして、湯たんぽは入ってからは外しておくことが大事です。
また、布団の中にずっと湯たんぽを入れておきたい人は、寝る前は湯たんぽに巻く布は薄く、
寝てからは厚く巻くようにしたほうがよいでしょう。
低温熱傷になった後は大変です。
水ぶくれになり、壊死になり、最終的に瘢痕になってしまうことが非常に多いのです。
ヤケドはそもそも受傷当日には深さはわかりません。
普通のヤケドでは、2,3日すれば深さはある程度読める。結果として治療期間や治癒後の状況もある程度読めるのですが、
特に低温熱傷では1週間してもはっきりとわからないことがあります。
一般的に深いヤケドになる低温熱傷では、治療にかかる期間も数週間以上になってしまうのです。
数ヶ月かかることもよくあります。
また、気をつけて欲しいのが糖尿病の方です。
特に感覚が鈍くなっている方ではヤケドが特に深くなってしまい、最終的に手足の切断に至る方もいるのです。
要注意ですね。
さて、治療についてですが、当院では密封療法を行っています。
密封療法とは、柔らかな樹脂で出来た創傷被覆材を皮膚に密着させ、ヤケドを治す治療法です。
一般の薬剤や軟膏とガーゼを使用する治療法に比べて、痛みも少なく、治療期間も短く済む治療法です。
ただ、場合によっては手術や皮膚移植も考えたほうが良い場合もあります。
皮膚科や外科、形成外科の先生に相談してみてくださいね。