わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

兄弟処方

兄弟の間での薬の処方

a1180_005955

 

子どもがたくさん来る皮膚科のクリニックをしていると、当然の事ながら兄弟(または姉妹)で受診される方もたくさんいます。

その時によく聞かれる相談が、兄弟の薬の合わせについてです。

いわく、兄弟の間で同じ薬にしたい。いわく、兄弟に処方された薬を使いたい。

という話は聞かれることが結構あります。

今回はこの質問についてお話をしていきたいと思います。

 

 

当クリニックでは、兄弟間の薬の使い回しは推奨しておりません。

 

理由について簡単に説明しましょう。

当然ながら、その子その子によって症状は異なります。

また、「現時点での症状は同じ」出会ったとしても「過去を含めた症状の推移」は必ずみんな異なります。

症状とはその時点のものではあるのですが、川の流れのように、過去の流れを見て、将来を考えるべきものでもあります。

したがって、似たように見える症状であったとしても、薬の処方は変わってきます。

考えて見ればよく分かるかと思いますが、ずっと症状が悪かったけど、たまたま診察時に落ち着いている子どもと、

普段は調子がいいのに、その時たまたま症状が悪くなった子。その二人に同じ処方をしても良いのでしょうか。

ベースの状態を含めて処方というものは考えていかなければいけないのです。

したがって、現時点の症状は似ていてもベースの状態を考えて、処方内容は微妙に変わっていくのです。

 

次に、あえて、同じ薬を処方したとしましょう。その場合には何が起きるでしょうか。

誰かの症状に合わせた処方内容では、別の誰かには合わないでしょう。

具体的には強すぎるか、弱すぎるかです。

強すぎた場合は症状は引くでしょう。しかし副作用のリスクが大きくなります。

逆に弱すぎた場合は副作用こそ出ませんが、症状も引くことは無いでしょう。そして苦しむ時間がより長くなってしまいます。

実際に診察をしていても、他の誰かに処方された薬を流用して、落ち着かない。または悪くなったという話をよく目にします。

結果として、治療期間を長くし、苦痛もより強くさせてしましまうのです。

 

次に、実際に同じ薬を兄弟で使いまわす時の問題も考えてみましょう。

兄弟に薬を使いまわすということは、そのクリームケースには、二人分の雑菌が入るということです。

そしてその雑菌をお互いに移しあいしているということでもあります。

実際にトビヒはそれだけで移ることもあるでしょうし、水いぼも同様です。

経験したことはありませんが、イボもそうかも知れません。

このリスクはひとつのクリームケースから複数に塗らなければある程度は防ぐことができるのです。

 

このように、塗り薬を複数の人数で使いまわすということにはリスクが有ります。

但し、私達も薬を使いまわすデメリットについては承知しています。

同じクリームケースから使いまわすことは容認はできません。

しかし、二人の処方内容や薬の種類は異なるだけでも塗る人間にとっては大きな労力は必要であり、

ストレスとなることは充分に理解できるものです。

したがって、兄弟の間では極力処方の内容は同じようなものにするように努力しています。

しかし、一緒に受信された患者さんでしたら配慮はできるのですが、別別に受診されたばあい、

目の前にいない子の処方内容まで確認しきれないことがあります。

もしもそのような場合は別の子のIDを確認することでその子の処方内容を確認できますので、

お申し出ください。

よろしくお願いいたします。