なんかタイトルが小難しいお話になっていますが、簡単にまとめると
「なにか災害が発生したときに治療を継続できるようにしておきましょう」
というお話です。
今年のお盆休みは宮崎県の地震に始まり、台風に終わるといったところでしょうか。
神奈川の地震もありましたね。
ということで災害時の備えについてきちんと考えなければと思った方もいるかも知れません。
今回のお話はアトピー性皮膚炎の災害時の対策についてです。
ウチでのお話が主体となりますので、参考に留めていただき、
それぞれの主治医の先生に相談してくださいね。
アトピー性皮膚炎で災害時に問題になるのは全身療法との関連でしょうか。
定期的に注射を打つ必要がある、そして打たないと湿疹が一気に悪化する
という状況に被災すると追い込まれる可能性があります。
そして、こちらは災害時だけの問題ではなくて、治療提供者側についての問題も提起します。
実際に昨年起こった事例ですが、全身療法を処方している皮膚科の先生がお亡くなりになった。
そのために全身療法を継続できずに困ってしまった。
というケースも起こりました。
今だと、そういった突然死のような状況だけではなく、新型コロナの後遺症。などということも考える必要があるでしょう。
では全身療法のリスクはどこに有るか?
それは在庫管理にあります。
内服にしても注射にしても、手許にどれだけの薬を用意しているか?
がポイントになりますね。
つまり、手許がゼロなら次の注射時期までしかリミットはありませんが、
残っていればその本数だけリミットは伸びます。
つまり、一番脆弱なのは、
「院内に定期的に受診し、注射を行っている患者さん」
ということになるわけですねえ。
今回のお盆のあれやこれやを見て、今までは対応を取っていなかったこのリスクについては
(どうするかはずっと考えていましたが)
今後積極的に対応を取っていくことにします。
処方箋で薬をもらっている方はできればお早めに受診していただくこと。
こちらは今まで通りになります。
※なお、最大3ヶ月分までの処方であることはあらかじめご了承ください
内服についても同様、1ヶ月毎に受診をしていただく形になります。
最長で手許には1ヶ月分の薬剤が用意できる形になります。
変更するのは当院で注射を打っている患者さんです。
こちらについても注射薬を3ヶ月分処方させていただきます。
そして、毎回通院時にどこまで自己注射ができるか確認をし、
自分で出来るとことまで進めていく形に変更させていただきます。
もちろんそれで自己注射が出来るようになればそのまま自宅で注射していただいて構いません。
また、3ヶ月分まとめて処方することにより、以下のメリットが生じます
・予約変更の電話をしなくても済む
・発注ミスで受診時に注射薬が届いていない可能性はなくなる
・まとめて処方することで高額療養費の対象となる可能性がある
という所がメリットになるかと思われます。
日本、東京が災害の大い土地であるというのはもう逃れられない宿命のようなものです。
であるならはそれを真正面から受け止めて、しっかりと対策をしていったほうが良いのではないかと思うのです。
運用の変更についてご理解をいただければ幸いです。