わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

スギ舌下免疫療法を始めるのは今がベストシーズンです

やっと花粉症も落ち着いてきましたね。

ヒノキももうちょっとでしょうか?

 

当院ではゴールデンウイーク明けから新規スギ舌下免疫療法の処方を開始しております。

どうしてもアレルギーを体内に入れるという治療法である以上、

花粉が飛んでる時期には開始できなかったわけですね。

 

舌下免疫療法で皆さんビックリされるのは治療期間です。

基本3年が必要です。

ただ、翌年から花粉症の反応は弱くなるかたがほとんどです。ご心配なく。

治療法の特性上、治療期間が長くなればそれだけアレルギー反応は抑制されますからね。

つまり、来年の花粉症の時期に反応を弱くしたいのであれば

理論的な治療開始時期は、今年のスギのシーズンが終わった直後ということになります。

つまり、今。がベストという結論になるわけです。

 

ことしスギ花粉症に悩まされた皆さん、治療を開始するのは今からがいいですよ。

ぜひご検討くださいね。

水いぼがかゆくなってきた時の対処法

今回も水いぼの話です。

さて、みずいぼを診察しているとときにはその部分がかゆくなってきたと言って

受診される方がいます。

そのような状況での対処法はどうしましょうか?というお話です。

 

こちらの対応ですが、それだけでは決まるものではなく、

より大きな「水いぼをどうするのか」という考え方から決めていく必要があります。

簡単にいえば、取るのか取らないのかですね。

 

水いぼを取るのであればある意味話は簡単です。

薬を塗ってかゆみを抑えながら一気に水いぼを取りにかかります。

かゆみを抑える薬はいわゆるステロイドの塗り薬になりますが、

長期であれば水いぼを増殖させる方向に向かいます。

しかし短期間であればその副作用はあまり問題にはなりません。

そして水いぼを取りきってしまえばおしまいですから比較的単純な話になります。

 

逆に水いぼを取らないのであれば話はより複雑になります。

選択肢は更に2つ。薬を塗るか塗らないかですね。薬は同じステロイドになります。

薬を塗ると決めた場合は水いぼが長期化する可能性は否定できません。

もちろん数も増えることになるでしょう。

逆に塗らない場合はかゆみを我慢するか、

飲み薬などでかゆみを抑えるか(あまり効果は高くはありません)

をしながら自然にかゆみと水いぼが引いてくるのを待つ必要があります。

時間はかかりますが手間も痛みも一番少ない方法ではあります。

 

ちなみに、水いぼが痒いときにはいくつかの可能性があります。

アトピーなどの別の湿疹がたまたま同じところに出た可能性。

もちろん汗疹もできやすかったりしますね。

水いぼのウイルスに対して免疫が形成され、水いぼが排除される過程である可能性。

(モルスクム反応と呼ばれます)

水いぼに細菌が感染し、いわゆる二次感染の状態になっている可能性。

などが考えられます。

まあ、最後のときは痛みや熱も出てくるので別の対応が必要になるのですが。

 

実は水いぼが痒いという状態は複雑な症状が入り混じっていることも多いので、

一度診察の上で方針を決めてしまったほうが良いかと思います。

 

新型コロナで自宅療養中に薬が欲しくなったら

まず電話くださいね。

 

現在新型コロナ感染症の主な対象は小さな子達に移ってきた印象があります。

それに伴い問題になるのは家族全員が自宅療養に追い込まれること。

そこで薬がなくなった場合にどうすればいいのかお話をしてきましょう。

 

感染症にかかること自体はもはや誰でも起こりうるものです。

どれだけ対策を立てていてもかかることはありますし、

予防接種やマスクができない小さな子であればなおさらです。

なので、新型コロナに感染した事自体に罪悪感を持って頂く必要は一切ありません。

感染しました。自宅療養中です。ほしいけど取りに行けません。

と電話で言っていただければ大丈夫です。

 

 

そのときに取りうる方法は2つあります。

オンライン診療と電話診療です。

とういんはどちらも対応しています。

いずれも一長一短があります。

 

オンライン診療はテレビ電話システムを使用して診察を行う方法です。

当院ではアプリを使用していますので、そちらのインストールが必要です。

また問診票を書いていただくなどの一手間が増えます。

またアプリの使用量などの追加コストがかかってしまいます。

しかし、診察時に得られる情報量は多く、双方の確認がし易いメリットがあります。

電話は逆に情報量が少ないのですが、簡単に行うことができます。

しかし音声のみのやり取りですので、処方ミスなどのリスクはオンラインよりも高くなります。

 

いずれの方法でも薬局には処方箋をFAXで送信し、後日処方箋の紙を郵送する形になります。

あとは薬局の方で遠隔で対応してくれるのか、配達してくれるのかの話になりますので、

そちらは薬局の方とご確認ください。

 

このような社会情勢下でもありますので、期間限定ではありますが、以上のような対応を取っています。

薬が無くなりそうだけども受診できないという場合はこのような方法も検討してみてくださいね。

水いぼをつまむときの優先順位の付け方

水いぼの季節がやってきました。

プール前に全部取っておきたい気持ちわかります。

なくしておきたいですよね。

ただ問題になってくるのは取る個数ですね。

多すぎると嫌になってしまうし、少ないと時間がかかってしまいます。

また、取るもの次第ではなかなか落ち着かないということにもなってしまいます。

今回は、水いぼを取る際の優先順位についてお話をしていきたいと思います。

 

当院独自の方法かもしれませんが、

水いぼを取る場合には1日あたり12個までと決めています。

これよりもおおいと取っている間に子供が嫌になってしまい、

結局来てくれないという事になってしまいます。

したがって優先順位を決めることはとても大事になります。

 

優先順位ですが、原則は

1)大きいものからちいさいもの

2)変化の無いものから変化のあるもの

となります。

 

大きいものを優先するのは人るは取りやすいからと言うのもあります。

もちろんちょっとでも盛り上がっているものはつまんで取れますけどね。

ただ大きいものはそれだけウイルスの量が多いということであり、

今後他の場所にもウイルスをばら撒いてしまう可能性も高いというものでもあります。

したがって感染拡大リスクの大きな、サイズの大きいものを優先したいところです。

 

次に変化の有無についてです。

水いぼ自体は皮膚の色は変わりません。ただ盛り上がっているだけです。

では色の変化はどのようなものがあるのか?

赤くなっているか否かを確認していきます。

赤くなる原因はいくつかあります。

まず、感染を起こしていること。細菌感染を起こしているわけですね。

こちら、取るときにはとても痛いです。

そして、取らなくても膿が出るかかさぶたになるかの変化を起こして

数日で消えていくことがあります。

もう一つは自分の免疫で認識され、炎症がおきていること。

この状態では自分の体が自分で水いぼを「敵」だと認識して攻撃を加えています。

そのために時間が経過すると水いぼを完全に駆除し、自然に赤みと盛り上がりはなくなります。

したがって慌てて対処する必要はありません。

最後に自分でいじってしまい赤いかさぶたを作っていること。

こちらも物理的に水いぼの中のウイルス量が激減しています。

またかさぶたになることで上記の炎症を引き起こします。

そのために消えてなくなっていくのです。

 

このように赤くなった水いぼは普通の皮膚色の水いぼに比べて何らかの変化がおきています。

多くはウイルスの量も減少傾向にあり、それに対してつまんで取ったときの痛みも強く出ます。

 

結論として、真っ先に取るべき水いぼは

1)皮膚の色をした大きな水いぼ

です。ついで

2)皮膚の色をした小さな水いぼ

3)赤くなっている大きな水いぼ

4)赤くなっている小さな水いぼ

の順となります。

 

水いぼのシールを貼る場所に悩んだときはこのような順番で貼っていけば良いのではないでしょうか?

あとは一気にとって一気に直してしまいましょう。

 

きょうのかゆみは何点ですか?

というような質問を最近はさせていただいております。

 

乾燥肌やアトピー性皮膚炎の問題の一つにかゆみの程度がこちらからはわからないことがあります。

実際にどの程度に感じているのか、なんとなくしかわからないんですね。

感覚なので仕方がないのですが、同じかゆみの強さがあったと仮定しても

それを強く感じる人、弱く感じる人がどうしても出てきてしまうのです。

当然ながらかゆみについては湿疹の悪化要因となります。

引っ掻いてしまいますのでね。したがってかゆみを止めることも大事になるのですね。

だた、問題はいままでかゆみの強さを直接的に測ることができなかった。

あくまでも湿疹の強さから間接的に推測することしかできませんでした。

 

ずっと悩んでいた問題なのですが、昨年からNRSという方法で解決できるか実際に行っています。

NRSとはNumerical Rating Scaleの略語ですね。

かんたんに説明するとかゆみの強さを0から10までの数字で示して貰う方法です。

痛みについて同様のことがなされているのを見たことがある方もいるかも知れませんね。

「海外ドラマで見たー!」

などど言われることもあります。

 

毎回外来でお伺いしますので、該当された方は予め考えていてくださいね。

なお、こちらの評価ですが、先に記載したように(兄弟であったとしても)感じ方の個人差は大きいものです。

なので、他の方との比較にはあまり意味はありません。

過去の自分のデータと比較しての評価とお考えください。

同様に高いから悪い、低いから良いと一律に評価するものではないということ、

現状にそぐわない数字を言うことによるメリットはまったくないということにも

注意が必要ですね。

 

「今日のかゆみは何点ですが?」

と聞かれたら何点と答えますか?

診察に来る道のりの中でちょっと考えてみてくださいね。

 

赤ちゃんの湿疹にステロイドを使わずに治療ができる条件とは

当院は小児皮膚科が中心のクリニックですので、赤ちゃんも沢山来院されます。

赤ちゃんの治療についてもいろいろなことが見えるのですが、今回は簡単な質問に答えたいと思います。

 

Q:赤ちゃんの湿疹にステロイドを使わないで済ませることができますか?

 

A:条件次第でしたら可能です。

その条件は「引っ掻いていないこと」ですが。

この「引っ掻いている」という条件は非常に大事なんですね。

 

赤ちゃん(に限らず小さな子供全体に言える話ではありますが)の特性としては

ひっかき始めたら止まらないというのがあります。

大人と違って自制することは全くできません。

したがって一度ひっかき始めてしまったら止まらずにどんどん悪化してしまいます。

保湿剤でもコントロールできなくなってしまうんですね。

更にひっかくという行為自体が痒みを更に悪化させて引っ掻いてしまいます。

専門的にはitch-scratch cycleと言うのですが、どんどん悪化させる方向に向かいます。

もう一つ、おつゆ(じくじく)が出てくるとその中にも痒みを悪化させる成分があるために

更に痒くなるという悪循環が回ってしまうわけなんですね。

 

したがって痒くなっているかどうかは非常に大事な分岐点です。

わかりにくい?引っ掻いているときに赤ちゃんの手を軽く押さえてみてください。

それを振り払ってもう一度引っ掻きに手が戻ったらそこはかゆい証拠です。

 

そうなったときにはステロイドを必要な時間必要な時期だけ使って湿疹をしっかりと抑えてあげないとけませんね。

 

必要なときには必要な薬をしっかりと使っていく必要がある

そしてその見極めをしっかりと行っていく必要がありますよ。

というお話でした。

12歳から内服可能なアトピーの治療薬が出てきました

さて、今回もアトピーの飲み薬の話です。

 

今月からJAK阻害剤というアトピー性皮膚炎の飲み薬の2種類目の製品

リンヴォックが使用できるようになりました。

 

この薬剤の特徴としては12歳から内服可能なんですよね。

デュピクセント、オルミエントはいずれも15歳以上なので、3歳の違いがあります。

ちょうど中学生、小学6年生が使用できるようになったわけですね。

 

治療手段の選択肢が増えるのはいいことです。

特に中学受験、高校受験生を控えている子にとっては良い話かもしれません。

アトピーの症状は勉強の妨げになりますからね・・・

 

ただし、誰でも使用可能なわけではありません。

・症状の強さがある一定以上必要なこと

・使用前に内科で血液検査などを行う必要があること

・感染症にかかりやすくなる副作用があること

という特徴もあり、簡単には処方はできませんが、

もしも興味のある方がおりましたら外来を受診いただけましたら

説明させていただきます。

 

選択肢の増えたアトピー性皮膚炎の治療をどのように進めていくのか?

悩ましいところですが、中学生の重症のアトピーも治療できるようになったことを

まず喜ぶことにします。

0才児の赤ちゃんには日焼け止めは必要ありません

意外でしたか?

実はそうでもないんです。

ポイントはビタミンです。

 

人間が生きていくのに必須なビタミンですが、

一部は食事から入手することができます。

ではそれ以外に生成する方法はないのか?

実は日光にあたることで作られるビタミンもあるのです。

それがビタミンDです。

 

離乳食の赤ちゃんはまだ食事では十分なビタミンDが入手できません。

そのためにある程度は日に当たる必要があるのです。

 

但し気をつけるべきことは、過剰な日光は必要ないということ。

日陰を選ぶこと、日差しの強い時間帯は外出しないこと

など、ある程度の量でコントロールしてください。

真っ赤になるまでの紫外線は必要ありません。

日陰で反射して入ってくるレベルでの紫外線量で十分です。

 

逆に日焼け止めをガンガンに塗った赤ちゃんでビタミンD不足になるという話も出ていますので、

まあ、塗るにしても程々に。

塗らなくても大丈夫ですよという考え方で良いのではないでしょうか。

 

焦らず騒がず、のんびりと子育てをしていくくらいの気持ちで十分ではないでしょうか?

来年の春に花粉症+αで苦労しないためにも、今から舌下免疫療法始めませんか?(2020年5月)

例年同様のお話となりますが、今年は昨年までと少し異なります。

 

今年の花粉症は皆さん非常に軽く過ごせたように見えます。

そもそもの花粉量は例年よりも少なかったこと、

もう一つ、今年独自の要因として外出時間が例年よりも短かった事があるでしょう。

 

で、もう来年の話?

ということになるのですが、今回は少し違います。

 

来年の冬から春にかけて、花粉症だけではなくCOVIDの影響も出てくるだろうということがります。

COVID感染の要因として指で目や鼻をいじることが想定されます。

つまり、花粉症でグシュグシュしているときにこすると、それをきっかけとして

COVID感染が成立してしまう可能性があるのです。

幸いにも2020年春は花粉症の最盛期にはCOVIDの蔓延はありませんでした。

しかし来年はどうでしょうか?

冬にCOVIDの感染が拡大されたときと花粉症の時期が重なると、

花粉症持ちの患者さんの感染率が上がるリスクは否定できません。

 

現状では不確定要素が強いために仮説のレベルですが、

非常に不気味な話でもあります。

 

幸い、花粉症を抑える方法として舌下免疫療法があります。

今から始めることで来年の花粉症はだいぶ改善することが予想されます。

面倒ではありますが、時間をかければそれだけ花粉症の症状は抑制できます。

 

ぜひ、いまから舌下免疫について検討してみてはいかがでしょうか?

手荒れがとにかく悪化しています(2020年2月)

消毒回数、手洗い回数が明らかに増えたからでしょうね。きっと。

 

当院でも手荒れの患者さんの数は明らかに増加傾向が見られます。

少なくとも子どもたちについては例年よりもとにかく多い印象を受けます。

 

まあ、COVID対策としての手指消毒や手洗いの回数の増加があるので、

やむを得ない面もあるのですが。

 

ひりひり感くらいまでの自覚症状であれば市販の保湿剤で対応は可能です。

しかし、かゆみが出現する場合、ひっかき動作が出ているような場合は

保湿剤ではもう対応不可能です。

ステロイドを塗り始めたほうが治りは早いので、

早めに皮膚科受診したほうが良いかと思います。

 

とにかく今は感染症の予防をしっかりと行うこと。

その上でその予防による影響を最小限に食い止めていくことが必要です。

早めに対応を始めるようにしてください。

 

今回は手荒れのお話でした。

具体的な対策のお話を確認したい場合はこちらから確認ください。