わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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ガン

ガンにはそれぞれ「クセ」がある

そのような話を聞いたことがあります。

研修医の時だったかな?学生の時だったかな?

ということを思い出しました。

もちろん皮膚科の領域のガンにもそれぞれクセがありますよ。

 

さて、今日のニュースで出ていました、ガンの生存率について。

ニュースではさらっとだけでしたので、実際にデータを覗いてみました。

こちらです

それぞれのクセが良く出ていますね。

 

一般的には生存率の曲線というものは最初は急激に下がり、

ある程度のところでフラットになっていく特徴があります。

というのも一般的に転移再発が起きるリスクというのは時間の経過とともに

低くなるからなんですね。

細胞の異常で無軌道な増殖がガンですから、増殖率が高い細胞が残っていれば

短時間で再発すし、低い細胞であれば再発までの期間が長くなります。

ただ、増殖率の低いガンというものは言葉遊びみたいなもので、

それだったら寿命の方が先に来る=ガンでなくなることがない。

ということになりますよね。

したがって、最初は再発率の高いガンでも時間が経過するにしたがって再発しなくなるわけです。

 

でも、見ていると、一つだけ、その傾向から外れるガンがあります。

乳ガンです。

いつまでたっても生存率の傾きが低くならず、同じペースで下がっているのが見えます。

他の臓器とは全くちがう傾向があります。

 

そういえば、学生の時にもそのように習った気がします。

乳がんは20年たっても再発する。

と。今でも理由はわかっていないのでしょうかねえ。

 

ガンの治療前にまず考えること

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まず、すべてのガンでなくなった方のご冥福をお祈りいたします。

 

最近のニュース記事を眺めながら、気になった事が一つあります。

ガンの治療についてです。

 

治療は「何をすべきか」考える前に、一つ注意すべきことがあります。

もちろんガンに限らずすべての病気について同じことが言えるのですが、

特にガンについては非常に重要な注意点になります。

 

それは、「治療を待てるのか?」です。

治療を待つことが出来るのか?もしくは待つ余裕がないのか?

これは非常に大きな問題になります。

待つ余裕の無いものであれば治療法の選択に時間をかける余裕は有りません。

逆に急がなくても良ければじっくりと治療法を検討できるのです。

 

ガンにかぎらず、治療法をどうするのかは大きな問題となります。

選択肢が多ければそれだけ難しい問題になります。

今、すぐに出来る治療法の他にも、どこかにより良い治療法があるのかもしれない。

ひょっとしたらベストな治療が受けられるのかもしれない。

と考えたくなるのは当然のことでしょう。

でも、ここに時間という考えを忘れると大きな落とし穴に嵌ってしまいます。

 

どういうことか?

治療法を探し、検討しているうちに時間切れになってしまう可能性があるのです。

 

治療法と治療効果だけを考えたら

何もしなかった場合<すぐに出来る治療法<どこかに有る治療法

ですよね。

でも、待てない病気だったらどうなるでしょうか?時間軸を追加して考えた場合は

すぐに出来る治療法>何もしなかった場合=どこかに有るかもしれないけれど探せなかった治療法

つまり、治療をしなかった場合と、見つけられなかった場合はイコールになってしまいます。

つまり、最悪の結果が待っているのです。

この場合の最善の方法は、すぐに出来る治療法を今すぐ始める場合になるんですね。

 

この時間軸についての考えかたは医療者の側からすると、あまりにも当たり前の事になります。

逆に当たり前すぎて患者さんにその考え方が伝わらないことも多いのです。

この、待てるのか待てないのかについては難しい問題です。

待てるにしても、どのレベルで待てるのかも異なります。

数週?数ヶ月?数年?

と、また話は変わってくるでしょう。

 

ただ、治療法をどうするか考える際にはどのくらい待てる。言い換えれば悩むことが出来るのかは

今後を左右する上で重大な問題になりますので、

もしもわからない場合は、主治医の先生に確認してみたほうがいいでしょうね。

 

難しい問題ですが・・・