わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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内服

出産後にじんましんはよく出てきます

出産後の元妊婦さん。

結構な頻度で蕁麻疹が出てきますよ。

というお話です。

 

まず、蕁麻疹の原因ですが、

一番多いのは感染症に伴うもの、その他に何らかのアレルギーというのもそれなりの頻度でありますが、

以外に多いのは疲れたり、体調が悪くて出てきたりするものです。

 

特に赤ちゃんを育ていると、体調の悪化がよく見られます。

生後1ヶ月くらいは大丈夫なんですよ。多分妊娠出産の興奮が残っているから。

その後が結構たいへん。

 

生後2ヶ月から生後早い子で34ヶ月、遅い子では56ヶ月までが大変。

その後は少し楽になってくるものです。

なぜか?夜間の睡眠スケジュールが確立してくるからです。

でも、それまでの、夜も昼もない生活スケジュールが

体調を悪化させ、蕁麻疹を作ってしまう。

 

そういったわけで、出産後2ヶ月から半年くらいまではお母さんには蕁麻疹ができる確率は上がっているのです。

でも、大丈夫。

飲み薬で蕁麻疹を抑えることができますから。

また、おっぱいに入っていても大丈夫な飲み薬もありますから。

心配な方は早めに受診してくださいね。

 

花粉症と花粉かぶれ

花粉症の季節が始まりました。

毎日花粉情報を確認していますが、東京でも少しずつ花粉が増えてきましたね。

 

さて、花粉症で眼や鼻に症状が来るのと同時に皮膚にも花粉により症状が出ることがあります。

あまり知られていないこの「花粉かぶれ」とは一体どのようなものでしょうか。

 

花粉かぶれというくらいですから、発生時期は花粉症の発生時期に一致します。

多くは女性です。

目の周りから頬部にかけて、ひりひりする、しみるといった症状が出てきます。

診察してもはっきりした皮膚の変化がない場合もありますが、

多くは皮膚の表面にざらつきがでたり、少し赤みが出たりすることがあります。

 

原因については完全にわかっているわけではありませんが、

花粉の蛋白質にたいするアレルギー性のかぶれと考えられています。

 

女性に多いのはもともと皮脂も少なく乾燥しやすいこと。

化粧によりわずかなかぶれがもともと存在していること

気にして擦ったり触ったりしていることなど考えられますが、はっきりしません。

当然ながら眼を擦ったり鼻を噛んだりし、その影響は出てきているとも考えられます。

 

治療するまでもなく、花粉の時期が終われば症状はなくなりますが、

症状があり、辛い場合は治療も行います。

一番マイルドな治療は保湿剤や保護剤です。

荒れやすい皮膚や乾燥した皮膚を抑えることで湿疹を減らそうとするのが保湿剤の考え方。

逆に保護剤は皮膚の表面に油を塗ることで、皮膚表面にアレルゲンがつかないようにしようという考えです。

ついで使われるのはステロイド。

湿疹の反応を抑えようという考えです。

また、プロトピックという塗り薬を使うこともあります。

 

あとはスキンケア。

花粉症そのものの対策、つまり洗うことや流すことを徹底する。

これは顔の症状を抑えることにもつながりますし、

水で洗うことで皮膚の温度が下がり、症状を弱くすることにもなります。

(ただし、水洗いの後は乾燥予防に保湿剤を塗ってくださいね。)

 

という形で花粉かぶれの治療を行うこともできます。

もしも花粉症がある方で顔のひりひりや赤みが気になるという方は一度皮膚科に相談ください。

また、花粉症の目薬や鼻薬、飲み薬を処方することもできますので、一緒に相談してはいかがでしょうか。

アトピー性皮膚炎は受験では不利なのか?

アトピー性皮膚炎と受験のお話。

今回は病気そのものが受験に影響するかというお話をしたいと思います。

 

でも、調べてみたのですが、あまり情報がありません。

但し、一般的にアトピー性皮膚炎という病気そのものは学習能力には直接影響してはなさそうです。

 

しかし、アトピー性皮膚炎を持っている人が受験に対してどうかと考えると、

やはり不利。ということになるかもしれません。

以下にその考えを述べましょう。

 

1)痒みによるパフォーマンスの低下。

痒いということはそれだけで勉強の集中を妨げます。
同じ時間勉強をした時に、痒い人はそれだけ能率が落ちる可能性は十分にあるでしょう。

2)治療による時間のロス

アトピー性皮膚炎の人は毎日薬を塗る必要があります。
もしも全身に薬を塗るのであれば、それだけで1回あたり5分から10分程度の時間がかかってしまいます。
また、医療機関に通院する時間もロスになる可能性があります。
学校をお休みまたは早退していくとなると、その機会損失(学校で聞ける知識を聞けない)も有るでしょう。

3)飲み薬による眠気

アトピー性皮膚炎に対して飲み薬を処方されている方も多いかもしれません。
最も頻用される抗ヒスタミン薬ですが、副作用として眠気が有ります。
特に気をつけないといけないのは、インペアード・パフォーマンスと呼ばれるものです。
つまり、眠いわけではないけれど、脳みその一部が寝ているという状態です。
厄介なことに、気が付かないうちに効率が落ちていることが有るのです。

4)整容的な問題

これは面接の時に問題になるかもしれません。
特に顔面に強い湿疹が有り、そのために見た目で損をする可能性があります。
また、見た目によるバイアスが掛かる可能性も否定できません。
知識のある教育者ですからそのようなことは無いかと思いますが、
当落線上ギリギリにある時には問題になるかもしれません。

 

アトピー性皮膚炎が直接的に影響しているのはこのくらいでしょうか。

間接的な影響としてはどのようなものが有るでしょうか

5)性格の変化

一般的にアトピー性皮膚炎の人は性格が抑うつ的になる傾向が見られます。
そのために、本来得ることの出来る知識が得られない。また、人よりも強い不安のために
その知識が定着しない可能性があります。

また、特に小さい時に顕著に現れますが、引っ込み思案になっている場合は、
努力に対する正のフィードバックがかからない可能性があります。
つまり、他の子の前に出ない。褒められる機会が減る。褒められることを報奨とする努力志向が出てこない。
という可能性も考えられます。

 

さて、長々と考えてきましたが、これらはあくまでも仮説です。

当然人により大きな差があるでしょうし、

多くの人を対象とした調査もなされてはいないかと思います。

少なくとも私は聞いたことはありません。(調べてもそのような調査はありませんでした)

 

このお話はもう少し掘り下げてみたいと思います。