さて、今回から夏のスキンケアの話をしていきましょう。
スキンケアの中でも最も大事なのは洗うこと、流すことです。
これ、冬場は保湿でしたから冬と夏で全く逆のことが必要になるわけですね。
奥が深いです。
年齢が上がると一般的には冬よりも夏の湿疹のコントロールが悪くなるようです。
原因ははっきりしませんが、多分汗かと考えられます。
まあ、汗をかくことはやむを得ないことなのですが、その汗がずっと皮膚に残ること。
それが刺激となり、湿疹を誘発させることになります。
大体年中さんくらいが冬と夏の境目でしょうか。
もちろん、もっと小さい子でも汗疹(あせも)は夏場に頻繁に見られます。
これが原因となり、「とびひ」になったり、カビが付いたりと
こちらもトラブルの宝庫と入れる状態。
つまり、夏のスキンケアの大きなポイントは「汗」ということになります。
ではどのように対処すればよいのでしょうか?
先程も書いたとおり、汗をかくのはむしろ当たり前のことであり、
抑えることを考えるのは難しいようです。
とすると、対処ポイントは、皮膚の表面の汗をどのようにして
流していくことができるのか?
ということがポイントになるわけです。
対応策の中で一番簡単で効果があるのはシャワーです。
いつでもできるのがありがたいところです。
回数制限もありません。
ただし、設備のあるところでした行えないのが残念なところ。
回数制限?ありませんよ。
汗をかいたと思ったら行う。
そんな感じで構いません。
一般的な汗の出方やスキンケアの状況を考えると
・朝、起きたあと
・昼、昼食後またはお昼寝後
・外出後随時
行うくらいがコストを考えると現実的でしょうか?
可能でしたら追加しても構いません。
また、お風呂場で水遊びすることもシャワーの代用になるでしょう。
汗さえ流れればいいので。
と、ここまで書くといつも聞かれるのが、
「拭くだけでもいいですか?」
というものです。
まあ、全く何もしないよりはいいんでしょうけど、
どうも拭くだけでは洗うよりは効果落ちるようです。
時間がどうしても取れないときにというくらいの意味合いでしょう。
では、どのようにして洗えばいいのか?
答えは簡単です。
頭のてっぺんから、足の先まで汗を洗い流してあげる。
それだけです。
ここでのポイントは頭も流すこと。
頭部は体表面積に比べて汗の出る量が多い印象があります。
また、意外に頭をひっかく子が多いこと、
おでこの汗疹も多く見られることがあります。
なので、頭の中もしっかりと流す必要があります。
また首、脇、肘、膝などの関節部分も汗疹の多発地帯ですので、
予めシャワーで汗を流すといいでしょう。
手足や躯幹も当然ながら流しておきたいところですし、
おむつの中もかなり蒸れますので、流してあげたほうがいいでしょう。
最後に石鹸についてのお話です。
石鹸をシャワーのときに使用するべきか?
実はこれは結構難しい問題になっています。
石鹸を1日に複数回使用することについてはさまざまな意見があります。
当院では一般的には1日1回で十分とお話していますが、
例外もあります。
とびひの部分は1日3回石鹸を使用することが必要とお話をしています。
皮膚表面にて増殖した細菌を洗い流すことが治療の上では必要ですから。
では汗疹はどうしたほうがいいでしょうか?
この答えですが、「どんな汗疹かによって決まる」と答えるしかなかったりします。
というのも、汗疹を見ているといくつかのパターンに分類することができるからです。
そして、そのパターンごとに原因が異なり、対処法も異なると考えられるのです。
ということで今回のお話はここまでです。
次回は汗疹のパターン分類と対処法についてお話をしていきましょう。