わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

学会

学会に行ってきました(その1:土曜日編)

先週末の18日は早期に診察を終了し、皆様に御迷惑をお掛け致しました。

学会に行って、勉強してきましたので、ブログでご報告いたします。

 

学会とは何か。

専門家の集まりで、一つの分野についての研究の成果を発表するものです。

今回参加したのは

第39回 日本小児皮膚科学会総会

です。

なんと鹿児島でした。

 

学会の開催場所ですが、こちらもいろいろです。

毎年全国各地で行われることもありますし、

毎年東京で行うもの、

関東と関西で相互に行うもの

など、いろいろです。

小児皮膚科学会は、今回の受け持ち校が鹿児島大学だったので、

鹿児島で開催されることになったのです。

 

土曜日の診療が終了し、羽田空港から鹿児島空港に向かい、

鹿児島市内に到着したのはもう午後6時でした。

慌ててホテルにチェックインし、その後懇親会の会場に向かいます。

 

学会の目的ですが、もちろん最新の研究を知ることもあります。

しかし、それ以外にもそれぞれの会員の仲を良くし、人的ネットワークの充実を図ることもあります。

 

というわけで、懇親会という名の、宴会を行うのです。

あ、もちろんそのコストは参加費という形で徴収されていますよ。

 

今回の学会では、発表もあるので、懇親会は途中で抜けさせて頂き、

路面電車でホテルに戻り、そのまま原稿のチェックを行いました。

 

 

そんなこんなで土曜日は終了です。

学会に行ってきました(その2:日曜日編)

今回は前回の続き、学会に行ってきたお話ですね。

 

さて、日曜日になりました。

朝起きて、寝不足の目で朝ごはん。

その後、学会場に向かいます。

 

本当は学会は土曜日の朝から日曜日の夕方までのスケジュールですが、

この日程は開業医には正直厳しい物があります。

外来をきちんとやれば学会に参加できなくなりますからね。

かと言って、日曜日から連休の月曜日までやったらやったで不満が出るでしょうから

難しいですね。

 

学会場では、いくつかのプログラムが同時に進んでいます。

大きく分けて口演とポスターですね。

今回は両方ありました。

口演は、会場でお話をすること。

ポスターはまとめたプリントを掲示すること。

どちらも一長一短があります。

口演では、その場にいなければ話を聞くことは出来ません。

ポスターでは、本人が本当に知ってほしいことを受け止められない可能性があります。

ので、どちらがいいというものでも無いんですよね。

今回の学会で有りがたかったのは、口演の内容もポスターになっていることです。

ですので、日曜日に言っても、土曜日の発表の内容を目にすることが出来ました。

助かります。

 

ポスターを見ながら、一人でツッコミや疑問点をブツブツつぶやいているのは

周りからすれば怖いかもしれませんが、

意外にみんなやっていたりして。

 

あとは企業の展示があります。

皮膚科系の学会では多いのですが、化粧品やレーザーの機械などの展示もあり、

見ているだけでも面白いです。

時に新製品を見つけたり、今まである製品でも新情報が得られたりと

興味深い物がありました。

 

そんなこんなで自分の発表を終了し、鹿児島空港から羽田空港に向かいました。

鹿児島には実質24時間いませんでした。

観光?らしきものはほとんどしませんでしたね。

お店の開く前の時間に繁華街をお散歩したくらいです。

 

・・・鹿児島まで行ったのに。

ということも多々あるのが学会だったりもします。

遊んでいないんですよ。お勉強に行ったんですよ。

と強調しておきます。

ロドデノール 経過報告

日本皮膚科学会のホームページから

ロドデノールについてのFAQが更新されました。

 

各新聞社からもニュースにもなっています(産経新聞)。

 

これらの公開情報を簡単にまとめてみましょう。

9月1日現在のカネボウからの情報によると、ロドデノールの影響を疑う脱色素班の方は9959名

日本皮膚科学会の特別委員会で調査した方が748名

経過を確認できた方が259名

となっています。

 

その経過を追えた方で

使用中止後6ヶ月が経過した方は50名

改善、治癒した方は29名

となっているようです。

現在も調査中であり、もう少し経過もはっきりしてくるかと思います。

 

また、いくつかの事実もはっきりしてきました

・日に当たる部分に外用した方は症状が強い。

・何種類も重ね塗りした方は症状が強い。

ということもわかってきたようです。

 

また、9月2日のクローズアップ現代も大きな反響を呼んだようですが、

これに対しても日本皮膚科学会の委員会より反論がなされたようです。

いずれにても、詳しい情報が集まるのはまだまだのようです。

また、気になるニュースも出てきました。

詳細ははっきりしませんが、ロドデノール以外の製品を使用して白斑になった方も

いるような話が出ています。

 

まだあまり話にはなっていませんが、機能性化粧品とのつきあいかた、

新規物質に対する付き合い方を考える必要があるかもしれません。

 

そう思って、事務長に「10年前からある商品を使えばいいんじゃない?」と聞いたら

「もうそんな製品ないわよ」と言われてしまいました。

商品の入れ替わりの激しい分野にはそれはそれで問題が有るようです。

 

 

学会に行って来ました

「本日学会のために休診です」という案内はクリニックによく貼ってありますが、

その「学会」とは一体何でしょうか。

 

今回、その「学会」に行ってきたので、そのレポートをしたいと思います。

お医者さんの休日に興味のある方もどうぞ。

 

学会とは何か。私も正式に調べたことは今までありませんでした。

そういうものかなあ。と思っていたので。

いや、医師の場合、医局に入る(ほぼ就職すると同義語です)と同時に学会に加入した(?するように言われた?)ので、しっかりと考えたことはないのです。

Wikipediaによると、学会とは「学問研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場である。また同時に、査読研究発表会講演会学会誌学術論文誌などの研究成果の発表の場を提供する業務や、研究者同士の交流などの役目も果たす機関でもある。」

とあります。

つまり、その分野の専門家が集まって、その分野のことについて、検討・議論する場所

ということになるでしょうか。

その議論を行う場所として、学会雑誌があり、講演会や勉強会があり、パーティーがあるというわけですね。

(ん?パーティー?と思われた人。雑談や人脈形成も、その分野の研究を発展させる上では大事なことなのです。

茶飲み話が研究を進める大きなポイントになったという話もいっぱいあるんですよ)

私達がいつも「学会」と言っているのは、概ねその中の「研究発表会」に当たるものです。

 

 

今回私は行ったのは、日本小児皮膚科学会第37回日本小児皮膚科学会学術大会です。

会場は東京プリンスホテルです。東京タワーのお隣ですね。

あまり広くない会場です。

大きな学会だと、幕張メッセ、東京国際会議場、東京国際フォーラム、パシフィコ横浜、京都国際会議場

などの大きな会議場を貸しきって行うことがあります。

小さな学会では京王プラザなどのホテルを借りて行うことがあります。

ホテルの正面に「○○学会学術大会」と看板が立っていたり、会議場や宴会場に「○○学会総会」などあったり、

日中のホテルにスーツを着たおじさんやおじいさんがたくさん歩いていたらそこでは学会があるのでしょう。

 

閑話休題。

この小児皮膚科学会ですが、この学会は小児科のなかでも皮膚に興味のある先生と、皮膚科の中で小児に興味のある先生が集まって作られた学会です。

学会に所属する人は約1500人。皮膚科医の総数が1万人、小児科医の総数が1.5万人なので、そんなに多くはありませんね。

でも、小さな学会では逆に顔見知りの先生が多かったり、なにか相談したいことがあった場合、専門の先生を見つけやすいなど、いいこともあります。

逆に大きな学会では、たくさんのお話が聞けるので、知識を一気に増やすこともできるので、一概にどちらがよいとも言えません。好き好きですね。

 

まず、受付で学会の参加登録を行います。

領収書を兼ねた、登録・参加章を貰い、それを首から下げます。これがパスカード代わりになります。

その後、必要があればプログラムを購入します。普通は学会に入っている人には予め配られますが、

プログラムは会場でも販売されているので、非学会員でも心配なく参加することができます。

 

その後は演題を見るも良し。ポスター展示を見に行くもよし。特設された本屋さんで専門書を探すも良し。

器械の展示を見に行くのも良しです。

今回は患者さんの団体のブースもありました。円形脱毛症の患者さんの会です。

 

学会の演題の発表には様々な形式があります。

今回は、発表(口演と呼びます)でしたが、演題が多いとポスター展示になることもあります。

最近ではインターネットで予め事前情報を確認できるものもあるようです。

大きな会場にずらりとA0サイズのポスターが並んでいるのはなかなかの景色です。

当然、あることを発表する人には反対意見を言いたい人もいるはず。

その意見の交換で科学は進歩しますから、議論の時間もあります。

口演の時には発表終了後に、ポスターの時にも決まった時間にはそこに発表者はいなければ行けません。

そこで議論を交わすわけですね。

これもそのうち、ネット上でのやり取りに変わっていくのかもしれません。

 

また、学会の場は教育の場でもありますので、その分野の専門の先生が

時間を割いて、教育的な講演を行う場所でもあります。

どうしても専門の分野以外については情報が古くなりがちですので、

このような場所で最新の知識を仕入れる必要があります。

ですので、学会の会場には新人の先生からベテランの先生まで集まります。

最新の情報とは全く逆の、今は廃れてしまった技術の話や、診察風景の話なども聞けるので、

それもまた面白いものがあります。

私の場合は小児科の情報を興味深く入手することが出来ました。

 

こんな感じで学会は進んでいくのです。