雨です。夏なのに涼しいです。
いいことのような悪いことのような。体調を崩さないように注意が必要ですね。
さて、今回は皮膚科受診の時のお話です。
特に顔のお話。
化粧はしないでね。
というのも、皮膚科は診てナンボの職業です。
顔の湿疹やニキビなど、病変のある部分の皮膚を診なければ治療は始まりません。
顔のニキビを診てほしいと言って受診した患者さんの顔を診てみたら思いっきり化粧されていた。
ほっぺたの湿疹を見てほしいと言って受診した患者さんの顔を見ていたら、ファンデーションがべったり。
診断できませーん。
と叫びたくなることもたまにあります。
普段日常で使っている言葉は、病名と完全に1対1で対応しているわけではありません。
例えば「ニキビ」と言って受診する患者さんの中には、
尋常性ざ瘡(アクネによる炎症。狭い意味でのニキビ)の他にも
マラセチア毛包炎(カビによる炎症。大人ニキビなどと呼ばれる場合もあります)や
その他の雑菌による毛包炎など、様々です。
で、これらは発疹を細かくみて、初めてなんとなく分かるものです。
また、湿疹もいろいろな原因でできることがあり、これまた細かく診ないとわかりません。
でもね、化粧されていると、この「細かく」が見えないんですね。
全体的にぼんやりとしてしまい、細かなディテールがわからなくなってしまいます。
じゃあ、化粧をその場で落とせばいいなじゃい。
と言われるかもしれません。
しかし、それくらいでは化粧なんて落ちないんです。
したがって、化粧をして受診しても診断の精度は上がりません。
診察室で「うーん」となってしまうわけです。
もちろん、治療もピンぼけになる確率が高くなります。
結果なかなか治らず、通院回数も増えてしまうのです。
それって、不幸なことですよね。
言いたいことは唯一つ。
顔の病変を皮膚科に見せに行く時には、化粧しないで受診すること。
です。
おねがいします。