わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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夏の病気

りんご病が流行しています(2018年7月)

先月の末から今月に入ってりんご病が流行しています。

というお話です。

 

りんご病。そんなに目にすることは無いかもしれません。

しかし典型的な症状で診断はできるのです。

 

・両頬部

・両上腕から前腕

・両大腿から下腿

にかけて、網目状もしくはもう少しベッタリとした

赤みが出てくること。

その赤みは痛くも痒くも盛り上がりも無いこと。

が典型的な皮膚の症状です。

 

そして話を聞いてみると

その1週間程度前に、体調を崩したり軽度の発熱があったこと。

 

これで診断ができます。

そんなに難しくはない病気ですね。

 

でも、その厄介な点は

見た目の症状の強さと感染力の強さには関係がないこと

なんです。

 

つまり、感染力が強いのは、最初の体調を崩したときであり、

見た目で診断されたときにはもう感染性はなくなっている。

ということが問題になります。

したがって、見た目で診断されたときにはすでに他に誰かに感染ったあとかもしれない

んですよね。

いやあ、厄介です。

 

これから夏休みも進み、人の移動も多くなる季節です。

感染が拡大しないか少し様子を見ていくことにしましょう。

皮膚科医が自分の子供に使いたい虫よけ剤はなにか?(2018年夏)

以外に知られていませんが、皮膚科医は医者の中で最も虫刺されを診察しています。

もちろん治療のプロです。

(いっぱい刺されて気になる方は受診してくださいね)

それだけではなく、予防についても深い知識が必要とされます。

その皮膚科医がおすすめする虫よけ剤についてのお話です。

 

世の中にはいろいろな虫よけ剤がありますよね。

ここ数年、一気に虫よけ剤の選択肢が広がりました。ありがたいことです。

 

その中でも、2018年現在最もお薦めなのはイカリジンです。

その中でも15%の濃度の成分のものがおすすめです。

 

現在市販品として手に入る虫よけ成分の強さを簡単に示すと

↑強い

高濃度DEET30%、高濃度イカリジン15%

DEET10%、イカリジン5%

フェノトリン、除虫菊

アロマ系虫よけ剤

↓弱い

となります。

大まかな目安ですが、それで良いかと。

 

アロマ系は虫よけ剤としてはあまり積極的にお薦めはしていません。

だって効果弱いし。

(他にも理由がありますが、またいずれ。)

 

ではDEETとイカリジンですが、どちらが良いかという問題ですね。

こちら、イカリジンをおすすめします。

DEETにはいくつか欠点もあるので、それを考えると積極的に推奨はできないんですね。

 

まずDEETには使用回数制限、使用量の制限があります。

容量を超えると、震えなどの症状が出る可能性があるんですね。

なので、制限あり。

もう一つ、高濃度のDEETにはプラスチック/樹脂を溶かすという欠点があります。

ネイルも剥がれますよ。

 

対してイカリジンでは容量制限はありません。

プラスチックに対する作用もありません。

 

そういう意味では非常に使いやすいという虫よけ剤になっています。

 

せっかく虫よけを使うのであれば、刺されないものをしっかりと使ってほしいものです。

なので、我が家はイカリジンを使っているのです。

 

ベタベタあせもには石鹸を

夏ですね。

まだまだあせもの患者さんがたくさん来院されます。

今回はそんなあせものお話です。

 

あせもにはいろいろなパターンがありますが、

今一番多いのは首は肘、膝といった関節の内側に出来る

ベッタリとしたあせもです。

湿疹の形もベッタリとしていますが、

触るとその部分が実際にベタベタしているのも特徴です。

このベタベタがあせもの原因です。

 

対応はこのベタベタを取ること。

ただ、面倒なことに普通に洗うだけではベタベタは取れません。

 

ベタベタを取るのにはどうすればよいか。

まあ、幾つか方法はあるのですが。

まず熱湯をかけること。

・・・夏にはやりたくない方法です。

次にお酢をかけること。

・・・匂いが嫌ですね。

最後に石鹸で洗うこと。

まあ、前2者に比べれれば良いのではないでしょうか。

ということで、石鹸を使って関節部分のあせもを取ることを推奨します。

 

試しにやってみてくださいね。

 

光と熱が分離する

不思議な事が起きているように見えました。

連続して白熱電球に触ってやけどをした子がきたんですね。

それも、それなりの年令になっている子どもたちです。

何でだろう。

といろいろと考えていました。

我が家の娘の行動も踏まえて考えていた時に、

思ったことが有るんです。

 

今の子たちはきっと、「光=熱」では無いんだろう。

と思ってしまったんですね。

 

古来、光とは熱でありました。

洞窟の中に住んでいた頃から、光を取るには熱が伴いました。

焚き火から始まり、灯籠やカンテラ、ろうそくなど、様々な明かりがありましたが、

それはいずれも火焔を伴うもの。つまり熱を伴うものでした。

少し前までの日本の家屋も同様に光=熱の図式が伴います。

しかし、第二次世界大戦後にその図式に変化が出てきました。

蛍光灯の登場です。

蛍光灯は、電子の流れと衝突からの放射光がその原理です。

この時、初めて熱=光の図式が崩れました。

でも、まだ蛍光灯は熱かったんですけどね。

 

そして、最新のLEDの登場です。

消費電力が蛍光灯よりも遥かに低いこの発光体は逆に言うと熱となるエネルギーも少ないということ。

したがって、消費エネルギーと発光体の温度が一気に変わりました。

エネルギー消費に比べて発光体の温度が特に低くなったのです。

流石に室内を照らすものでは温度がそれなりなりますが、白熱電球よりも遥かに低くなったのも事実です。

 

そして、その生活に慣れた日本の子どもたち。

そうなんです。明るいものは熱いものという刷り込みは徐々に薄れてきたんですね。

室内でLED、蛍光灯のみの環境に慣れた子達は、旅行先の白熱電球に物怖じせずに触ってしまう。

何ていうこともあるかもしれませんね。

 

世の中の変化に伴い、病気の内容も変化していくものなんです。

というお話でした。

 

子どもの手湿疹は梅雨のうちに治す

いままで、子どもたちの手の湿疹は、春から秋まで一本調子に悪くって、

冬に一気に治すものだというふうに思っていました。

でも、どうも違うんじゃないか?と最近思う用になってきたのです。

 

手湿疹が悪化するのはなぜか?

子どもたちの場合、多くは砂遊びです。

砂に触っていれば荒れる。

なので、夏に悪化、冬に改善のパターンを取るのですが、

夏は夏でも今の梅雨の時期は結構みんな良くなっているんですね・

 

まあ、そうですよね。

雨が降れば砂遊びはしませんからね。

というわけで、多分梅雨の時期の子どもたちの手荒れは良くなっている。

のでしょうね。

きっと。

 

さあ、今のうちに手荒れを直して夏休みに一杯遊ぶことにしましょうか!

0歳児の虫刺されは点ではじまる

虫刺されですね。

でも、0歳児の赤ちゃんの虫刺されはこんなふうには出ませんから。

 

0歳の赤ちゃんの虫刺されは「点」だけです。

大きさも数ミリ程度。

そして、それが拡大することはほとんどなく、落ち着く時はそのまま落ち着いてしまいます。

また。痒みが出ることも有りません。

もう一つの特徴は刺された日には出ないこと。

半日後から翌日くらいに出てくるんですね。

 

なので、お母さんは気が付かないんですね。

実際に診察の時にそのようにお話をするとびっくりするお母さんが多くいるんですよ。

 

知らなかった?というお母さんも多数。

そうなんです。赤ちゃんの虫刺されは年齢によって出きかたが異なるのが特徴なのです。

 

赤ちゃんの虫刺され、刺されていないのではなくて、見逃しているだけだったりして。

 

質問:高齢になっても虫刺されで水ぶくれになることはありますか?

さて、今回の質問です。

中年の方ですね。虫に刺された後に水ぶくれになる。

徐々に症状がつよくなっているようだが、原因はあるのでしょうか?

という内容です。

 

まず、簡単に回答を述べましょう。

「起こりえます」

です。

 

では、解説を。

虫刺されの反応はなぜおきるでしょうか?

虫の注入した毒や唾液成分に対するアレルギー反応が起きるからです。

 

なので、アレルギーの強さには虫側の要因と人体側の要因があります。

 

まず、虫の要因。

これは虫の種類ですね。

まず、水ぶくれを作るような虫に触れば水ぶくれができます。

マメハンミョウやツチハンミョウなどが有名でしょうか?

カンタリジンというタンパク質が毒になり、皮膚を溶かします。

あとは、ネコノミなど、水ぶくれを作りやすい虫もありますね。

こちらは化学的な問題というよりもアレルギーの問題です。

 

次に人側の要因。

アレルギー反応が強くなるような要因があれば、

反応が強くなり、水ぶくれが起きることがあります。

アレルギー反応にも実は色々ありまして、

まず全身の反応のしやすさがあります。

これは一つは遺伝によるもの、もう一つは体調によるもの。

ストレスがかかっているときや何らかの感染症があるときなどは、

アレルギー反応は強く出ることがありますね。

もう一つは、経験値によるもの。

 

経験値は虫ごとにカウントされます。

つまり、ある種類の虫にたくさん刺されると、徐々に反応が弱くなると

言うことですね。

でも、気をつけたいのは虫の種類はものすごくたくさんあり、

そのために経験値はそれぞれ、膨大な数に上ります。

そして、その虫の種類の違いはこちらでは認識していないことも

多々あるんですね。

だから、同じ「蚊」に刺されているつもりでも、実際のところ

別の種類であり、その違いを想定していないがゆえに

思った以上に反応しているということもあります。

これは、引っ越しや転居の後に虫刺されの症状が年齢相応よりも

遥かに強く出ることから十分に考えられます。

 

なので、このような要因が関係し合い、

年齢よりも遥かに強くアレルギーの反応が出ることがあるのです。

 

まあ、そう判断するのは難しいんですけどね。

 

回答は以上になります。

参考になりましたでしょうか?

お役に立てればうれしいですね。

 

 

 

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ステロイド外用薬に日焼け止めの効果はありません

 

そんな話をしている先生がいるとかいないとか?

それは誤解じゃないんですかね。

 

日やけによる影響は短期的なものと長期的なものに分けることができます。

短期的なものは、炎症。

長期的なものは、光によるDNA損傷と、光による組織変化(光老化というものですね)

に分けることができます。

 

ステロイド外用薬で抑えることができるのは前者のみですってば。

 

たしかに、炎症はステロイド外用薬で抑えることができます。

なので、日に焼けたあとに赤くなってヒリヒリしてきたり水ぶくれになったときは

皮膚科に来て、ステロイドを処方されれば良くなりますよ。

 

でも、DNA損傷と、光老化はステロイド外用薬を持ってしても

抑えることはできないのです。

だから、紫外線を抑えたいのであれば、日焼け止めをしっかりと塗ることが必要になるのです。

質問:2年前の虫刺されの影響は続きますか?

今回も当ブログに寄せられたお話からです。

まず、簡単に話をまとめてみます。

 

 

Q:もともとアトピーっけがある子。

2年前にブヨにいっぱい刺されました。

その後手足にぶつぶつができて、なかなか治りません。

他のところも痒くなってきました。

そんなこと、ありますか?

また、治療している先生には、虫さされから来ていることを言った方がいいですか?

 

 

A:あります。

数年間続くこともあります。

 

さて、詳しく見ていきましょう。

虫刺されの中でもブヨはちと特殊です。

アレルギーの反応は強く、長く出る傾向があるんですね。

数年持続することもあります。

 

しかし、この数年、虫だけでありません。

虫刺されからのアレルギー反応が起きている事自体が

更にアレルギー反応を引き起こすという悪循環になっていることがあります。

もともと。アトピー傾向があるということは、

他の人よりもアレルギーの反応が強めに出る子ということでもあります。

したがって、この反応は悪化しやすい傾向にあります。

このように虫刺されのアレルギー反応は強くなりすぎてしまった状態を

「結節性痒疹」という病名で読んでいますが、

最初は虫さされからこの結節性痒疹が起きることもままあります。

 

こうなると、治療は非常に難しく、いろいろな方法を組み合わせないと、

症状を抑えることが難しくなってしまいます。

だから、まず治療してくれる先生には虫刺されがきっかけであること、

そこから悪化したことをしっかりと話しをした方が、

その症状に併せて治療を行ってくれる一つのきっかけになるのではないかと考えれます。

 

結節性痒疹は何もしないでよくなるのにはとても長い時間がかかりますので、

早めに治療を開始した方が良いでしょうね。

質問:虫に刺されたことが無いのですか、そんなことありますか?

 

こうやってブログを書いていると、時に質問メールが飛び込んでくることがあります。

今回はその質問に答えてみることにしましょう。

 

さて、今回のメールは虫刺されのお話です。

虫に刺されたことが無いのだが、それって有るの?

というお話ですね。

では考えてみましょう。

 

虫に刺されたことがあるかないか?

それを証明することは困難です。

ただ、刺されにくい人がいるのは事実です。

 

どんな人か?

一言で言えば汗をかかない人ですね。

虫は汗に寄ってきます。

正確には汗の中に入っている様々な化学物質に対して

誘引されます。

なので、汗をかきにくい人にはよっていかない可能性は十分に考えられます。

実際に、汗のできにくい尋常性乾癬という病気の方には虫さされが少ないというデータがありますし、

先天的に汗をかかない、無痛無汗症、減汗性外胚葉形成不全症の子と話をしていても、

虫刺されの話を聞く事はありませんね。(統計データとしてはありませんが)

 

 

もう一つの可能性は、アレルギー反応そのものがなくなっている可能性。

これは二つに別れまして、

刺され慣れていない場合と、刺されすぎた場合の二つにわけられます。

最初の刺され慣れていない場合。

これは赤ちゃんですね。生後半年くらいまでの赤ちゃんは虫に刺されても全く反応は有りません。

しかし、年齢とともに大きな反応を起こすようになってくるのですが。

もう一つは高齢者。

何回の刺されると、そのうちに虫刺されではアレルギー反応は起こらなくなってきます。

なので、何も起きない。

 

となるわけです。

 

「虫に刺されたことがない」人はいくつかのパターンに分けることができました。

さて、皆さんの周りにはそんな人、いませんか?