わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

いぼ

2013年7月24日 勉強会のご案内

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勉強会のご案内

当クリニックでは毎週テーマをきめて勉強会を行なっております。
皆様の御参加をお待ちしております。

2013年7月24日
夏のこどもの皮膚病 SD-A-001
とびひ(伝染性膿痂疹)、いぼ(尋常性疣贅)、水いぼ(伝染性軟属腫)、あせも(紅色汗疹)

時間
開場 10:15
講義 10:30-11:15
質問の時間 11:15-11:30

場所
わかばひふ科クリニック 待合室
180-0002
吉祥寺東町2-11-2伊藤ビル1F
0422-22-1232

定員
6名

費用
無料

講師
野崎誠
わかばひふ科クリニック院長

受講時の注意事項
赤ちゃん、子どもと一緒の受講は可能です。
他の参加者の迷惑にならないようにお気をつけください。
勉強会の進行に支障がある場合は、席を外していただく場合があります。
おむつ替えスペース、キッズスペースはありますが、授乳スペースはありません。
駐車場は1台分のみあります。予約は受け付けておりません。
駐車場が一杯の場合は近くのコインパーキングをご利用ください。

予約時の注意事項
キャンセルは前日まで、メールでお願い致します。
当日のキャセルは申し訳ありませんが、お受け出来ません。

個人情報について
個人情報は勉強会までの連絡及び統計的資料作成のために使用致します。
各個人の情報につきましては、勉強会終了後に破棄致します。

 

予約はこちらのページからお申込み下さい。

 

 

2013/7/14追記

早速のお申込みありがとうございます。

申し込みされた方に返信のメールを送っておりますが、

アドレス未着で帰ってくることがあります。

申し訳ありませんが、申込時に、wakaba-hifuka.comドメインからの送信については

受け取るように設定をお願い致します。

 

イボの治療の時に痛い方がすぐに治るのか?

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イボの治療をしている時に、何度も治療をしている間、

回数を重ねるごとに痛みが強くなると言われることがあります。

逆に何回治療をしても痛みがあまり無いと言う子もいます。

どちらが早くイボが治るのでしょうか?

 

はっきりとした統計はないのですが、多分、痛みが強くなってくる子ほど

イボの治りは近い印象があります。

なぜでしょうか?いくつかの要因が考えられます。

 

そもそも、イボが取り付くのは皮膚のどの細胞なのか?これははっきりとした結論は出ていないのですが、

「幹細胞」ではないかと言われています。

幹細胞」とは最近ニュースで聞かれる言葉かもしれませんが、すべての細胞のお母さんのような細胞です。

女王蜂のようなと言っても良いのかもしれません。

つまり、幹細胞は常にそこにとどまって分裂をしています。

分裂した娘細胞が皮膚となって分化(皮膚として成熟)していくのです。

皮膚の幹細胞は皮膚の一番下に存在しています。つまり、イボが取り憑いた細胞も皮膚の一番下に居るのです。

 

まず、これが一つ目のポイント。

 

次のポイントは液体窒素です。

液体窒素がどのようにしてイボに効くかははっきりとはわかっていません。可能性として

1)物理的な温度の変化で細胞が壊される

つまり、冷凍庫から何度も出し入れするうちに食材がシナシナになっていくのと同じですね。

2)細胞を栄養している血管が壊れる

間接的にイボが取り付いている細胞を餓死させるわけですね。

3)炎症を誘発する

凍ったり、解凍されたりを繰り返しているうちに、体が異変に気づき、その部分を排除しようとする機構が働くわけですね。

などが考えられています。このどれが最も効果をはっきりしているかはわかりませんが、

優しい治療(冷やし方が足りない)と、なかなか治らない印象がありますが・・・

 

最後のポイントは神経線維です。

実は皮膚の表面には神経は来ていません。

神経は皮膚の下の真皮の浅い部分までしか届いていません。

うっすらと血が出ない程度に皮膚が切れていても気が付かないのはこのせいですね。

 

 

では、イボの治療をする時に痛みが出るのはなぜかというと、

その神経の先端部分が冷やされるからです。

当然その上の皮膚もよりしっかりと冷やされているわけです。

 

一般的にイボの部分には厚く皮膚は積もっています。

つまり、他の部分に比べてちょっとやそっとでは凍らないように成っています。

液体窒素を当てても他の皮膚に比べて痛みは弱いのです。

 

では回数を重ねるうちに痛みが強くなってくるのはなぜか。

皮膚の厚さが減ってきているからなのです。

つまり、イボの取り憑いた細胞の数が減少しているから。

イボの取り憑いた細胞の増殖を、治療で抑え込めているからです。

幹細胞そのものを殺しているか、殺せないまでも分裂ペースを抑え込めている方なのです。

 

痛みが強くなるのは確かにイヤなことではあります。

しかし、そろそろイボが治ってくれる証明と考えれば、少しは我慢できるかなぁ?

え、ダメ?

 

 

 

最後におまけ。

治療時の痛みはしたがって効果の証明にはなりますが、痛みそのものだけを取り除いても

治療の効果が落ちるわけではありません。

(ただし、痛くないように治療の手を緩めるとかえって治りが遅くなってしまいますが。)

当クリニックでは痛みだけを取り除く治療を患者さんの希望があれば行なっています。

受診のうえ、ご相談いただければと思います。

痛くないイボの治療を希望される方へ

イボの治療の一番の問題は痛みです。

しかし、痛くない一般的な治療(スピール膏やサリチル酸ワセリン、ヨクイニン内服など)では、

治療効果は今ひとつという印象です。

そうすると、液体窒素の治療ということになりますが、

痛いし・・・

どうしたらいいんだろう。

 

という声をよく聞きます。

 

当クリニックでは液体窒素を行うときに痛みを減らす治療法を行なっております。

まず、受診していただき、イボかどうかの診断を行います。

痛みの少ない治療法を希望される方はその時にご相談下さい。

その時に詳細について説明いたします。

 

この治療法が全国に広まってくれるといいのですが、

様々な制約があり、難しい状態です。

もし気になる方がおりましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

 

追記

先進的な治療法ですので、記録のために写真を撮影することがあります。

また、痛みのデータや年齢、部位などの一般的なデータについては

集計し、学会その他で発表することがあります。

精神発達障害、自閉症の方の治療は現時点では行なっておりません。

(今後、数が増えれば可能になるかもしれません)

 

追記その2(2019年2月)

今年から、新しいイボの治療を開始いたしました。

この記事にあるような、麻酔薬を使用して液体窒素を使用するのではなく、

そもそもの液体窒素を使用しない方法となります。

もしも興味のある方がおりましたらこちらからご確認下さい。

プリント配布中

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クリニック入り口の北側、掲示板の中に自由に持っていける

病気のお話のプリントを設置致しました。

現時点では

・いぼ(尋常性疣贅)

・水いぼ(伝染性軟属腫)

・とびひ(伝染性膿痂疹)

の3種類のプリントを用意しております。

また、院内にはスペースその他の関係で置けなかった

プリントやパンフレット、リーフレットが各種置いてあります。

 

もしも興味がありましたらプリントだけもらいに来てもらっても構いません。

常識的な範囲内でしたらお友達の分もご一緒にどうぞ。

病気の話だけではなく、生活のアドバイスなども載せています。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

【論文】イボはどこからもらうのか?

たまには真面目に論文の話でもしましょうか。今回はイボのお話です。

タイトルは

Warts Transmitted in Families and Schools:A Prospective Cohort

です。雑誌は(小児科の専門雑誌ですよ)

PEDIATRICS2013;131;928

です。

 

ここで英語の時間です。

Wartは世間一般で使われる用語で「イボ」です。水いぼはWater Wartです。水の付き方は日本と一緒ですね。

Prospective Cohortとは研究の方法です。

ある集団をいちからずっと観察し続ける、非常に手間のかかる方法です。逆に信頼性は高い研究方法です。

この論文ではオランダの3つの小学校を1年から1年半観察し、イボ保有率と、その悪化原因を観察しています。

対象者数は約1000人です。

 

さて、結果ですが、

イボの保有率は約30%です。結構高いですねえ。

この論文では、色々な因子により、イボの保有率がどのように変わるのかを観察しています。

 

ざらっと紹介しますと、イボにあらたにかかる可能性は、

男の子では1.1倍(95%の可能性で0.8-1.3倍←人数があまり多くないので、95%の可能性でこの範囲内に入るということを意味します)

白人では1.9倍(1.4-2.7倍)

過去にイボにかかっていると1.5倍(1.2-1.9倍)

となっています。

なぜ白人のみがこんなに可能性が高いのでしょうか?

遺伝?生活習慣?謎です。

 

さて、生活習慣とイボのかかりやすさですが、

個人との親密度から幾つかグループに分けてみると、

<家族>

家族にイボ持ちがいると2.1倍(1.5-2.9倍)

<教室>

そのクラスのイボ保有率が40%を超えていると1.5倍(1.2-1.9倍)

→イボ保有率が10%増えることに1.2倍(1.1-1.3倍)

親友がイボ保有者だと0.9倍(0.7-1.2倍)←その子は本当に親友ですか そんなことは言っちゃ行けません。

<社会・公共>

公共のプールを使っていると1.4倍(1.0-2.0倍)

裸足のスポーツをしていると1.1倍(0.9-1.6倍)

公共のシャワーを使っていると1.0倍(0.7-1.4倍)

となります。

 

当然密接に関係する人間のイボ保有率がダイレクトに影響しているわけですね。

しかし、プールであまり上がらないというのも正直意外でした。

最も、プールに入っている時間や期間については詳しい調査がされていないので、

その部分がはっきりしないと関連性も言えないとおもいますが。

 

ただし、ここからわかることは

家族にイボがいると移りやすい

ということでしょう。当然といえば、当然ですが、家族に移さないこともしっかり考えないといけませんね。

 

最後に、私が簡単にまとめた図です。

確かに、接触の強さとリスクが揃っていますね。

イボ