当院でアトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹、乾燥肌の治療をされている患者さんも
おかげさまで徐々に増えてきました。
でも、塗り薬の使い方で戸惑われている方も多いようです。
今回は「わかば式アトピー性皮膚炎治療マニュアル」の勉強会の中から
塗り薬の使い方について簡単にお話をしていきたいと思います。
もしも詳しいお話を聞いてみたい方は勉強会にご参加くださいね。
当院のお薬の塗り方はいわゆる成育方式を取っています。
他の病院とは少し違う塗り方をしています。
その理由についてお話をしていきましょう。
まず、そもそものアトピー性皮膚炎についてですが、こちらは体質と周囲の環境が影響します。
つまり、家族にアトピー性皮膚炎の方がいると発症しやすい。
皮膚のバリアを司る遺伝子に問題があれば発症しやすい。
ということもご存知の方は多いでしょう。
また、周囲の環境との関連についても、冬になると乾燥するという話があるのも理解できるのではないでしょうか。
遺伝子も全身の皮膚に影響しますし、環境も全身の皮膚に影響するのです。
そして、全身の中で刺激を受けた部分に湿疹ができるのだと考えられます。
ということは・・・
何もない皮膚に湿疹ができてくるのではなく、弱い湿疹が出ている皮膚の一部に強い湿疹ができる。
ということになります。
実は乾燥し、粉を吹いている状態で既に顕微鏡では湿疹ができ始めていることが知られています。
そうなると、治療方法も変わります。
何もない皮膚に湿疹が出来るのでしたら「保湿剤+ステロイド」で十分でしょう。
しかし、弱い湿疹に強い湿疹ができているわけですから、保湿剤では不十分です。
実際に薬を塗るのをやめると、すぐに湿疹が出来てしまうのもそういうわけです。
つまり、「弱いステロイド+強いステロイド」という形で塗り薬を使っていく必要があるのです。
当院ではこの「弱いステロイド+強いステロイド」を「下地+上塗り」と呼んで使っていくのです。
もちろん症状が落ち着いている子には保湿剤も使いますが。
次のお話は下地と保湿の使わいわけのお話です。