わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の薬剤と感染症の副作用についてのお話

ここ数年で本当にいろいろな薬がアトピー性皮膚炎の治療に使われるようになりました。

副作用についても色々あるのですが、今まで常識と思われていた易感染性の副作用から

離れることのできる治療薬も出てきました。

 

今回は易感染性の副作用という観点から治療薬をまとめていきたいと思います。

 

>易感染性の副作用がある薬剤

・ステロイド(外用・内服・注射)

・シクロスポリン(内服)

・タクロリムス(外用)

・JAK阻害薬(外用・内服)

 

>易感染性の副作用のない薬剤

・デュピルマブ(注射)

・PDE4阻害薬(外用)

・抗アレルギー薬(内服)

 

となります。

以前はない薬剤が効果の弱い抗アレルギー剤内服以外にはない。

という状況でしたので、随分様変わりしたなあという印象を持っています。

 

選択肢が一気に増えましたので、上手に組み合わせながら治療を勧めていきたいですね。

2021年度後半もアトピーの新しい薬が出てくるようです

今日メーカーさんからメール頂いて呼んだ瞬間に変な声が出てしまったことは内緒です。

 

アトピー性皮膚炎の薬ですが、今年度上半期に飲み薬が2種類、

子供への適応拡大が塗り薬で1種類ありました。

下半期も色々あるようです。

現在入手した情報についてまとめてみます。

 

まず1種類目はファイザーさんから出てくるJAK阻害薬という種類の飲み薬です。

こちらのJAK阻害薬の内服は3剤目になります。

まだ入手できる情報が限られているのですが、すでに発売されている薬剤と同様の

効果・副作用・コストと考えられます。

使い分けについて考える必要がありそうですね。

 

もうひとつは大塚製薬さんからのPDE4阻害薬の塗り薬です。

PDE4阻害薬はすでに乾癬に対して飲み薬として使用されている薬剤で、

そちらは初期の副作用にクセはあるものの、非常に効果のある薬という

印象を持っています。

今回使用可能になるのは塗り薬ですので、その初期の副作用というのはなく、

喜ぶべきことに易感染性の副作用も見れないという情報もあります。

ただ、まだ効果についてはどのくらいの強さなのかはっきりしませんが、

副作用の少なさという面から処方しやすいかなとも思っています。

 

一つ注意すべきはまだ処方可能ではないということですね。

処方できるようになるまで情報を色々と集めて分析を行う必要がありそうです。

 

新しい情報ありましたら当ブログでもまた記事を書いていきますので、

興味のある方はご確認くださいね。

12歳から内服可能なアトピーの治療薬が出てきました

さて、今回もアトピーの飲み薬の話です。

 

今月からJAK阻害剤というアトピー性皮膚炎の飲み薬の2種類目の製品

リンヴォックが使用できるようになりました。

 

この薬剤の特徴としては12歳から内服可能なんですよね。

デュピクセント、オルミエントはいずれも15歳以上なので、3歳の違いがあります。

ちょうど中学生、小学6年生が使用できるようになったわけですね。

 

治療手段の選択肢が増えるのはいいことです。

特に中学受験、高校受験生を控えている子にとっては良い話かもしれません。

アトピーの症状は勉強の妨げになりますからね・・・

 

ただし、誰でも使用可能なわけではありません。

・症状の強さがある一定以上必要なこと

・使用前に内科で血液検査などを行う必要があること

・感染症にかかりやすくなる副作用があること

という特徴もあり、簡単には処方はできませんが、

もしも興味のある方がおりましたら外来を受診いただけましたら

説明させていただきます。

 

選択肢の増えたアトピー性皮膚炎の治療をどのように進めていくのか?

悩ましいところですが、中学生の重症のアトピーも治療できるようになったことを

まず喜ぶことにします。

“デュピクセント”と”オルミエント”の比較をしてみました

前回の記事でアトピー性皮膚炎の新薬の処方開始のお話をしました。

アトピー性皮膚炎の治療として数年前より”デュピクセント”が使用されておりますが、

それとの関係が気になる方も多いかと思います。

 

私も少し気になっておりましたので、比べてみました。

というのが今回の記事の内容です。

 

オルミエント内服の話2

 

↑リンクを貼っておりますので、印刷か別タブに置いて眺めながら話を聞いていただければと思います。

 

まず基礎的な事項として”デュピクセント”は注射、”オルミエント”は内服という違いがあります。

注射いやだー!という人はオルミエントの方がいいでしょうね。

 

効果ですが、”デュピクセント”と”オルミエント”の通常内服量でしたら大きな差はないと

考えて良さそうです。

ただし、オルミエント減量の場合は効果は少し落ちてしまうでしょうね。

1日おきでしたらもっと落ちる可能性があります(が正式なデータはないのであくまでも推察です)

逆にオルミエントは増量減量が比較的簡単に行なえますので、そちらはメリットかも知れません。

 

副作用です。”デュピクセント”は免疫抑制はありませんが”オルミエント”はあります。

ただし、デュピクセントは眼の周り・中の炎症がかなりの確率で出現すること、

オルミエントの免疫抑制は減量に伴い減らすことができることは特徴でしょうね。

 

使用制限はいずれも中等度から重症のアトピー性皮膚炎と限られています。

こちらは使用希望時に全身のチェックを行い、使用可能か検討を行った上で

投与判断を行います。

症状が軽いときはダメかもしれません・・・ご了承ください。

 

事前検査ですが、影に隠れている感染症が”オルミエント”内服開始で現れることがあるので、

オルミエントの場合は内科での血液検査/胸部レントゲンが必須です。

そちらで問題ないことを確認しない限り処方はできませんからご注意ください。

 

治療期間ですが、どちらの薬も中断は難しいかなと考えたほうが良さそうです。

やっぱりアトピーは手強いのです。

調子が良くなったときは”デュピクセント”でが注射感覚の延長、”オルミエント”では

内服量の減量という手段は取れますが、ゼロにするのは難しいかな・・・

 

受診間隔ですが、”デュピクセント”自己注射に限り3ヶ月に1回でOKです。

院内注射の場合は当然注射間隔ごとに受診必要ですし、

”オルミエント”は現時点では最長で4週間とさせてください

(なお十分なデータが当院で集まった場合には延長する可能性があります)

 

最後にある意味いちばん大事な金額のお話です。

”デュピクセント”と”オルミエント”通常内服の場合は金額はほぼ一緒とお考えください。

なお、オルミエントは減量、投与間隔の延長も柔軟に行なえますので、金額はその分

少なくてすむ可能性もあります。

・・・が、いちばん大事なのは病気がコントロールできることですからね。

調子が良くないのに減量することはあまりおすすめできませんからね。

 

 

ということで簡単に比較してみました。

なんにせよ選択肢が増えるのは良いことです!

治療方法を決める一つの参考資料にしてくださいね。

アトピー性皮膚炎の内服薬”オルミエント”の処方を開始いたしました

さて、昨年末よりアトピー性皮膚炎の適応が通りました内服薬に”オルミエント”があります。

今回はその準備が整いましたので、当院でも処方を開始しますよというお知らせです。

 

実はこの薬は以前より関節リウマチに使用されていたんですね。

免疫を抑えることにより炎症反応を抑え、結果として関節が落ち着くという。

当然内服ですので、全身にその効果は波及しますので、当然皮膚の炎症である

アトピー性皮膚炎についても効果があり、非常に高いものがあります。

 

ただ、問題点もありまして。

免疫を抑えてしまうので、感染症にかかりやすくなってしまうという問題もあります。

細菌、ウイルス、カビのそれぞれに弱くなってしまうんですね・・・

あ、新型コロナも理論上かかりやすくなってしまいます。

そのために使用開始前には内科さんを受診してレントゲンや血液検査により、

結核や肝炎などの感染症が隠れていないかを検査する必要があります。

そこだけひと手間かかってしまいますことをご了承いただいてという形になりますね。

 

あとはお金のお話です。

以前より使用しているデュピクセントですが、金額が非常に高いことにより

使用を躊躇される方が多くいらっしゃいました。

オルミエントも通常用量でしたら金額はほぼ同様になります。

しかし半分の用量もありますし、更にそれを一日おきに飲む方法もあります。

その分金額をもっと抑えることは可能かと考えられます。

まあ、その分効果は落ちてしまうでしょうけどね・・・

ただ、値段はそこまでかけずにある程度の効果を得たいと考える方には

非常に便利な方法ではないかと考えています。

また増量及び減量を柔軟に行うことも可能ですので、そういう意味でも

使用はかんたんにできるのかなと思います。

 

ちょっと前準備の必要な薬ではありますが、注射はちょっとねと思う方、

お財布に優しい効果的な治療法を検討されている方については

考えてみてもいいのかなあと思います。

 

今後当院で配布予定のプリントのリンクを貼っておきますので、

興味のある方は一読されてみてはいかがでしょうか?

オルミエント内服の話

そろそろ加湿器の準備しませんか?

秋も深くなってきました。
気温もじわじわと下がってきました。
今回はそんな秋の準備のお話です。

日中の湿度を確認すると、連日50%を割るのが当たり前になってきました。
夜間の湿度もじわじわと下がってきています。

またエアコンの稼働時間も徐々に伸びてきたと思います。

そうなってくると問題になるのは室内の湿度。
だいぶ下がってきているはずです。

そうです、そろそろ加湿器の出番がやってきたのです。

そろそろ日中の居室、夜間の寝室の加湿器を動かしていく必要が出てきましたね。

乾燥肌対策にも加湿器、準備しましょうね。

デュピクセントのペン型注射器が発売されるようです。

11月からとのことでした。

あ、金額は今までのとはほとんど変わりないようですよ。

 

デュピクセントの自己注射の注射器が変わるようです。

いままでは普通の注射器に安全装置がついたような形でしたが、

今後はペン型の製剤が出るようになります。

 

ちょうどエピペンのように

皮膚に強く押し当てると、シリンジが自動的に動作して、勝手に注入してくれるようです。

まあ、速度の設定はできませんので、ゆっくりと注射したいという方には不向きかもしれませんが、

難しい手順が必要なくなるので、簡単にはなります。

 

発売は11月頃を予定しているということで正式な日程はわかりません。

また、電子カルテでの対応が終了次第使用開始になるので、

発売開始即使用開始とはなりませんが、遅くとも年内には使用開始できるかと思います。

 

使用開始と前後して該当者にはアナウンスさせていただきます。

ぜひ検討してみてくださいね。

乾燥肌が徐々に増えてきた印象があります

直接データを取っているわけではありませんが。

 

ここ1週間から2週間ほど、乾燥肌の受診が増えています。

定期的に受診されている方でも悪化したとの訴えが増えてきました。

 

時期的にちょうど湿度の低下が徐々に進み乾燥の悪化が見られる時期です。

また気温の低下傾向もあり、シャワーなどのスキンケアの低下があること、

風邪を引いてしまい全身の体調が悪化したこと

 

などから湿疹が悪化する要因が揃ってきた印象があります。

 

ひっかきが強くなってから治療開始するよりも乾燥だけが見える段階で

治療開始したほうが必要な薬の量もコントロールの状態も

全然変わってきますので、乾燥肌の段階で受診して治療を開始したほうが

よろしいかと思います。

 

というお話でした。

 

デュピクセントとコレクチムのコラボが素晴らしい件

最近の知見です。

 

デュピクセントが使用可能になり2年以上が経過し、

多くの方に治療を行うことができるようになりました。

デュピクセントは治療効果の非常に良い薬ではありますが、問題も無いわけではありません。

まずは金額。まあこれは時間とともに下がるのを待つしか無いです。

もう一つは目の周りの湿疹が治らないこと。

顔特に眉毛のあたり、目の周りのまぶたの縁はとにかく時間がかかります。

体の湿疹が徐々に良くなっているのに比べてもどかしいくらいの治癒効果の遅さです。

 

でも、コレクチムが使えつるようになって、顔の湿疹に塗ってもらったところ、

おやおや、結構調子いいですねえ。

という結果になってきました。

 

ステロイドはあまり塗りたくない場所だし、

プロトピックは刺激になるしということで治療の手段がなかなかなかったところに

コレクチムを使用することで治療の効果が出てきた。

 

本当にありがたいことです。

デュピクセントとコレクチムを上手に利用することで治療の幅が広がっていく。

新しいアトピー性皮膚炎の治療の幅が出てきました。

コレクチム軟膏の処方を積極的に行っていきます。

10月1日より、コレクチム軟膏処方者の採血要件を撤廃いたしました。

 

いままで、二桁の方にコレクチム軟膏の処方を行っております。

その際に当院独自の施策として採血を行っておりました。

先月末までの集計の結果、異常が見られた方はおりませんでした。

また、副作用の発言もなく、非常に安定した薬剤ということがわかってきました。

 

そこで10月1日より採血は行わずに希望される方全てに処方を開始いたします。

また必要に応じてステロイド及びプロトピック軟膏からの切り替えを

すすめることにいたしました。

 

ご希望の方はその旨を受付にお伝えいただけましたら

切り替えもしくは追加という形でコレクチム軟膏を処方させていただきます。