開業して、9ヶ月が経ち最初の年末がやってきます。
多くの患者さんの診察を行いましたが、意外に多いと思ったのが、トコジラミでした。
すでに数人の患者さんを見ています。
今までほとんど診察していなかったのにね。と思い、色々と原因を考えてみました。
多くはその地域の状況に依るのでしょうね。きっと。
トコジラミ。南京虫(ナンキンムシ)と言った方が通りがいいかもしれません。
この虫は小さな虫です。大きさは米粒くらいでしょうか。
黒っぽい色をし、普段は扁平な円盤状の形ですが、ヒトの血を吸って丸くなります。
一般に古くなった住居に棲むことが多いようです。
問題は、その古くなった住居。というところです。
この住居の築年数はその地域が開発された時期によって、大きな格差があります。
東京という街の開発状況に大きく依存するところがあります。
吉祥寺が開発されたのは戦後すぐのことでした。
そうすると、昭和30年台頃に建築された建物は現在築50年くらいになります。
逆にバブル期直前の時期に建築された建物はまだ築20年と少し位です。
つまり、その地域の建物の老朽化の度合いとトコジラミの発生率には関係があると考えられます。
もう一つ、トコジラミの発生要因が有ります。
そこに住んでいる人の年齢です。
一般に築年数の高い住居に住んでいる方は、高齢者である傾向があります。
高齢者と若年者の違いはいくつか有りますが、
まず、症状の出方が違います。
同じ虫に刺されても一般には若年者の方が早く、強く症状が出ます。
これは免疫状態によって決まることなので、仕方ないのですが・・・
また、静的視力、動体視力のいずれも高齢者になると衰えてきます。
そのために「虫を視る」ことができなくなってしまい、結果的に発見や診断がおそくなってしまいます。
高齢化社会の問題は現在色々なことが言われています。
このトコジラミを始めとする環境害虫の問題も注意してみる必要がありますね。