わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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コスト

なぜヒルドイドを顔に使用するのが良い方法なのか? 理論的に皮膚科医が考えてみた

今回もヒルドイドのお話です。

もう少しおつきあい下さい。

 

今回の問題のそもそも論として

「どうしてヒルドイドを顔に塗るのが良いのか?」

というお話を、広告する側にたってお話しましょう。

 

なぜか、一つはお金の問題もあります。

ブログなり、まとめサイトなりで記事を書き、それを公開すれば

閲覧する人も出てくるでしょう。

そして、そこに広告なりアフィリエイトなりを出せば、それをクリックしてくれる。

だから、そこから収入が得られる。

というわけで皆さん記事にするのですね。

・・・WELQと一緒だネ!

でも、ブログに広告を出す人が居なくならない限り、この図式がなくなることは無いでしょう。

WELQでも世間に知られたように、お金のために平気でいろいろなことを書く人がいるでしょうからね。

 

という話をしても、じゃあ、別の製品ではなくヒルドイドを薦めるのはなぜかということになるわけです。

これは今回の話のポイント、保険診療に絡んでくるんですね。

まず大事な点は、保湿剤のコストと効果は概ね比例する

(もしくはそうであると信じられている)

ということです。

実際はどうか知りませんが、一般的にはそのように受け取られる方も多いですし、

他の製品を見ていてもその傾向は当てはまりますね。

(私はパソコンを自分で組み立てる人ですが、コストと性能は明らかに比例する製品があります。CPUとかね)

つまり、図で表すとこうなります。

有るところから効果の増加率は落ちている理由についてはお察しください

(ほんとうはこんな折れ線ではなく、なだらかなカーブになります)

 

もう一つのポイントは保険診療において、自己負担は3割であるということ。

ヒルドイドも本来であれば上図の直線状に位置する(はず)なんですが、

3割負担なので、見かけ上のコストは下図の赤点部分に移動します。

つまり、この図から読み取れることは

「効果の割に安く入手出来る」

ということですね。

特に自分の子どもに処方してもらったものを勝手に使えば(これは違法です。)

コストゼロで保湿剤が入手できる!(上図オレンジ点部分)

となるわけです。

 

ああ、これはイイネとなるのですが、

本当に良いの?これは。

と考えてみて下さい。

 

製品のコストは当然ゼロでは有りません。

誰かがタダでご飯を食べた部分のコストは誰かが負担しているわけです。

 

今回の残りの7割は誰が負担しているかと言えば、それは保険組合。

皆さんの払った社会保険料から最終的には出ているわけです。

つまり、他の人の払ったお金です。

0割負担であれば残りの金額は地方自治体が負担していたりするわけですね。

つまり、全然知らない赤の他人です。

 

さて、少し考えてみましょう。

アナタが、見も知りもしない、赤の他人の美容液のお金を払わねばならないということになれば

どう思いますか?

 

そりゃあ腹もたつでしょうよ。

ということで、7割の負担を「させられた」保険組合が怒ったわけです。

 

 

安い割に効果の有ると言われるヒルドイドソフトなわけですが、

その裏にはお金を誰かが払っているという現実が有るのです。

 

この問題で将来的に保湿剤が保険で使えなくなった時に負担が増えるのは

アトピーなどの病気で一日中辛い思いをしている患者さんなんですよ。

これ、どうすんの?

 

子育てのコスト

という考え方があります。

このコストは金銭的なものだけではなく、時間的なものや、手間なども含むものです。

子育てにかかるコストは年々高くなっているという印象を強く受けるのですが、

今回もそのコストを更に押し上げかねない事件がありました。

 

2014年9月現在、神戸で起きていた女子児童の行方不明事件です。

この事件は、最悪の結果となりました。

 

「もう、小学1年生を一人で歩かせることができないのか」

というのが、現在の考えです。

 

同じくらいの娘を持つ親としては、非常につらいものです。

小学1年生は早く家に帰ってきますが、一人でお使いにも行けない。

図書館にすら一人で行くことができないのは自分が子どもだった時と比較すると、

やるせない気持ちになってしまいます。

(田舎で育ったので、都会育ちの人はまた違った感想をお持ちかもしれませんが)

 

小学生の外出に親が一緒に行く。

このことは親にとっても非常に負担になるものです。

物理的に時間が取られます。

10分お出かけするのに準備も合わせて30分かかるわけです。一人で準備させるにしても。

(実際は面倒を見るので更に時間がかかる)

また、現在行っている作業を中断するので元に戻すのに更に時間がかかります。

 

実際に子どもの付き添いに出かける以上に作業は滞ることになります。

 

人出があればいいって?

どこにありますか?

祖父母が近くにいればいいでしょう。でも、そうじゃないひとは?

共働きの人は?

下に小さな子がいる親は?

(下の子の準備をするのにも時間が取られるのです)

「じゃあ、どうすればいいのさ?」

というのが、現在の心境です。

 

・・・これ、社会に対してもいいものではありません。

子どもを育てるのに手間がかかる。

まあ、これは当たり前かもしれません。

でも、今まで一般的には「手がかからなくなり始めた」

と認識される小学生になっても、現在以上にコストを掛けなければいけない。

ということになれば、どうなるのか?

 

いくつかの影響は出てくるでしょう。

まず、社会の労働力は減ります。確実に。

これは自分の経験からも明らかです。

というのも、人材募集の時には結構応募があるんですよね。

小学生の子を持つお母さんの。

これらの人は社会に出て仕事をすることが難しくなってしまうでしょう。

 

もう一つの影響は、出産の問題です。

もう子どもは産まないよ。最初から子どもを作らないよ。

という流れになる可能性もあるでしょう。

だって、そうですよね。子育てに余計時間を割かねばなりませんから。

出産を希望しない。子どもの数を増やさない。

という変化が起きる可能性もあると思います。

 

一人の親としても、子どもに携わる職業に就いていることを差し引いても

頭の痛い問題です。

転勤医師のための荷物収納術2 空間のコスト

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さて、医師のための荷物収納術の2回めです。

今回はまず、荷物のコストについてお話を進めていきたいと思います。

 

コスト、大事ですよね。

医師にとっては当たり前のように聞く話ですが、

部屋の一つが医学書及び雑誌で占拠されているという話があります。

幸いにしてまだ医学書で床が抜けたという話は聞いたことがありませんが、

多分、床が傾いたり、かしいでいるというのは十分にありうるでしょう。

また、一般に医師は本好きな人も多いですから、更に専門書以外の書籍も加わることになります。

 

ここで考えたいのが空間のコストです。

実際に書籍をおいておくことにより、どれだけのコストがかかるのか考えてみたいと思います。

さて、取り出したるは1冊の文庫本です。

縦15cm,横10cm,厚み2cmの本で660円でした。(計算を簡単にするために概算値を出しています)

このコストを計算してみましょう。

対象となる物件は吉祥寺です。おや、クリニックの上の物件が空いていますね。

24.83平米で月7万8千円です。でも、バス、トイレなどがあるので、実際に使えるのはその1/3と言ったところでしょう。

部屋の高さ2.5mと仮定して、文庫本1冊の占めるコストを考えましょう。

ちょっと計算してきます・・・・

 

 

 

 

 

出ました。

年間0.5円かかっています。

さて、660円の文庫本に対して年0.5円の維持費です。

大体年率にして0.1%を少し切るくらいでしょうか。

 

もちろん、この中には機会損失のコストは考えていません。

機会損失とは、その行為をやめて(今回は本をおいておくことですね)そこに別の物をおいておくことで

得られたかもしれない利益のことです。

 

いかがでしょう。

そして、その本を年に1回見ることもなかったら・・・

と考えると、結構空間のコストがかかっていることが理解できるのではないかと思います。

言い換えましょう。空間対効果は悪くないでしょうか?

もちろん、その本はなによりも大切なモノだと考える方も居るでしょう。

そのようなものはしっかりと取っておけば良いのです。

問題は、そこまで大切ではない本についてなのです。

前項でお話した、たまにしか見ない医学雑誌なども当てはまるかもしれません。

 

では、どうすれば空間のコストを下げることができるのかを、次に考えていきましょう。