今年も年始から悲しいニュースを目にしました。
3歳の女の子がやけどを含む全身に傷を負い、なくなったというお話です。
非常に悲しく、残念なお話です。
なぜこのような自体になったのかはこれからのお話ですが、
早く虐待を見ぬくことも大切なことでしょう。
皮膚科を長年やっていると、虐待を確認して欲しいという連絡を受けることがあります。
入院している患者さんの傷を見て、虐待かどうかを確認して欲しいとのことですが、
これは非常にむずかしい判断を強いられます。
主にヤケドが話題になりますが、「虐待」と確信をもって連絡出来たことは未だに有りません。
なぜか?
症状だけで見ぬくのは難しいのです。
ヤケドや外傷の症状から解ることは、こういう傷が出来た。ということだけ。
なぜこうなったのか?についてはわかりません。
明らかに特徴的な状況があれば分かりますが、そんなことは有りません。
(いやらしい話ですが、虐待を行う側は目立たないように傷をつけるからです)
自分で熱いものを触ったのか、親に押し付けられたものか?
難しいのです。
これが意識不明の子の傷だけを見せられて判断することは非常に難しい。
虐待の判断を行うのは傷だけを見ているのでは無いからです。
本人に話を伺う際の本人の様子や状況。
親や周囲に話を確認する際の様子や状況。
むしろ、病気以外の部分を総合的に判断し、病気の裏に隠れているものが無いかどうかを
確認する必要があります。
となると、虐待の判断を医療機関「だけ」で行うには限界があることがよく分かります。
むしろ近所の方の方が重要な情報を持っていることもちらほら・・・
当然そのような人からは医師は情報を聞き出すことができません。
そうすると、大切になってくるのは児童相談所や警察などの、
周囲から情報を聞き出すことが出来る機関の存在が重要になり、
その情報を確認しながら虐待かの判断を行わなければいけません。
社会が見つけ、病院でケアをしてあげる。
虐待の対応には社会全体で当たる必要があるのでしょう。
最後に一点だけ、最近のニュースで気になったこと。
児童相談所の人も、その子、その家族だけではなく、
その周囲の人や警察にも情報を当たるべき何でしょうねえ。
情報の共有について考えさせられます。