皮膚科なので、塗り薬がほとんどです。
飲み薬を出すことはあまり有りません。
他の皮膚科医よりも少ないかな?
また今年も薬の副作用のニュースが出てきました。
高血圧の薬を飲んでいる人に副作用が出現し、
なくなった人も出たとのこと。
まず最初に大切な事を一点
飲み薬で副作用が出るリスクは、どんな薬でも、誰にでもあります。
次に大事なこと一点。
副作用によっては頻度は少ないですが、命に関わります。
最後にもう一点だけ。
副作用はいつどのような形で出るかは誰にもわかりません。
この3点。処方する側としては忘れたことは有りません。
できれば、飲む人も必ず知っていてほしいことなのです。
どんな薬でも自分の体に存在しない化学物質が入っている以上、
その成分に対して異常な生体反応を起こす可能性はあります。
そしてその反応は時に激烈になることがあるのです。
今回の記事にある、横紋筋融解症や腎不全などということもありますし、
スティーブンス・ジョンソン症候群など、皮膚にも重症の副作用が起こりえます。
時には皮膚症状から生命が脅かされることも有るのです。
なので、薬を飲まなくても済む環境であれば、
薬は飲まないに越したことは有りません。
薬は飲むものでは有りません。
リスクとメリットを天秤にかけて、飲むかどうか考えるものなのです。
後一点だけ、マスコミにお願いです。
メッセージ性が高く、話題になるからでしょうが、
死亡者が出たことをセンセーショナルに記事にするのではなく、
なぜそのようなことになるののメカニズムについてきちんと検証して
記事にしてもらいたいですね。
そのうえで、薬をのむという行為に対するスタンスを考えて欲しいのです。
一医療従事者からのお願いです。