わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気

飼い犬に手を噛まれたら

さて、どうしたら良いのでしょうか。

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「そいつを消す」と答えた貴方は映画の見過ぎです。

 

この休みに帰省した際、実家で飼っていたコーギーに指を噛まれそうになりました。

指を引っ込めたので、幸いにもかすっただけでしたが・・・

 

犬に噛まれた時には要注意です。

口の中には雑菌が沢山存在します。特に通常の環境では見られない

嫌気性菌(酸素があまり好きではない細菌)も多く見られます。

そのため、通常とは異なった細菌による感染症が見られます。

運悪く、関節や皮膚が薄いところに噛まれると、骨髄炎や関節炎になり、

重症になると入院する必要があるのです。

そのため、噛まれた際にはまず、しっかりと洗うことが大事です。

そして、通常よりも強力な(広い細菌を殺すことができる)抗生剤を

飲んだほうがいいのです。

 

では、最も気をつける動物は何でしょうか。

 

実は、人間なのです。

軽く見てしまい、症状が悪くなることが往々にしてあります。

噛まれたら、すぐに病院にいきましょう。

 

2013/5/23追記

「犬にかまれた、ラップ」で検索されている方いたので、補足させて頂きます。

湿潤療法やラップ療法はおすすめしていません。

湿潤療法の項目で書きましたが、密閉された環境のなかで細菌が繁殖する可能性があります。

病院に行き、抗生剤を飲みながら、専門の先生に見てもらいながらの密封療法でなければ

トラブルが起きる可能性があります。

自己判断での治療はやめたほうがいいでしょう。

オムツカブレは3つある

今回もおむつのお話をして行きましょう。

 

さて、ママさんが皮膚科におむつの中のトラブルで駆け込んだ時に

皮膚科医は何を考えているのかというお話です。

 

「おむつかぶれ」とママさんたちは言いますが、実はその中身は幾つかにわかれているということ、

知っていました?

 

この、オムツカブレですが、3つの病気がいっしょくたになったものです。

その3つとは………

・昔のオムツカブレ(=間擦性湿疹)

・今のオムツカブレ(=接触皮膚炎)

・外陰部カンジダ症

の3つです。

 

あれ、ここでもオムツカブレが2つあると思われたかもしれませんが、

今と昔では出方も症状も違うのです。これはおむつが変わったことが大いに関係しています。

つまり、昔は布おむつだったので、おむつの布の擦れによって赤くなってしまう。

今は紙おむつなので、こすれることは無いが、蒸れてしまい赤くなってしまう。

わけです。

 

確かに、紙おむつの材質は非常に良くなりました。先に記載とおり、日本の紙おむつは世界一だと思います。

しかし、あまりにも快適すぎるために、おむつの中におしっこをしても、それを不快に思わない。

また、少量おしっこをしただけでは漏れないため、おしっこをしても親が気が付かない。

そのために長い時間を蒸れたおむつで過ごしてしまい、おしっこやうんちで負けて赤くなってしまうのです。

同じようにカンジダというカビが繁殖してしまうのです。

 

技術の進歩で毎日の生活は非常に快適になりました。

ママさんたちが子どもの時に比べると、目に付く大きな変化というのは確かに少ないのですが、

目につかない小さな所での変化は非常に大きなものになっています。

今後も生活が変わるのかもしれませんが、それに合わせて新しい病気が生まれてくるのでしょう。

きっと。

水いぼの子はプールに入れますか?

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水いぼの治療をしているとよく聞かれるのは上記の質問です。

 

もともと、水いぼはプールで伝染ることが多いものです。

世間では感染源はビート板などとも言われていますが、それだけではありません。

当然、ビート板の共用はあまり良くはありませんが、

子どものプール教室を見ていると、じゃれあっていますよね。

あれだけくっついていれば水いぼのウイルスは直接移ってしまいます。

 

そこで問題になってくるのは水いぼの子はプールに入れるのかどうか?

明確なルールはありませんが、学会では指針を出しています。

その指針では「問題なし」です。(日本小児皮膚科学会

でも、実際にプールに入れるかどうかを判断するのはそれぞれの施設なので

最終的にはその判断に任せなければなりません。

 

ということで………

当クリニックのスタッフに手伝ってもらい、吉祥寺の周辺の水泳教室に

電話で聞いて見ることにしました。

結果は・・・

様々です。

あまりルールとして決まっているところは少ないようでした。

しかし、ルールとして、「水いぼがなくなるまでは教室には参加出来ません」というところもいくつかありました。

また、「医師の判断による」とするところもいくつかあるようです。

意外だったのは、電話をしたその時に即答してもらえないことです。

たらい回しもいくつかありました…………

 

結構その辺はルーズなようですね。

 

 

2013/5/23追記

もしも心配な方はプールに相談してみて下さい。

OKな場合もありますし、治療していればOKなこともあります。

まったくダメなところは数は少ないですよ。

 

あと、一つ。

友達に感染させてトラブルになることが心配な方は

物理的に取るのが一番かと思います。

今は痛みを少なくする方法もありますので、

皮膚科医に相談してみてはいかがでしょうか。

 

2013/5/29追記

水いぼの治療方針についての記事を掲載しました。興味のある方は参照下さい。

コチニールによるアレルギー反応

コチニールと聞いてもピンと来ない人もいるかと思います。

では、カンパリと言えば?

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これは見たことがある人も多いのではないでしょうか。

色々なもので割ってカクテルにして飲んでいますよね。

 

この鮮やかな赤い色のもとになるもの(今はカンパリには入っていません)が、

コチニールというものです。

その中に特に含まれるカルミン酸が鮮やかな赤い色を示すために赤い色素として、昔から使用されてきました。

中世のスペインが南米を支配していた理由の一つはこの色素とも言われています。

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さて、このコチニールはどのようにして取り出すのでしょうか。

実は、この色素はある種の昆虫から抽出して作成します。

その昆虫がコチニールカイガラムシ、別名エンジムシという虫です。

メスの虫を乾燥させ、アルコールや水で色素を抽出します。

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実はこのコチニールは様々な食品に添加されています。

有名な所では紅白のカマボコでしょうか。

昆虫の抽出物を口にふくむということで稀にですが、

コチニール入りの食品を摂取したあとにアレルギーが起こることが知られています。

消費者庁からも注意喚起がなされているようです。

 

原因は色素ではなく、同時に抽出された昆虫のタンパク質とのことであり、

国産品ではあまり起きないようですが、外国の商品は注意をしたほうがいいかもしれません。

 

安い、特に外国由来の「赤い食べ物」を食べた時だけアレルギーが起きた時には

原因としてコチニールを考えたほうがいいかもしれませんね。

 

 

 

アトピー性皮膚炎に対する考え方

「成育医療研究センター語?」のエントリーにあったとおり、

当院のアトピー性皮膚炎に対する治療法はあまり他の病院では見られません。

 

その考え方のキモになるものが

「上塗り」

「下地」

「保湿」

という薬の使い分けです。

 

他の病院の多くは「湿疹」と「保湿」のみ使用しているでしょう。

しかし、アトピー性皮膚炎の”悪い皮膚”は赤い所だけでしょうか?じくじくする所だけでしょうか?

という疑問から始まった治療法です。

 

アトピー性皮膚炎では全身の皮膚に何らかのトラブルがあります。

その中で、特に症状の強いところが痒みを出していると考えてもいいでしょう。

逆に考えると、湿疹のない部分にはまったく何も無いわけではないのです。

したがって、湿疹か正常か、白か黒かという話ではないのだろう考えています。

つまり、

「何もない」のではなく、「症状が弱い湿疹がある」のです。

したがって、保湿では落ち着かない事になってしまうのです。

 

当院の「上塗り」は他の「湿疹」のお薬と一緒です。

当院の「保湿」は他の「保湿」のお薬と一緒です。

では、「下地」は?これは保湿剤に少しだけステロイドを加えたものです。

つまり、何もないように見える部分(先に述べたとおり、弱い湿疹が実はあるのです)

にも少しだけステロイドを塗ることでその部分もしっかりと抑えようという考え方です。

 

でも、何もない皮膚にステロイドを塗り続けるのは心配ですよね。

なので、下地は塗る回数で調整をしていきます。

症状が落ち着いていたら徐々に保湿剤に切り替えていくわけですね。

 

アトピー性皮膚炎の「湿疹がない」皮膚は、実は「ちょっとだけ湿疹がある」のです。

ただ、それが他のひどい部分の影に隠されているだけなのです。

ですので、その「ちょっとだけ」の湿疹に「ちょっとだけ」ステロイドを塗ってあげるのです。

ちょっとだけ (こどものとも絵本)

成育医療研究センター語?

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先日、近隣のお世話になっている小児科さんにうかがって、

先生とお話しする機会がありました。

 

旧国立小児病院時代から成育医療センターへの

歴史的な流れなど様々なお話を聞き、

そのなかで、

『上塗り』『下地』

という用語が、ポンと飛び出しました。

 

皆さん、意味がおわかりになるでしょうか?

 

 

これ、成育医療センター語なんだそうです。

旧国立小児病院時代から、

皮膚科のドクターと患者さんの間で

当たり前のように使われてきたコトバなんだそうです。

 

開院初日、診療補助についていたところ、

院長と顔見知りのアトピーの患者さんとのこんなやりとりがありました。

 

院長  『薬は足りてますか?』

患者さん『下地はまだあるんですけど、上塗りがもうないです。』

院長  『オッケー。じゃ、上塗りだけでいいね〜』

正直、聞いていた私には、何のことやら???

 

薬剤師として病院畑を10年歩いておりましたが、

過去勤務した4つの病院でも聞いたことがありませんでした。

 

今回、小児科の先生にうかがって、納得がいきました。

もちろん、初めての患者さんには、きちんと薬の説明、塗り方、

すべてご説明しますので心配いりません。

 

ですが、院長の口からポンとこのコトバが出たら・・・

ああ、成育語〜!と思って頂ければ幸いです(笑)

東京の冬は乾いてる

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寒くなりました。

日は長くなって来ましたが、逆に寒さがこたえます。

 

テレビを見ていると毎日のように出てくるのが乾燥注意報/警報。

まあ、毎年のことですが・・・

と思っていましたが、本当でしょうか?

 

そう思って調べてみました。

データは気象庁の東京気象台のものです。

月別湿度、10年間の平均値を取りました。

結果はこちらです。

東京の湿度JPEG

調べてみて、自分でもびっくりしました。

1月なんて20%も湿度が下がっているじゃないですか。

どうも、原因は平均気温の上昇と考えてよさそうです。

 

でも、外がこれじゃあ、確かにみんな外出後にかさかさになるわけです。

しっかりと保湿しましょうね。

しもやけ注意報発令中

いや、誰も言わないみたいなので、勝手に発令しました。

 

しもやけは凍傷と違って、気温は0℃以上でも出ることがあります。

0℃から10℃くらいの気温で、濡れた足のままだとすぐに出来ます。

遺伝するので、両親のどちらかがしもやけ持ちだと要注意です。気をつけましょう。

 

では、何を気をつけるべきか?

それは冷やさないこと、濡らさないこと。

靴はしっかりと乾燥しているものを履くこと。

帰ってきて靴が濡れていたら、室内に持ってきて暖房に当ててあげましょう。

中には新聞紙をいれて、水分を吸収させるように。乾燥剤も有効です。

 

靴下も可能ならスキー用などの厚手の物で外に出ましょう。

学校に行く時には替えの靴下を持っていったほうがいいでしょう。

なお、学校では、靴は教室の中まで持って行って、乾かすこと。

登校途中に濡れた靴を下駄箱に入れっぱなしにしておいて、

下校時にその靴で帰ると確実にしもやけはひどくなりますよ。

 

症状が出たら薬を塗って、温めること。あくまでも印象ですが、こたつは結構有効です。

 

一般的にしもやけは子供の病気です。

特に幼稚園児から学童期に多く見られます。

たま~に大人もいますけど、あまり数は多くは無いです。

もしも、大人で、いつまでも治らないしもやけがあったら・・・

早く病院に行って、検査しましょう。GWまで残っている人は要注意です。(北海道除く)

 

でも、しもやけの治療法や予防法って、自分が子供だった時とほとんど変わっていないんですよね。

確かに、困ってはいるけど生命に別状のない病気ですし。

たしかに、しもやけで皮膚の検査をしましょうと行ったらみんな嫌がりますもんね。

難しい問題です。むう。