さて、前回の記事に引き続き、ほとんど痛みのない、
イボ治療についてお話をしていきましょう。
今回は当日編です。
当日編といっても事前の準備は全く必要ありません。
外来を受診して、この治療を希望することを明示下さい。
そしたら、この治療の詳細についてプリントで説明をさせて頂きます。
費用についてですが、こちらは少し複雑です。
薬剤管理費:1000円(初回のみ)
予約費:500円(毎回)
となっております。
(2019年8月)金額改訂のために削除。
薬剤については海外から個人輸入を行った製品になります。
したがって非常に高額なものとなります。
また、多きなボトルを他人数で使用するという形はとれません。
理論的にも感染のリスクがありますから。
したがって個人持ちで使用して頂く形となります。
そのための金額となります。
基本的にはその金額は初回にお支払い頂く形になります。
個人専用チューブに薬剤を確保するためのお金とお考え下さい。
言い方は悪いですが、ボトルキープのようなものですね。
個人専用チューブに入っている薬剤はイボ50個分となります。
つまりこちらをお支払いいただきましたら延べで50個分のイボを
治療できるということですね。
なお、大きなイボや多数のイボをお持ちの方の場合は
途中でこの薬剤がなくなるかもしれません。
申し訳ありませんが、そのときには再度お支払いいただき、
購入頂く形になりますのでご了承下さい。
また、治療がうまくいき、終了となった場合ですが、
最終受診から3ヶ月間はこちらは保存させて頂きます。
3ヶ月以上を経過した場合にはこの薬剤は破棄させて頂きます。
期間が経過すると雑菌の繁殖する可能性がありますので、
ご了承下さい。
予約費についてですが、こちらは薬剤の準備を行う都合上、
「特殊外来」の枠を使用して頂く形になります。
(初回は一般の外来受診で構いません)
また、一人1回あたりの診察時間は短く、処置を行うのみという
特殊な事情がありますので、
こちらは優先診療枠となっております。
つまり特殊外来を受診された方は優先的に診察室にお呼びするという
形になります。
そしてすぐに処置を行い、ご帰宅いただけるというシステムになります。
予約費についてはこの予約枠を確保するためのお金とお考え下さい。
こちらは選定療養費として実費で負担をして頂く形になります。
(自己負担率にかかわらず、実費でいただきます)
・・・初回にお金を多めに取り、その後は毎回お金をいただくというシステムですが、
こちらは特殊な事情があります。
こちらの薬剤については個人輸入を行い、海外から取り寄せを行っております。
したがってなくなったからと言ってすぐに補充できるものではなく、
海外の休日などによっては1ヶ月以上も待たなければ行けない状況もあります。
したがってまず利用されている方の分を確保しなければいけません。
そして、イボの量の多い方、少ない方のいずれにも公平に対応する必要があります。
イボの多い方の使用する薬剤の量はどうしても多くなりますし、
小さ方はごく僅かで構いません。
その量については大きな差があります。
従って、受診回数のみで金額を負担いただいた場合、
結果的に小さなイボの方に重い負担。つまり不公平感が出てしまう恐れがあります。
小さなイボの方は少しだけ負担していただく。
大きなイボの方は薬剤が多い部分を負担していただく。
そして、薬剤がなくならないように予め確保しておく。
感染を起こさないように各自の薬剤を分離して保管しておく。
という、相反する問題を解決するために
初回:薬剤管理費
毎回:予約費
という形でお金を頂く形になりますことを
ご理解下さい。
さて、お金の話が長くなってしまいましたが、
実際の治療です。
治療はあっという間に終わります。
薬剤を準備し、ピペット(スポイト)でイボの部分に
赤い色をした薬を塗りつける。
そして、それが乾燥してピンク色の白い膜になったら、その上から
シールを貼る。
それだけで終了です。
本当に時間にして秒単位の治療です。
当然痛みも全くありません。
診察終了。
ほら痛くない。あっという間でしょ。
というと、いままで怖くて大騒ぎしていた子も
(まあ、今まで液体窒素で散々痛い思いをしてきましたからね)
キツネにつままれたような顔をしています。
そうでしょう。そうでしょう。
その後、処置部分にはシールを張ったまま帰宅して頂きます。
帰宅後には最後のお仕事として一つだけやってもらいたいことがあります。
処置4時間後に、シールを剥がして下さい。
そしてお風呂にはいって、その部分を流して下さい。
それだけです。
ここで剥がすシールですが、目的は2つあります。
1つ目は薬が他の部分にくっつくのを防ぐため。
どうしても、他の皮膚にくっつくとその部分にも水疱を作る可能性があります。
それを防ぎたい。
同様の意味で洋服などに付着することも予防したいところです。
問題はないかもしれませんが、ひょっとすると色になってしまうかもしれませんしね。
布の劣化もあるかもしれません。それは避けたいところです。
もう一つの目的は薬の効きを良くすることです。
つまり、剥がれればその分薬の効果が弱くなってしまう。
そのために、剥がれないように、薬が皮膚に密着するように、
暫くの間、皮膚にはシールを張って生活をして頂きます。
で、4時間後に剥がすということです。
なお、このシールですが、途中で剥がれれも大丈夫です。
まあ、上記のリスクは少し有りますし、治療効果も少し落ちる可能性ありますが、
やむを得ませんしね。
ということで慌てる必要はありません。
剥がして、流して、寝る。
という形で大丈夫です。
次回は翌日以降のお話をしていきましょう。