本日朝のテレビでやっていたみたいですね。
今回はそのお話を少ししてみようかと思います。
刺青のレーザー希望の患者さんが増えているということですが、
それもさもありなんと思います
だって、刺青を入れる人が以前より増えましたからね。
そもそも刺青がなぜ入れられたかの話をすると長くなるのでしませんが、(リンクはこちら)
定義からして、簡単に消えないものです。
これが、アートメイク、タトゥも同じ。
なので、一生のお付き合いをする覚悟で行う必要があります。
「すぐに消える」と思わない方がいいのです。
さて刺青を消す方法は簡単に2種類に分けることができます。
手術で取る方法とレーザーで色素を飛ばす方法です。
手術では、周りの組織ごとすべて取り去ります。
レーザーでは一般に周りの正常な組織に影響が及ぶことは少ないです。
(まったくない訳ではないことは要注意)
したがって、レーザーを選択するか方が多いだろうということが容易に想像することができます。
でも、レーザーも万能ではありません。
レーザーとは特定の波長の光を照射し、その光を色素が吸収して発熱し、細かな断片に粉砕されます。
その細かな色素の断片を体内のお掃除細胞が取り込み、おしっこの中に捨てるのです。
このような複雑な経過をたどって、色素は薄くなります。
問題点その1
直後に薄くなるわけではありません。
お掃除細胞が取り込む必要があるので時間がかかります。直後に消えるわけではないのです。
問題点その2
色素によって色の消え方が、変わります。
レーザーの種類や色素の種類によって、改善度合いが変わります。
レーザー光の波長をうまく吸ってくれる色素は消えるでしょう。
しかし、吸わない色素ではあまり効果ありません。
逆に吸いすぎても熱が予想よりも多く出ればトラブルになりますし、
色素が熱で変性したり、周囲の化学物質と反応して妙な色が逆についてしまう可能性もあります。
問題点その3
深いところにはレーザーは届きません。
光を組織の中に入れるわけですから、当然深い部分には光は届きません。
せいぜいコンマ数ミリから1ミリ、2ミリの単位です。
なので、深すぎる部分に存在する色素には光は届かず、当然効果もありません。
まあ、色素が深すぎても、皮膚からは見えないので逆に問題は無いのかもしれませんが。
同様の理由で、色素の存在する深さにムラがあった場合は、治療効果にもムラが出てしまいます。
プロの方が彫った刺青は、深さにムラがないので、消えやすいけど、
素人さんだと、色素の深さにムラが出てしまい、消えにくい。
なんていうお話もあります。
というわけで、レーザー治療も万能では無いということをわかっていただけたかと思います。
実際に、鉛筆の芯をさした時の色を消すのも大変な事があるくらいですから、
刺青を消すのはもっと大変なのです。
刺青をするときには、取る可能性があることも考えて欲しいのです。
取るのは、大変だよ・・・
追記。
刺青のレーザー治療については医療保険は原則として適応にはなりません。
ただし、外傷性刺青の場合は、
(何らかの事故などにより、皮下に色素が入ってしまうこと。さっきの鉛筆の芯が刺さることも含めます)
保険が効くこともありますので、その時には相談してみてくださいね。