わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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夏の病気

汗疹の原因、3つの「お」

昨日に引き続き、今日も汗疹のお話です。

今週から一気に増えましたからね。

 

汗疹を疑った時にこちらがお話を聞ながら確認していることがあります。

一言でいうと、3つの「お」

何かわかりますか?

 

この3つの「お」ですが、正解は

「お風呂、お布団、お洋服」です。

難しいお話ではありません。

 

まずはお風呂。

汗疹が最も良く見られる場所はお風呂です。

まあ、他の場所でも出ているのでしょうが、裸のために見つけやすいんでしょうね。

お風呂の後に小さな赤いぶつぶつが背中に出てきました。

というのは、よくあるストーリーかと思います。

その時に必ず聞くようにしているのがお風呂の温度。

聞いてみると多くの方のお風呂の温度が高いのです。

高いと言っても40度、41度であり、大人にはちょうどいい温度ですが、

(中には43度という強者もいました。江戸っ子ですねえ。)

小さな子にとってはそれでも温度は高いのです。

できれば、水風呂から温水プールの温度まで下げてあげましょう。

入浴後に汗をかいている時にはお風呂の温度も考えてみてください。

 

ついで布団。

こちらも厚くかけているお母さんが多いようです。

布団を蹴飛ばしていると、再度布団をかけ直す。

実はあまり良いことではありません。

自分で暑くて布団を蹴飛ばしているのに、再度かけられてしまえば

より暑くなってしまいますよね。

そして、汗疹を作ってしまいます。

布団をかけすぎていないか?蹴飛ばした後にかけ直していないか?

かならず確認してみましょう。

 

最後に洋服です。

特に男の子に多いのですが、とにかく洋服を脱ごうとしない。

そのせいで汗疹ができることが多くあります。

暑くなったら脱がせる、寒くなったら着せる。

というように周囲の環境に合わせてこまめに枚数を調節してあげてください。

 

この3つの「お」を上手にコントロールすることにより、汗疹の予防をしっかりとしてあげてくださいね。

 

最高気温が30度を超えたら汗疹が増えた?

皮膚とは人間の体の一番外にあるもの。

そのため、環境の影響を強く受けるものです。

なので、環境の変化により、皮膚の症状も現れるのです。

今回はそんなお話です。

 

開業して2年目になりました。

昨年の様子はあまり良く覚えていませんが、今年の汗疹は先週から一気に出てきたようです。

どうも、気温が30度を超えると出てくるようですね・・・

 

どうしても今までの気温の状況に併せて生活を組み立てるために、

ある日突然、一気に気温が変化すると体の方がついてきてくれないようです。

 

25度を超えた時には一時的にとびひが増えました。

しかし、その後ぱったりと出なくなりました。

多分これは洋服のせいなのでしょう。

春の厚着に夏の天気。そのために大汗をかいてトビヒを作ってしまったのでしょう。

でも、最近の暑さが続くことで薄着にしたり、シャワーをしたりとその環境に併せてスキンケアを変えた。

そのためにとびひがでなくなったと考えます。

 

今回の汗疹についても同様かもしれません。

今週来週くらいは多いかな。

でも、しっかりとエアコンを使うようになれば少し減るかな。

と考えています。

 

 

あと、一つ思い出しました。

汗疹のピークは8月下旬でした。

みんな帰省後に汗疹を作ってきた印象があります。

そういえば、お話を聞いたら、みんな里帰りしてエアコンを使っていなかったそうな。

 

夜寝るときには窓を開けて

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暑くなってきましたね。

 

こんな季節、アトピーや乾燥肌の診察をしていてよく聞く言葉に

寝入りばなに引っ掻いてしまって・・・

というのがあります。

今日はそんなお話です。

 

さてみなさん、子どもはどこで寝ていますか?

寝室?いま?

一人で?家族と一緒に?

人によってはお父さんのみ違うお部屋でという方もいるかもしれません。

 

寝入りばなに引っ掻いているという方の多くは家族が一緒に寝ているようです。

まあ、そうですよね。誰かが見ていて初めてわかりますからね。

 

その時に気をつけて欲しいのはその部屋の温度と湿度です。

上がっていませんか?

 

子どもは熱を出す生き物です。

いや、発熱するというわけではなくてね。

そもそも基礎代謝が活発であるということから基礎体温も高く、

部屋にとっては熱源となります。

また、汗も多く書きますので、これも湿度を上げる原因となります。

 

そう。子どもが部屋にいるとそれだけで周囲よりも暑くなってくるのです。

そして、暑くなってしまい、自分で引っ掻いてしまうんです。

 

では、周囲よりも高くなった温度と湿度をどうすればよいか?

答えは簡単。周囲の空気と熱を交換させればいいのです。

具体的には?

ドアを開けて廊下と空気が流れるようにしてあげる。

窓を開けて外気と空気の流れを作ってあげる。

ということが対応策となります。

もちろんエアコンを使ってあげてもいいんですよ。

扇風機で周りの部屋に空気を逃してあげても構いません。

 

それだけで、部屋の温度と湿度は大きく下がります。

子どもに取って快適な環境になりますので、すぐに寝てくれるでしょう。

それこそ引っ掻いている暇もないくらいにね。

 

また、より温度や湿度が上がったらどうするか?

今度はエアコンの出番です。まず、送風、次にドライを試してみてください。

それだけでも全然違ってきますから。

 

 

今日も我が家の寝室の窓は朝まで開けっ放しでした。

親が閉め忘れたんですね・・・

まあ、よく眠れたからいいとしましょうか。

運動会の後に皮膚が赤く、痛くなったら・・・

運動会シーズンですね。

先週の日曜日もいろいろなところで運動会が行われていたようです。

今週末も多分、たくさんの運動会が開かれるのでしょうね。

 

運動会が終わった翌日から悩まされるのが、日焼けです。

そうですよね、5月の下旬と行ったら一年の中でも紫外線がかなり強い時期に当たるわけです。

その中、1日中外にいれば日焼けもするってぇものです。

 

日焼けの炎症は大きく2つに分けることができます。

熱エネルギーによるやけど、

紫外線による炎症

と考えるとわかりやすいでしょう。

 

やけどは読んで字の如くです。

ひどい人では水ぶくれになることもありますからね。

紫外線による炎症も同じようなものと考えて良いかもしれません。

 

つまり、皮膚の表面では炎症とヤケドが同時に起きているような状態です。

 

なので、一番簡単な対処法はとにかく冷やすこと。

シャワーや水風呂で物理的に温度を下げてしまいましょう。

保冷剤や氷嚢を使ってもいいでしょう。

人間の体内で起きているすべての活動は突き詰めてしまえば化学反応です。

昔、学校で習ったとおり化学反応には温度が重要な役割を果たします。

温度を下げれば反応は弱くなります。

一般に人間の体内で起きる反応も温度が下がることで一気に弱くすることができます。

したがって温度そのものを下げることは対処として有効なのです。

 

しかし、ここで注意を一つ。冷えピタシートでは物理的には温度が下がりませんのでご注意を。

 

また、皮膚の炎症に対してはステロイドの塗り薬も有効です。

ヤケドによるひりひり感や炎症による赤みもすべて落ち着けてくれるすぐれものです。

治療にかかる期間も数日間だけですから、副作用の心配もほとんどありません。

安心して使っていただいて構いません。

治療後に皮膚の色が黒くなることがありますが、こちらは薬の副作用ではなく、

炎症やヤケドに友なものですので、ご心配なく。

 

それでは、運動会にいってらっしゃい。

 

 

あ、前回の記事の追記です。

日焼け止めを塗り忘れるところとして、頭のてっぺんがあります。

丁度髪の毛の分け目の部分にかなり日焼けができますので、

そこにも日焼け止めをしっかりと塗りましょうね。

虫除けは場所で考える

虫の季節がやって来ました。

すでに蚊に刺されましたよ・・・

成育医療センター前のバス停は蚊の多発地帯です。

多分、東京で一番蚊に刺された場所はそこでバス待ちをしている時に刺されているのだと思います。

まったくもう・・・

 

ということで最近虫除けについて相談を受けることが増えました。

どのように虫除けをつければいいのかというお話です。

 

虫除けは大きく2つに分けることができます。

アロマ系

DEET

です。

 

いずれも揮発して効果を発揮するものになります。

したがって、塗る際には一番外側に塗る必要があるのです。

しかし、皮膚に塗る以上、どうしてもかぶれの問題がつきまといます。

最も使いたい乳幼児は最もかぶれやすい体質ですので、これは悩ましい問題となります。

また、使用上の注意をよく読んでみると、乳児には直接付けないように書かれていることも多いのです。

 

じゃあ、どうしたらいいのさ!

と思ったことはありませんか?

 

解決策はいくつかありますが、簡単なものからお話をしていきましょう。

 

まず塗る虫除けは使わないのです。

逆にシールやバンド、器械式の物を使います。

 

それを、直接乳児にはつけない。

抱っこ紐のバンドに括りつける、

ベビーカーのフレームに括りつける。

そのようにすることで、ある程度の虫除け効果を発揮しながら、

赤ちゃんの皮膚に対する直接の影響を最小限に留める事ができます。

 

是非試してみてくださいね。

 

夏の終わりにとびひが増えるのは、やっぱりエアコンのせいだと思う

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今回はこの人の話です。

 

夏休みも終わり、そろそろ秋の声が聞こえてきたような気がする今日このごろです。

と言うか、先週の台風の後は完全に秋が来たような気がしますね。

 

毎日診察をしていると、病気のはやりが見えてきます。

8月の下旬に少しへったとびひが9月に入って明らかに増えてきました。

これはなぜかと考えて居たのですが、まったく見当もつかず、

夜中も考えながら寝落ちしていたのですが・・・

 

朝に起きてみて、周りを見渡してみて、ピンときました。

「エウレカ」

と叫んだアルキメデスの気持ちが分かりました。

(いや、ユリイカでも、ユーレカでもいいんですけどね。)

 

エアコンなんですよ。きっと。

エアコンはエアコンでも、みんなつけるのをやめてしまっているんです。

それで、夜間の室温が上がり、汗をかき、とびひができやすくなってしまう。

もしくはとびひが広がってしまうのでしょう。

 

というわけで、エアコンのスイッチはもう少しつけておいたほうがいいでしょう。

または、ドアを開けて、周囲の空気と上手に循環させてもいいのかもしれません。

 

室内の環境管理の難しさを思い知った話でした。

 

帰省して、増える皮膚病、減る皮膚病

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お盆も終わり、学生の皆さんは夏休みの最後にむけて宿題のラストスパートでしょうか。

当クリニックもお盆休みを終え、スタッフ一同、気力を再充填して毎日診療にあたっております。

 

さて、子どもたちが実家に帰省し、あるいは旅行に行って来たあと、当クリニックを受診すると

お肌の状態が随分帰省前と異なる子がいます。

特にいくつかの疾患が増えた印象があります。

何故なのかも合わせて見てみたいと思います。

 

1)汗疹

特に背中、肘や膝の汗疹が増えた印象があります。

2)とびひ

これも明らかに増えたのではないでしょうか。

3)湿疹

意外に悪くなる方もいます。

 

この2つは、生活パターンやスキンケアの習慣が崩れたためにできたのでしょう。

毎日、お風呂やシャワーを浴びていたのが、交通機関に乗っている間は出来ない。

実家に帰った場合は、その家人との時間の都合が合わずにケアできない。

あるいは、色々なところに出歩くためにケアの時間が取れない。

時には、エアコンなどの冷房設備がそもそもない。

実家にいるペットやいつもと違う環境の抗原に反応してしまう。

など、様々な原因で東京でのケアと同じだけの密度でケア出来ないこともあります。

・・・実家がトトロの家みたいって言われたこともありましたねぇ。

 

 

逆に減った皮膚病もあります。

手足口病はお盆前の患者さんの数がウソのように減少しています。

病気は広がるためにはある程度の患者さんの密度が必要です。

東京都で8月上旬まで広がっていたのは、その密度が十分に高かったのでしょう。

しかし、規制することで患者さんの密度が下がったために減った可能性は有ると思います。

・・・ただ単にみんなすでにかかってしまったからかもしれませんが。

 

8月の民族大移動。

色々なところにその影響は見えてくるのかもしれません。

非常に興味深い話だと思います。

手足口病は、落ち着いた・・・か・・・な?

続続手足口病のお話です。

 

最近、手足口病で受診される患者さんの数は減ってきたようです。
でも、いままでの毎日2人レベルだったのが、2日に1人レベルですから気が抜けません。

 

もう一つ、問題が。

 

子どもたちがみんな東京から地方に脱出しているのです。
多分、それで患者さんの数が減っているんだと思いますが、
逆に、地方に手足口病を拡散することにもなるんじゃないかと
少し心配しています。

 

お盆明けにはどうなっているでしょうか・・・

手足口病が流行っています

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手足口病が流行っているようです。

東京都の感染症情報センターから、警報が出されました

ニュースにもなっているみたいですね。

 

当クリニックにも先週一人、今週一人患者さんが受診されました。

今年の手足口病の特徴をいくつか上げると・・・

 

1)全身の症状が強いこと

一般に手足口病といえば、その部分にしか症状が出ないという印象があります。

しかし、今年の手足口病の症状は全身にできることが特徴です。

体や手足に血豆みたいな水ぶくれがたくさん出来ます。

そして場合によってはそれが破れてじくじくすることもあります。

特にできやすいのはおしり、膝など。

もともとおしりは一般の手足口病でもできやすい部分ですが、今年のは特に数が多い印象があります。

また、痛みがあったり、痒みを感じることもあります。

逆に、手のひら、足のうらの発疹の数は少なく、症状も弱い印象があります。

手のひらに1個。足の裏に1個しか発疹が出ていないのに、体には100個以上も発疹が出ている。

果たしてこれを手足口病と呼んでいいのだろうか・・・と考えこんでしまいます。

 

2)治った後に爪が剥がれること

手足口病の原因ウイルスはいくつかあります。

今回は、その中でもある種のウイルスだろうと考えられています。

そのウイルスからの手足口病に感染すると、

症状が出てから数週間後に手や足の爪がポロリと剥がれることがあります。

痛みは無いので安心ですが、びっくりしますよね。

でも、この剥がれた爪は新しく再生することがほとんどのようですので、ご安心下さい。

 

 

夏は感染症の季節です。

手足口病の影に隠れていますが、水痘や伝染性紅斑で受診された方もいました。

また、まだ風疹も流行は続いているようです。

毎日、しっかりと石けんでの手洗い、うがいとプールのあとの目洗いもしっかりとしましょうね。

夏の夜の不思議な蕁麻疹

シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇 (ちくま文庫)

毎年、ジメジメして厚くなるとこの不思議な蕁麻疹のことが頭をよぎります。

 

一般に、蕁麻疹は風邪などの感染症にともなって出ることが多いのです。

しかし、治療として蕁麻疹を抑える抗ヒスタミン薬を飲めばすぐに落ち着くことが多いのです。

 

しかし、ごく稀に、抗ヒスタミン薬がまったく効かない蕁麻疹が出ることがあります。

蕁麻疹の次の治療はステロイドの内服ですが、これもまた効果なし。

むしろ、全身状態が悪くなり、蕁麻疹は強く出てしまいます。

どんどん治療をしても落ち着かず、更に蕁麻疹が広がってしまう‥‥‥

まさに夏の夜の悪夢です。

最初に子の病気の患者さんを診察したときは半分パニックになりながら病院内を駆けずり回っていた

記憶があります。

 

このような蕁麻疹を起こす人にはある特徴がありました。

熱があること。腹痛や咳などのはっきりとした強い感染症の症状があること。

血液検査をすると、白血球やCRPといった感染症の症状がめちゃくちゃ強いこと。

このような特徴があります。

 

では、蕁麻疹はどうすれば落ち着くのか?

実は抗生剤を飲ませることなのです。

抗生剤を飲んだらすーっと、それこそあっという間に引いてしまうのです。

翌日には蕁麻疹は完全に消えてしまい、けろりとして患者さんは家に帰ってしまいます。

 

この不思議な蕁麻疹。

名前を「感染性蕁麻疹」と言います。

普通の蕁麻疹に比べて感染症が明らかに表に出てます。

一説には病原菌に対するアレルギーが強く出たものだと考えられているようです。

感染症の原因は様々ですが、腹痛、下痢などの消化器感染によるものが多い印象を持ちます。

 

季節も限定しています。

毎年、6月から7月の梅雨の終わりから夏のはじめに見ることがほとんどですが、

たまに9月から10月の秋雨の頃にも見ることがあります。

つまり、忘れた頃にやってくる。

 

「夏の夜の夢」というにはあまり格好のいいものではありません。

おっさんが救急部の中やら病棟の中やら騒ぎまわっているわけですからね‥‥‥

美しくない?まさに、そのとおり。