今日はあせものお話。
いやあ、今週はあせもが多かったですねえ。
ということでどうしてそのようなことになったのか簡単に解説します。
まず要因の1点目は台風ですね。
台風は南から湿った空気を連れてきます。
今回の台風10号でも東京にやってくる雨雲は常に南からでした。
そして雨を降らせたわけですが、もう一つの特徴として湿度もつれてきました。
常に、一日中、湿度100%です。まあ室内はまだましかとは思いますが、夏の晴れの日よりも明らかに湿度は高いです
ということは汗はずっと蒸発できずに皮膚の表面に滞留します。
そのためにあせもを生じる結果になりました。
要因の2点目は新学期です。
まあ、学期前からかもしれませんが、スキンケアのレベルがどうしても落ちてくるんですよねえ。
そして新学期が始まると一気に下がる。
という現象が発生します。
今日の外来でも「忙しくて朝のシャワーが出来ません」という声を何度聞いたことか。
当然汗を流すことができないので、汗が皮膚の表面に滞留する時間が長くなります。
そのためにあせもが生じる結果になりました。
あせもの要因は汗であることがご理解いただけるかと思います。
ではあせもの悪化する要因は何かというと、汗の量と汗の付着時間です。
それが今週は、台風で汗の量が増える。
そして忙しくてシャワーが出来なくて汗の滞留時間が増える。
結果として汗疹が一気に悪化するというケースが発生したようです。
一般に夏休みの後半はあせもの頻度が下がってくるものですが、
今週は気候的な要因と社会的な要因が悪い方に組み合わさった結果として
あせもの子が多く受診することになったようです。
ちょっとしたことで皮膚は大きく変化するんですよねえ…
実に興味深いのです。