先日、こんな光景を目にしました。
駅前の交差点。
時間は、午前10時頃だったでしょうか。
信号が青に変わり、横断歩道を渡っている私の横を、
その女性は、道路を渡り終えてすぐ、方向を変えました。
そこまでなら、
こんな所に自転車停めるの?
と、違和感を覚え、一旦は通り過ぎましたが、
すると、杖をついた男性が、
当然、そちらの横断歩道はまだ赤です。
車も混雑はしていませんが、少なくもない時間帯です。
男性は、まだ60〜70代位で、左半身に麻痺がありました。
実はこの方、地元でよく見かける方でした。
おそらく、脳梗塞かなにかを患ったのでしょう。いつも杖をつき、
左手は拘縮しており、歩くのは大変そうですが、
いつもお一人で歩いており、私が見かけるのはここ一年位ですが、
午後は疲れもあるのか、
(そう、朝も昼も夕方も歩いているのです・・)
女性一人では危ないと思い、とっさに私も路上に出ましたが、
女性『赤信号だから、赤信号!危ないから、ほら早く、早く!!』
男性『うるさいんだよ、分かってんだよ。
よく見ると、男性の杖をついている方の腕を女性が掴み、
介助としては最悪でした。
女性がかろうじて動く右側の腕を取ることで、
そして、焦る女性、ジャマすんなと思っている男性、
とりあえず、その年配女性に、
『手を離した方がいいですよ、かえって歩きにくいと思いますよ』
と声をかけ、男性には
『ゆっくりで大丈夫ですよ』とお話しました。
無事10秒くらいで、残りを渡り終えて、
まあ、余計な事をして、というお気持ちだったようなので、
私も、一応『お気をつけて』とだけお声をかけましたが、『
こんなやりとり、病院ではしょっちゅうありましたから、
私はどちらの気持ちも分かるような気がするので、複雑でした。
男性はおそらく、割合若くして病に襲われ、
状況から見て、だいぶ回復されたのでしょうが、
ただ、年齢がお若いこともあり、
そこに、自分より高齢の女性が、
ただ、助けに入った女性からしてみれば、赤信号のど真ん中を、
放っておけるはずもありません。
親切心と使命感から、危険な路上に出たものの、
助けに入る方は、状況をもう少し把握するべきでしたし、
まず、一声『大丈夫ですか?』
助けを必要としていれば、表情でわかります。
高齢化が進み、自宅へ帰される患者さんが増えたせいでしょうか、
ご夫婦でリハビリ散歩をしていたり、
比較的若い男性に多いような気がします。
救命率があがり、命は助かったけれど、
見ず知らずの人ですが、手助けが必要そうな場合は、
また、助けてもらった方も、決して望んだわけでもなく、
横断歩道は余裕を持って渡って頂くのが一番ですが、