わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

乳児

画期的な治療法の広がり方

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さて、今回は「画期的な治療法」が見つかった時に、それがどの様にして

世界に広がっていくのかというお話をしてみましょう。

 

いちご状血管腫という病気が有ります。これは赤ちゃんのみに見られる病気なので、あまり一般的ではありません。

血管腫=赤アザと病名からは考えられますが、どちらかと言うと腫瘍(良性)性の病気です。

出現は生後1ヶ月まで。その後はできることがありません。赤い発疹で出現し、それが広がっていきます。

生後6ヶ月がピークで、その後しぼんでいきます。赤い色は完全になくなりますが、しわができた場合はそれが残ってしまいます。

 

このいちご状血管腫ですが、治療法は良い物がありませんでした。

液体窒素などで凍らせていた時代も有りましたが、これは傷跡になりやすく、

レーザーは現在の主流ですだ、厚さをましたものには効果が減ってしまいます。

ステロイドの内服も有効ですが、やはり副作用が心配・・・

と、治療の主体は経過観察でした。

 

でも、このいちご状血管腫がおおきくなると、さあ大変。

目を塞ぐと視力に影響が出ますし、喉で大きくなると呼吸や食事のじゃまになります。

擦れてえぐれて出血するとそれこそ数週間良くならないし・・・

逆にステロイドはしばらく飲まないといけないし・・・

ということで結構やきもきすることのある治療法でした。

 

と、そこに出てきたのがインデラル内服という治療法でした。

ちなみに、インデラルというのは血圧の薬です。

2008年にNew England Journal of Medicineという雑誌にこの治療法が掲載された所、

非常に大きな反響を呼びました。

これはたまたま心臓病の有る患者さんにいちご状血管腫が出来たが、インデラルを内服した所

非常に効果があったという報告です。

実は、この段階では「なぜ効果あるのか」についてはわかりませんでした。

しかし、患者さんに使った所、効果があることが確かなのです。

その後、世界中でいちご状血管腫に対するインデラル内服について追試が行われました。

そして、どの調査でもいちご状血管腫に対して非常に効果の有ることがわかりました。

 

私はその情報を知ったのは2010年ころでした。

最初はびっくりした記憶があります。

でも、実際に使用した所、確かに効いているのです。

劇的といっていいくらいです。

 

さて、現在、このインデラルのいちご状血管腫に対する治療法がどうなっているかというと、

日本でも欧州でも既に治験が開始されています。

数年後には医療保険で問題なく使用することが出来る薬剤になるでしょう。

 

新しい治療法が見つかって数年です。

その数年で薬剤は市販され、普通に保険診療のなかで治療ができるようになるのです。

 

このお話は非常にうまく行った例かとは思います。

しかし、私達医療従事者が「効果的な新しい治療法」を見つけたらどのように振る舞うのか。

そして、どのように医療を変えていくのか。

ということを如実に示す一例になると考えます。

 

本当にいいものでしたらすぐに世の中に広がりますよ。

というお話でした。

現在おむつかぶれの調査中です。

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現在、当クリニックではおむつかぶれの調査を行っております。

 

以前から時に目にすることがあるのですが、

元気でトラブルや病気のない子が、おむつを変えただけで、おむつかぶれを発症することがありました。

 

そもそも、おむつかぶれにはいくつかの原因があります。

まず、カビの一種のカンジダの感染によるもの。

ついで、うんちやオシッコによるかぶれ。

最後の一つがおむつによる擦れ刺激です。

 

以前の布おむつでは擦れによるおむつかぶれが多かったのですが、

最近の紙おむつではだいぶ減少しました。

 

でも、紙おむつのメーカーを変えることで擦れによるおむつかぶれができることを

たまーに目にします。

 

外来で気がついた時にはメモをとっているのですが、インターネットでも聞いてみたいと思います。

もし、「おむつのメーカーを変えただけなのに、元気な赤ちゃんがおむつかぶれになった」

ことがあるようでしたら、コメント欄から「変更前メーカー→変更後メーカー」と記入していただけますでしょうか。

 

のんびり調査したいと思いますので、興味のある方はコメントください。

お待ちしております。

(ある程度の結果がまとまるまで、コメント欄は非公開とさせていただきます。)

なぜ、「生後1ヶ月から3ヶ月のスキンケア」なのか。

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今回は勉強会についてのお話をしましょうね。

 

勉強会ですが、現在いくつかの種類が動いています。

その中の一つに、「生後1ヶ月から3ヶ月までのスキンケア」があるのですが、

先日、なんで1ヶ月から3ヶ月限定なのかと質問を受けました。

今日はそのお話をしたいと思います。

 

まず、最初になぜ上限が3ヶ月かというと、これには赤ちゃんの皮膚状態の変化が強く関係しています。

簡単に言うと、生後3ヶ月までは脂性肌、その後は乾燥肌になるのです。

 

脂性肌の原因は皮脂の過剰な分泌です。

皮脂が過剰に分泌するのは性ホルモンの影響を強く受けます。

ちょうど生後3ヶ月目までは性ホルモンが過剰に分泌され、

そのために皮脂も非常に多くなるのです。

これは第一次性徴を反映したもので、どの赤ちゃんも計ったかの用にこの時期特有のものです。

 

しかし、生後3ヶ月を過ぎると、性ホルモンの分泌が減り、皮脂が減少していきます。

逆に皮膚の乾燥が目立ってくるようになるのです。

 

ですので、生後3ヶ月目を境に必要なスキンケアの内容が変わってくるんですね。

 

では、なんで、生後1ヶ月目からかというと、

お母さんの負担を考えてのお話なんです。

赤ちゃんが生まれて1ヶ月と言うのはお母さんもその生活をおくるだけで精一杯になってしまいますから

とてものんびりと勉強会には行けないですよね。

 

そんなわけで、生後1ヶ月から3ヶ月というピンポイントな期間になってしまうのです。

同様にアトピー性皮膚炎の勉強会の対象年齢は生後3ヶ月からとなります。

参加の際の判断の一助にしてくださいね。

 

赤ちゃんの爪は動きます

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といっても、爪だけがアチラコチラに動くわけではありません。

それはそれで怖いですが・・・

 

今回のお話は赤ちゃんの爪の形についてです。

診察中に意外に聞かれることの多いお話でもあります。

 

赤ちゃんの爪ですが、生まれたての時はほとんど平らか、側面が少し下がった形に湾曲しています。

その後、生後3歳くらいまで、逆に側面が上になる形に反り返ることがあります。 その後、またもとの形に戻ります。

 

 

じつは、この側面が上になる形に反り返る時が大変です。 時期はだいたい生後半年から生後3歳まで。

丁度ハイハイからつかまり立ち、伝い歩きの時に気が付かれます。

また、少し深爪をするとそれだけで、爪の周りにバイキンが入って腫れてしまうことになります。

結構多いです。そして、それをみてびっくりするお母さんも。

よく見るのは、爪の周りが腫れて、詳しく確認したところ、爪が反り返って入ることに気が付き、更にびっくりするパターンでしょうか。

 

治療については特に慌てる必要はありません。

爪のそりかえりは幼稚園に入るくらいには自然となくなってしまいます。

それまでの間に腫れることがあれば,それについては一般の爪囲炎の治療に準じて治療を行っていきます。

具体的には必要があれば中の膿を取り、抗生剤を塗り、必要があれば抗生剤を飲んでもらいます。

 

そうして、時間が立って、爪がしっかりとしてくれば問題はありません。

小さい時にはよく見られる爪囲炎も小学校の高学年くらいまではほとんど出ることはありませんので、ご心配なさらず。

 

2013年9月18日勉強会のお知らせ

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勉強会のご案内

当クリニックでは毎週テーマをきめて勉強会を行なっております。

皆様の御参加をお待ちしております。
2013年9月18日

あざのはなし NV-A-001

生まれつきのあざの見分けかた。

その子のそのあざ、治療は待てますか?

 

2013年9月25日

わかば式アトピー性皮膚炎治療マニュアル AD-A-001

アトピー性皮膚炎、乾燥性湿疹の診断、治療について

当院で治療を希望される方は一度はお聞きください。

 

2013年10月2日

生後1ヶ月から3ヶ月までのスキンケア CS-A-001

小さな赤ちゃんに湿疹を作らないように、

皮膚にやさしいスキンケアをお教えします。

 

時間

開場 10:15

講義 10:30-11:15

質問の時間 11:15-11:30

 

場所

わかばひふ科クリニック 待合室

180-0002

吉祥寺東町2-11-2伊藤ビル1F

0422-22-1232

 

定員

6名

 

費用

無料

 

講師

野崎誠

わかばひふ科クリニック院長

 

受講時の注意事項

赤ちゃん、子どもと一緒の受講は可能です。

他の参加者の迷惑にならないようにお気をつけください。

勉強会の進行に支障がある場合は、席を外していただく場合があります。

おむつ替えスペース、キッズスペースはありますが、授乳スペースはありません。

駐車場は1台分のみあります。予約は受け付けておりません。

駐車場が一杯の場合は近くのコインパーキングをご利用ください。

 

予約時の注意事項

キャンセルは前日まで、メールでお願い致します。

当日のキャセルは申し訳ありませんが、お受け出来ません。

 

個人情報について

個人情報は勉強会までの連絡及び統計的資料作成のために使用致します。

各個人の情報につきましては、勉強会終了後に破棄致します。

こどものホクロを大きく見ると、違う世界が見えてくる。

さて、質問です。
この機械は何に使うのでしょうか?

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これは、ダーモスコープと呼ばれるものです。

この機械を使うことによって、ホクロを約10倍に拡大して見ることが出来ます。

それにより、ホクロの中にあるメラニン色素の分布をより細かく確認することが出来るのです。

細かく色素を確認できることで、どのようなメリットがあるのか?

 

細かく見ることで、そのホクロが悪いものかそうでないのかの区別を付けられます。

つまり、ホクロの悪性腫瘍、悪性黒色腫なのか、良性の腫瘍、色素細胞母斑なのかを

区別することが出来ます。

 

昔はホクロは「7mmを超えたら取りましょう。」

と言われることが多かったのですが、いまでは、7mmを超えていても、

そのホクロの色素の分布を見ることによって取るべきか取らざるべきかを区別することが出来ます。

 

小さいこどもの手術を行うということは本人や家族にとっても大変なことです。

そのリスクを、てのひらに乗るくらいの小さな機械で防ぐことが出来るのであれば、

とっても良いことなのでは無いでしょうか。

 

当クリニックでもダーモスコープによるホクロの診断を行っております。

前の病院から行っている検査方法ですので、既に数百人以上に検査を行ってきました。

時間はほんの数十秒から数分の検査です。麻酔なども必要なく受診したその日に検査を行うことが出来ます。

 

もしも診断に迷うような場合は、ダーモスコープの専門家が勤務している病院に紹介することも可能です。

小さなお子さんで、ホクロが心配という方は一度近くの皮膚科に相談してみてはいかがでしょうか。

もちろん、当クリニックでも診察を行っておりますので、心配なかたはどうぞご来院ください。

あかちゃんのほっぺたの湿疹のなおしかた

テレビを見ていると、ついつい赤ちゃんが出ているシーンを見入ってしまいます。

職業病ですね。

雑誌や本でも赤ちゃんに目が行きます。

では、赤ちゃんのどこを見ているのか?実はほっぺたです。

 

赤ちゃんのほっぺたはもちもちつるつるしている。

これは意外とウソなのです。

いや、本当はもちもちしていますよ。理論的にも、もちもちしているはずなんです。

でも、実際に赤ちゃんをみてみると。結構な確率でほっぺたは荒れているのです。

テレビを見ていても・・・・・・ほら、ほんの少し赤いでしょ。

 

さて、このほっぺたの荒れはどこから来るのか?

大部分は乾燥と汚れからです。

乾燥についてはわかりますよね。冬にはみんな、肌が乾きますから、

汚れの原因はよだれ、汗、涙、ミルクや離乳食など。

皮膚に何かがつけばそれが汚れの原因になり、湿疹の原因になります。

いわゆる乳児湿疹やアトピー性皮膚炎の症状でもありますが、

その本態は汚れによる反応が大いにあると考えます。

 

したがって、対策はそれに応じたものになります。

ひっかきがある場合は湿疹の治療が必要になります。

しかし、ひっかきがない場合は、保湿剤/保護剤のみで症状が落ち着くことも大いにあります。

ただし、気をつけることは回数。

1日2回、3回では症状は落ち着きません。

回数の目標は1日20回です。

 

( ゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシゴシ

(;゚ Д゚) …!?

 

 

そんなん無理じゃん。

というツッコミが聞こえてきそうですが、よーく考えてみると、実はなんとかなってしまう回数です。

起きている時間には1時間に1回。

汚れるのがわかっている時、

授乳の前、離乳食の前、お出かけの前と後にそれぞれ1回ずつ。

これで20回になります。

 

つまり、高校生の時を思い出してくださいと。

高校の時に休み時間のたびにリップを塗っていた。

この行動を子供のためにしてあげて下さい。

こう考えたら、大丈夫そうになってきませんか?

 

回数は頻繁に。では1回あたりの塗る量はどうしたら良いのか?

これは薄くて構わないでしょう。

つまり、汚れるのがわかっているので、薄く塗る。

その代わり、ほっぺたを拭いたらすぐに塗り直す。

これをしっかりと繰り返すことが大事です。

逆に厚塗しても洋服についてしまうだけですからね。

 

実際に診察をしていても、ほっぺたのぬる回数と

ほっぺたの乾燥具合や湿疹の出方には関係があるようです。

もちろん、塗る回数が多ければ、出にくいようですよ。

 

ウチの子のほっぺたの乾燥が気になると方はぜひ試してみてくださいね。

 

あかちゃんのおでこの赤いぶつぶつ

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赤ちゃんのおでこ。つるつる、すべすべしていて触ると気持ちがいいものです。

でも、時に赤いぶつぶつができることがあります。

 

何もしていない赤ちゃんにはできず、スキンケアをしっかりとやっている子ほどよく出来るという

不思議な症状ですが、これには理由があるのです。

 

おでこのぶつぶつはおおきく2つに分けることができます。

「汚れることによるかぶれ」と「アセモ」です。

汚れれば、荒れるのは当然として、アセモとは??

とおもわれるかもしれません。

 

実はこれはスキンケアのやり過ぎなのです。

一般的には油でできた保湿剤・保護剤を塗ることが多いかと思いますが、

おでこから目の周り、鼻背の部分はそんなに汚れることがありません。

また、乾燥もあまり強くは無いのです。

逆にほっぺたやあごの部分は乾燥し、汚れるので、

その2つの部分を同じように保湿/保護することは合理的では無いのです。

 

つまり、ほっぺたは頻繁に保湿する必要があるのに対し、

おでこの部分はあまり頻繁には塗ってはいけないのです。

むしろ、回数を塗りすぎると、軟膏の油部分が皮膚の上に乗っているために、

汗が十分に蒸発することができず、湿疹を作ってしまうのです。

つまりアセモの原因になるのです。

 

なので、おでこのぶつぶつを見た時にはしっかりと洗っているか?

逆に保湿しすぎていないか?

を確認する必要があります。

 

おでこはあまり一生懸命に保湿を剃る必要は無さそうですね。1日3回くらいで十分ですよ。

ほっぺたは?これはまた次回。

「人見知り」は怖さ半分、興味半分

人見知り。

このような仕事をしているとよく見られるものです。

印象としては大体生後半年からはじまるようです、

診察室に入ってベットに横になって、じーっと目があって、

その後、「ふえっ」とされたら要注意。

ふえーんと泣かれてしまいます。

でも、その間にはじーっとこちらを見ているんですよね。

 

でも、何回か診察されて慣れてくるのか、大きくなってしまうのか。

そのうちに人見知りがなくなってきて、ハイタッチをしながら帰っていくようになるのです。

 

その人見知りに対する面白い研究結果が発表されました

赤ちゃんのキャラクターを幾つかに分類し、その行動を分析すると、

人見知りの強い赤ちゃんほど怖がり。

だけど、人見知りの極端に強い子は逆に人に寄りたがる。

(人見知りのない子も人に寄る傾向がありましたが、これはまあ、そうでしょうね)

という傾向があったようです。

つまり、気になるけど、怖い。この心理が人見知りという形で現れるようです。

 

また、赤ちゃんが相手の顔のどこを見ているかも特徴があるようです。

人見知りの子はそうでない子に比べ相手の目を見ている時間が長く、

よそ見をしている顔をよく見る傾向があるようです。

「目は口ほどにものを言う」をまさに地で言っているわけですが、

直接相手の目が見られない。その辺りにも心理的な葛藤がありそうです。

 

逆に赤ちゃんに接するときには(特に人見知りの子には)、直接ジロジロ見ないほうがいいのかもしれませんが、

その辺りは実際に診察室で検証してみましょうかねえ。

赤ちゃんの爪を切った後にやるべきこと

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ちいさなちいさな赤ちゃんの、ちいさなちいさなおてて。

その先っぽには更に小さな爪がちょこんと見えています。

この小さな爪がトラブルを引き起こすので、お母さんは大変なのです。

 

さて、赤ちゃんの爪ですが、とても良く物が切れます。

まず、お母さんのほっぺた。良く切られることがありますね。

うちも看板娘に両親共に切られたことがあります。

また、自分自身のほっぺや体も切ってしまうのです。

引っ掻いた時にかさぶたになるのもそのためです。

なぜでしょうか?

 

爪にも年齢とともに様々な変化が見られます。

例えば、加齢とともに爪の水分量が減少し、乾いてきます。

年を取ると爪が割れやすくなるというのはよく聞く話です。

 

そして、赤ちゃんや子供の爪の特徴は伸びるのが早いことがあります。

成長とともに爪の大きさも変わりますので、単純に伸びる速さでは比較できませんので、

生え変わる日数をみてみると、

子供では(残念ながら赤ちゃんの資料はありませんでした)親指で約90日ですが、

20歳では120日になります。

更に年齢が上がると伸びはより遅くなりますので、生え変わるのにもっと時間がかかります。

もう一つの特徴は爪が薄いこと。

これが、すぱすぱと本人や周りの人の皮膚を切ってしまうのです。

具体的な数字で見ると。0歳時の親指の爪が0.22mm(男児)0.12mm(女児)

これが7歳になるとそれぞれ0.44mmと0.39mmになります。

倍以上になってしまうのですね。

ちなみに成人では0.8mmですから、子供の、特に赤ちゃんの爪が

どれほど薄いかが、わかります。

 

参考までにカッターナイフの刃の厚さは一般のもので0.38mm、

カミソリは0.12-0.15mmですから、赤ちゃんの爪はカッターナイフと言うよりも

むしろカミソリに近い厚さです。

すぱすぱ切れるのも仕方ないですね。

 

 

と、関心ばかりしていても仕方ありません。

すぱすぱの原因は薄さだけではありません。

どんなに薄い包丁も使っているうちに切れ味が鈍くなるように、

鋭さも一つの要因になります。

赤ちゃんの爪の厚さについては時間が解決するのを待つしかありませんが、

鋭さは対処できそうです。

 

つまち、爪を鈍らせればいいのです。

ということは、爪やすりで磨くことが、赤ちゃんの爪によるすぱすぱ予防になるのです。

特に、お母さんが使っているネイル用のヤスリを使って、優しく磨いて下さい。

それだけで、スパスパはきっと減りますよ。

 

爪関連で一つおまけの話。

私は赤ちゃんの爪切りの頻度は2週間に3回くらいがちょうどいいと考えています。

経験上ですが、それぐらいが伸びすぎず、尖りすぎず、ちょうどいいと考えます。

 

 

参考文献。

皮膚科医必携の書です。爪のすべてが記されています。

でも、普通の人は、使わないかな?参考までに。

爪―基礎から臨床まで